北イラク・クルド自治政府、イラク・シリア国境を閉鎖
2013年05月20日付 Zaman 紙


北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領は、テロ組織PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)がシリアで結成したPYD(民主統一党)に向けて厳しい声明を発表した。

バルザーニー大統領はPYDが密かに武装化していることを指摘し、もはや話し合いはできないと語った。クルド系反体制派のサイトのnasname.com(ナスナメ・ドット・コム)は、PYDがイラクとシリアの国境に拠点基地を構築し始めたことを伝えた。

北イラク・クルド自治政府とPYDとの間の緊張は先週の土曜日(18日)、PYDがシリア・クルド民主党員75名を拘束したことで始まった。バルザーニー大統領はPYDに対し、拘束したものを日曜日の夕方までに解放しなければ、新たな対応をとることを伝えた。これにも関わらずPYDが歩み寄ってこないことからバルザーニー大統領は、PKKにとって大変重要なイラクとシリアの国境を閉鎖した。PYDは拘束したものを今日(月曜日)解放しなかったので、バルザ-ニ大統領は文書で声明を発表した。今日からPYDへシリア・クルド高等評議会への参加と活動の許可を与えないと伝えた。

■「シリアで自由選挙が行われない限り、いかなる権力も承認しない。」

バルザーニー大統領は今日までシリアのクルド政党や諸グループ間の関係改善を望んでいたと語り、以下のように話した。「私たちは、このためにあらゆる努力をおこなってきた。この目的で昨年、高等クルド評議会で一同が会した。その時から今日まで兄弟のようなすべてのグループに対し、私たちのアプロ―チは同じであった。残念なことに、ある一派が日ごとに、悪意をもって武装化しはじめている。そして、日ごと(その一派は)アルビル合意から遠ざかった。加えて、これだけにとどまらずクルド人を殺害、誘拐、拘束している。他の政党のメンバーの生存権を認めていないのです。シリアで自由選挙が行われるまで、すべての政党とグループは同等な立場にあります。あるグループが他のグループに対し権力を行使することなど許すことはできません。この状況で私たちは態度を示す必要があります。もし、アルビル合意に従わないのなら、私たちは新たな決定を下します」。

■PYDが国境に集結している

この間、クルド系反体制派のサイトnasname.com(ナスナメ・ドット・コム)はバルザーニー大統領の声明に関連し、PYDがシリアとイラクの国境に集結し始めたことを伝えた。サイトの報道は以下のように伝えた。「入手した最新の情報によれば、PYDは500人の兵力を国境に送り、拠点陣地を構築し始めている。PKKがトルコから出国する一方、PYDもシリア政府と同盟を結びイラク国境へ集結していることは、北イラクだけでなく他の地域の既得権益をも侵す恐れがある。PKK/PYDは明らかにクルド人と戦わされるために利用されているのだ。よりはっきり言うなら、この裏切り者の役割を、今や自分たちで明らかに演じているのだ。闘争が、民族解放主義者と帝国主義国家の傭兵であるPKK/PYDのゲリラの間で生まれる可能性があるのだ。PKK/BDP(平和民主党)/PYDの内にいる祖国を愛する者たちは即座にこの裏切りのゲリラの隊列を放棄しなければならない。さもなければ、帝国主義者のヒットマンとして自分たちの仲間やその民族的権利に対し攻撃するといったような、恥ずべき位置に置かれることになる」

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:30038 )