「シリアに最後のチャンスを」エルドアン・オバマ会談
2013年05月18日付 Milliyet 紙


アメリカを訪問中のエルドアン首相がシリアについて興味深い発言をした。エルドアン首相は軍事的な選択肢ではなく外交的な試みにもう一度チャンスを与える可能性をほのめかした。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はワシントンの権威あるブルッキングス研究所で記者会見を開いた。報道陣の質問に答え、「飛行禁止空域については、アメリカとトルコの間で決定を下すことはできない。これは国連安保理の承認を得る必要がある。なぜなら、第1回ジュネーヴ会議を第2回ジュネーヴ会議で引き継ぐといったプロセスが絡んでくるからだ。現在ロシアがジュネーヴ・プロセスの継続に賛成している。アメリカも中国もアラブ連合諸国もこのプロセスの中に含まれている」と述べた。

■柔軟なものであるべき

エルドアン首相は第2回ジュネーヴ・プロセスを支持しながらも、これは柔軟なものであるべきだと主張。「計画が公開され、その計画に沿ってプロセスが継続するべきだ」と述べた。アメリカ側もこのプロセスが計画に組み込まれることに同意しているという。

■転換、あるいは進展

シリアの危機の解決策を見つけるために2012年6月30日に開かれたジュネーヴ会議の続きと目され、ロシアの参加により外交的解決の容易化が見込まれている第2回ジュネーヴ会議は、今年6月に開催される予定だ。エルドアン首相はアメリカ訪問の前、このプロセスに期待していなかった。それどころか第2回ジュネーヴ会議を「言い逃れ」と断じていた。しかしミッリイェト紙のアスル・アイドゥンタシュバシュ記者のこれについての考えが変わったかという質問に対し、「私の考えは変わった、あるいは進んだと言っていい。ロシアと中国が参加するなら、短期間で手が打てるかもしれないと述べた。

■アサドなしのプロセス

エルドアン首相はこのプロセスにアサド大統領は関わるべきではないと強調した。
「(ジュネーヴ・プロセスについて)皆さんご存知のように、昨日オバマ大統領はある表現を使った。アサドなしのプロセスに触れたのだ。アサド大統領が関わらないプロセスは、第一回ジュネーヴ・プロセスでも主要議題の一つだった。アサドが参画する移行政府がこれを解決することは不可能だからだ。そもそも、これを反体制派が認めるはずもない」と述べた。

■悲観的な空気が支配的

エルドアン首相は「オバマ大統領と飛行禁止空域の選択について話したか」との記者の質問に答える際、ジュネーヴ・プロセスにも触れ、「このような決定が出た場合、トルコとしてやるべきことを実行する。実行しなければならない」と述べた。
「現在シリアの反体制派は陸上における戦闘で成功している。しかし、今は悲観的な空気が支配的だ。これは(アサド政権が)ミサイルを使っているからだ。NATOが確認した数字では283発のミサイルが発射されたという。サリンという化学兵器も使われている。これらは人道的観点から考えなければならない。それどころか国連総会で議論されるべきだ」と語った。

■ロシア訪問

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は「アメリカから帰国したら、次の予定はトルコ周辺地域の国々の訪問だ。ロシアをはじめその他湾岸諸国も訪問することで、この辺りでも生まれている空気について彼らと話し合いたいと考えている」と述べた。ロシア訪問の日程については確定次第発表されるという。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:29995 )