Serpil Çevikcan コラム:オジャランの独房は広がるか?―解決プロセス次の1歩は?
2013年05月29日付 Milliyet 紙

PKK(クルディスタン労働者党;非合法)の国外撤退について、在カンディルBDP(平和民主党)は撤退の期日を6月末と予測している。政府側はというと、これを多少オーバーするだろうと見ている。
いずれにしても、おそらく国会が休暇に入るまでに撤退プロセスは完了するだろう。
完了するということは、つまり第二段階に進むということだ。カンディルが「ここから先は、そちらの対応を見守りましょう」と言う段階である。この段階にくれば、この夏をどれだけ有益な時期にできるかが重要になってくる。
BDPセラハッティン・デミルタシュ共同党首は、ここ数日の発言で繰り返し「今度の夏を無駄にしてはならない。国会では、民主的政治の道が開かれるための必要最低限の法改正案を、必ず成立させなければならない」と呼びかけている。

■会期を無駄に過ごしてはならない

国会は、7月中旬まで開かれる予定だ。国会議長やそれに準ずる選挙は、主にカレンダーに基づいて行われる。TBMM(トルコ大国民議会、国会)の議場外で昨日ベキル・ボズダー副首相はこのカレンダーについて言及した。
政府側からの情報を見る限り、BDPとカンディルが早急に求めている改正法案が夏の国会を通過すると考えるのは難しく、BDP側は、時間のロスを懸念している。BDPムシュ選出のスッル・サクク議員は、昨日のインタビューで「会期を無駄にしてはならない」と話した。
「誘拐した公務員の釈放、戦闘停止と武装解除と、PKK側は課された責務を果たした。今度は政府が、相互の信頼をさらに強めるような具体的な取組みを示すべきだ。すなわち、早急に民主的な試みへの道を開かなければなるまい。対テロ法、政党法の大幅な改正、選挙法の整備、最低得票率制の廃止、収監中のKCK党員の釈放などが挙げられる。しかし何よりもまずは収監中の病人と、20~25年間獄中にいるPKK党員の解放だ。」
サクク議員はこれらについて「緊張緩和のためのプロセス」との見解を示しており、今後控えているBDP党員によるイムラル島訪問において、これらがまず話し合われるものとみられている。

■母語問題の中間策

議場外で囁かれている情報から見ると、困難な分岐点に置かれているいくつかの問題は、中間策により無事国会を通過するだろう。
例えば「トルコ語以外のいかなる言語も、教育機関においてトルコ国民にその母語として読ませてはならない」という有名な(憲法)第42条の条文だが、母語に代わる基準が設けられ、事実上この禁止は廃止される。クルド語に立ちはだかる障害は、条文に書き加えることなく取り除くのである。BDP側も移行期としてこれに反対はしないようだ。
もちろん、ことは母語教育だけに留まらない。BDPは、20~25章に及ぶ法案を早急に通過させようとしている。市民権、故郷への帰還、自治などについても大きな期待が寄せられている。

■オジャランの状況

これとは別にイムラル島に関して錯綜していた報道は、法務省によって否定された。
最終的に、イムラル島には女性4人を含む8人のPKK党員が送られ、島で昨年より続けられていた刑務所の増設工事が来月終了するなどの情報が正しいことが確認された。
様々なメディアがなぜ誤った情報を報じたのか、それがこの問題の重要性を示している。
私の耳に入ってきた情報は本当に重大だ。
「オジャランの置かれている状況は改善しないのか」の問いの答えはこれだ。
「オジャランは何があろうとイムラル島から出ない。」
周知のようにオジャランは、12平方メートルほどの部屋で罰を受けている。政府内ではオジャランがもっと広い独房に移れるよう準備が進められていると言われている。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:30124 )