アルコール飲料宣伝禁止法、審議はじまる
2013年05月21日付 Yeni Safak 紙

アルコールに関する法改正を含む「法律及び法令の変更手続きに関する法案」が、トルコ大国民議会の計画予算委員会で承認された。

法案では以下のことが記載されている。

・アルコール入り飲料はその種類にかかわらず宣伝や消費者にむけた広告が禁止される。
・アルコール飲料の摂取と販売を促進しようとする企業が、今後、(国内外の業界向けの展示会や業界のイベントを除き)プロモーション活動をすることが出来なくなる。
・アルコール飲料を生産、輸入、販売業者は、今後一切のイベントにおいて(国内外の業界向け展示会、学術的な出版や活動、さらには業界のイベントを除き)、商品のマーク、エンブレム、商標を使用して、協賛することはできなくなる。
・アルコールの販売許可を持つ食堂、レストラン、バー、ナイトクラブなどの場所で提供されるアルコール飲料は、ロゴやエンブレム、商標が記載されている形で販売することが出来る。
・アルコール飲料の生産、輸入、販売業者は、試飲品配布などの宣伝活動が出来なくなる。
・18歳未満へアルコールを販売したり勧めたりすることは禁止される。
・18歳未満の者は、アルコール飲料の生産、輸入、販売の仕事に従事することが出来なくなる。
・アルコール飲料を自動販売機で販売することが出来なくなる。
・あらゆるゲーム機器や様々ゲームのなかに(題材、あるいはアイテムとして)お酒を登場させることはできなくなる。
・電話やテレビ、インターネットを通して消費者に商品を売ること、また郵送で商品を送ることが出来なくなる。
・アルコール飲料は、提供する許可がある場所で飲料することはできるが、その場所の施設外で飲料するために商品を販売することが出来なくなる。
・アルコール飲料の取り扱い業務は、外から見えるかたちでの小売は行えなくなる。
・トルコで生産されたもしくは輸入されたアルコール飲料のパッケージ上に、アルコールが及ぼす害についてトルコ語での警告文またはメッセージが記載されるようになる。
・警告文は写真、イラストまたは絵として載せられることも可能だ。警告文が貼られていないアルコール飲料は販売することが出来ない。
・アルコール飲料またはノンアルコール飲料に関連するブランド、またはそれを認識させ、想起させるようないかなる名称、ロゴ、エンブレム、マークを使うことが出来なくなる。
・アルコール成分が含まれる飲料のパッケージにはそのアルコール含有量を、アルコール成分を完全に取り除いたものはゼロアルコールであることを、消費者がすぐに判別できるように表示しなければならない。
・高速道路または国道沿いにある建物や施設でアルコール飲料を販売、飲料してはいけない。
・学生寮、医療福祉関連の建物、スポーツの試合が行われるスタジアムや屋内体育館、すべての教育機関や学校、カフェ、喫茶店、ケーキ屋、カードゲーム場そしてガソリンスタンドにある売店、レストランでアルコール飲料の販売が出来なくなる。

法案では、これらの禁止事項を守らなかった者について最大50万TL(約2700万円)までの罰金を科すと検討されている。

■販売許可取得

・たばこ製品、エチルアルコール、メチルアルコールおよびアルコール飲料を販売したい人は、たばことアルコール市場統制協会(TAPDK)へ販売許可を申請しなければならなくなる。
・たばことアルコール市場統制協会(TAPDK)へ許可を申請したい人は、まず市または県特別局から販売所開設許可をとるか、または文化観光省から観光地物販許可を取らなければならない。
・市または県特別局は、許可を出す前に、管轄する警察に見解を求める。
・この法律が適用される商品は、まとめて小売される場所あるいは公然と販売される場所と、公立の学校、塾、学生寮、礼拝所との距離が門から門までで100m以上離れていなければならない。
・市または県特別局が許可を発行する際に、上記の100mルールは許可が出された日付から適用される。また100mルールは観光地物販許可で営業する際には、適用されない。
・これ以前に販売許可を取った店もまた、このルールは適用されない。
・たばことアルコール市場統制協会(TAPDK)によって出される予定の第2の改正が公報で発表されてから10か月以内に、商品は改正条項に沿った形で扱われることになる。

AKPウスパルタ選出のスレッヤ・サディ・ビルギチ議員は、法案審議に際して、CHPイスタンブル選出のマフムート・タナル議員との間に議論が起きたことを明らかにした。この議論の原因についてビルギチ議員は、委員会でアイラン(塩味のヨーグルト飲料)が配られた際にタナル議員が、「アイランが発酵しているように、ここにいる者たちも信用できないひどい奴らだ」と発言したとし、これに対しては「いまの発言は名誉棄損になりうる」と返答した。

計画予算委員会のルトフィ・エルヴァン委員長は会見をおこない、トルコ大国民議会に対して適切な処罰がなされるよう申し入れをするつもりだと、次のように語った。「ひとりの国会議員がこれほどまでに下品な発言をするなどあってはならない。私は私に対してこのような発言はさせない」

CHPイスタンブル選出のメヴリュト・アスランオール議員は、「この議会には信用できない人間などいません。何人かの人々に対する発言であったならば謝罪します」と話した。

一方でアスランオール議員は、「ウイスキーもラクも全部禁止しましょう。あなた方はそうしたいんですよね。あなた方が言えないので私が代弁して差し上げます」と発言した。


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:30047 )