エジプト:シナイ半島で誘拐された軍人解放をめぐる困難な交渉
2013年05月18日付 al-Hayat 紙


■エジプト:シナイ半島で誘拐された軍人解放をめぐり困難な交渉

2013年5月18日『アル=ハヤート』

【カイロ、ムハンマド・サラーフ】

エジプト当局は、治安機関とシナイ半島の軍人と警察系7人の誘拐犯らとの非直接交渉に関する情報公開を拒否した。誘拐犯らの目的は囚人の釈放だ。その一方で、対抗キャンペーンは、タハリール広場への帰還デモを通して、さらにその規模を拡大した。このキャンペーンは、昨日(17日)野党勢力が呼びかけたものだ。そこではデモ参加者ら数千人がムハンマド・ムルスィー大統領の不信任決議、早期の大統領選挙の実施を要求する嘆願書に署名を行った。

シナイ半島の誘拐軍人の解放交渉に近い情報筋によれば、治安機関と誘拐者らの間にいるイスラーム系・部族系の仲介者らは、誘拐者が、交渉が終わるまで誘拐された軍人と警察には手を出さないと報告したという。また本紙に対して、治安機関が軍人7名の身元と場所を特定したと付言した。そして、仲介者らが誘拐犯らの主権の側面から、軍人に抵触しないことを伝えた。彼らは誘拐者らに危害を加えないことを約束したという。しかし、同情報筋は、誘拐者らの要求が頑ななために交渉は困難であると語った。一方で、治安機関は恐喝には屈しない。あらゆる囚人の釈放は法に従い行われると強調した。

誘拐者らが2011年のアル=アリーシュ(アレキサンドリア県の都市)の交番襲撃事件で裁かれた者らと関係があることが確認された。この事件で警察官6名が殺害され、死刑判決を受けた被告は14名に上る。その一方で、被告側の弁護人であるマジュディー・サーリム(前ジハード系組織「解放前線」組織のリーダー)は本紙に対して「今回の誘拐事件と自身の委託者らとの関係は確認も否定もできない」と述べた。

また同弁護人は「私と他のイスラーム系グループは、治安機関と誘拐者間が相互理解に辿りつけるよう努めた。しかし、残念ながら治安上の障害があり、われわれは最終的な結末へと行き着くことが出来なかった」と明らかにした。そして自身が誘拐された軍人の危機に終止符を打つべく複数の接触を始めたと述べた。またシナイ半島の部族に対して発行されている欠席裁判問題を終わらせる必要があると強調した。

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( 翻訳者:西舘康平 )
( 記事ID:29999 )