エルドアン首相の「不敗」イメージを揺るがした、ゲズィ公園抗議運動
2013年06月01日付 Radikal 紙


タクスィムでの抗議運動は、エルドアン首相の50%の票を背景にした「なんでもできる」というイメージを揺るがした。大統領の権限を強化し、強権をもつという目標も傷ついた。

エルドアン首相が、輸出業者会議で、タクスィムのデモ隊やその背後にいると疑っている共和人民党(CHP)に対し攻撃的な言葉を述べたのと、CHPを含む何万人ものデモ隊がタクスィムに集まる事態との間には、たった5時間しかなかった。しかし、この5時間のなかでふたつの重要かつ、賢明な判断が行われた。

そのうちのひとつは、CHPのケマル・クルチダルオール党首が、ずっと前から決まっていた6月1日開催のカドゥキョイ集会を中止し、CHP支持者に対し、タクスィムへの支持を呼び掛けたことだった。二つ目はギュル大統領がトゥルクメニスタンから戻り、イスタンブル県知事、内務大臣、さらに首相に電話をかけて情報収集をし、警官への慎重な行動を求めたことだった。

14時30分頃に行われたこの電話会談のあと、警官隊は、15時30分から16時の間にタクスィムから(ただし、催涙ガスをまきちらしながら)、撤収をはじめた。17時ごろには、5日まえにはわずか50人ほどではじまり、警官隊の過剰な暴力と政府の強硬策により、その数が何万にも膨れ上がった人々が、タクスィム広場に流れこんだ。

もう一つの、賢明な動きは、クルチダルオールCHP党首(と、CHPの旗やプラカード)が、タクスィムに現れなかったことだ。CHP支持者らは、これを、(エルドアンがあらかじめ阻止のために語っていた)「政治的利益のために、(このデモを)やっている」という非難を無効にするために選択した、と述べている。

その結果、事態は次のようになった。トプチュ兵舎再建工事は明日にも再開されるかもしれないが、立ち入り禁止とされたタクスィムに人々は入れたのだ。また、エルドアン首相が「トプチュ兵舎の一部がそうなるかもしれない」といっていたショッピングモールに対し、トプバス市長は、「それは、ない」といい、ヒュセイン・チェリキ公正発展党報道官も、反対だと述べた。

タクスィムでの抵抗は、エルドアンが50%の票をとっているのだから何をやってもいいのだ、というイメージを揺るがした。。大統領の権限を強化し、強権をもつという目標も傷ついた。

最後にひとつ質問をして終わりにしよう。タクスィムでの5月1日のメーデーのデモは、タクスィムでの道路工事現場の穴に人が落ちる危険があるとされ、禁止され、そのせいでずいぶんな混乱がおきた。昨晩、タクスィムに、それも、あれほどめちゃくちゃな無計画な形で人が集まったにもかかわらず、穴に落ちてけがをした人はいたのか?答えは、ご存じのとおりだ。


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:30175 )