旧世代困惑のゲズィ公園に寝泊まりするY世代
2013年06月09日付 Milliyet 紙


ゲズィ公園の若者たちの最も強力な武器はユーモアだ。他の特徴もある。彼らはテクノロジーを熟知している。恐るべき組織化で現状を驚きに変えた、10年間続く政権さえも、このデジタル世代の機動性を認識できていない。

トルコは、共和国史上最も興味深い日々を過ごしている。ご存知の通り、ゲズィ公園のために始められた環境保護活動は、Y世代による、常識をはげしく覆すデモへと変わった。
10日間、私もその若者たちの中にいた。彼らと話し、彼らと催眠ガスをくらい、彼らと「ならず者」をした。この若者たちは本当に変わっている。ある一つの見解を代表してはいない。タクスィムの活動は個人的で、単数で、異なった反応のすべてが一つになることで成り立っている。
最も大きな武器はユーモアだ。
それほど強いユーモア感覚があるので、この場所でシャハン・ギョクバハルやシャファク・セゼルの芸が人気になることに、人間は思わずもったいないという気持ちになる。。活動家のユーモアの理解は、すべてのありがちな批判を、オフサイドとしてしまった。

■悩みの一つは公園におけるインターネット接続

他の特徴もある。彼らはデジタルの世界で生まれた世代だ。(コンピュータゲームの)グランド・セフト・オートで音楽を聴き、(ゲーム内で)交通をお互いに混乱に陥れながら成長した。FPSゲームで 投げられた煙幕に同じ反応をした。そのため、彼らに催眠ガスはそれほど効かない。おそらく誰かは知っているだろうが、ひょっとしたら、過去(の記憶)にさかのぼる「煙幕を投げるな!」という反応が、警察への反抗心を育てているのだろう。
彼らはテクノロジーを熟知している。恐るべき組織化で現状を驚きに変えた、10年間続く政権さえも、このデジタル世代のエネルギーを認識できていない。常識を壊すことになれた層は、今日自分たちの常識を壊すこの若者たちを理解することに非常に苦労している。キーワードはやはりユーモアだ。問題のユーモアへの理解が、inci sözlük、bobiler、krampon、zaytungといったサイトで大きくなったことを見る必要がある。面白く滑稽に生きるSNSの若者たちを、「昨日私はトラックを運転した、レオナルドはクレーンを(運転した)」(訳者注:「レオナルドはクレーンを」はトルコ語では「レオナルド・ダ・ヴィンチ」になる。)という冗談で捕まえることは可能ではない。

毎日何千人もの若者がゲズィ公園を家のように思い込んでいる状態だ。テントで生活している。テクノロジーの利用がかなり制限されていることは言うまでもない。スマートフォンやタブレットで生活し、食べている料理の写真をインスタグラムにアップせずにはいられない、面白い洒落はツイートしないと 無駄になると考える世代にとって、これは大きな自己犠牲だ。
ゲズィ公園で生活する多くの若者と私は話した。公園における最も大きな苦しみの一つはインターネット接続だ。一日の(回線が)混雑している時間帯に電話がかからないように、3G回線でインターネットに接続するのもかなり難しい。若者たちはホテルをはじめとした場所の無線を使うことができる。しかし昼ごろから明け方ごろまで混雑によって接続は不可能かのようだ。公園の広場に面した前面では無線のシグナルがより強いことも、話の中で学んだ。

■彼らはニュースをSNSでフォローしている

他の問題は、もちろん機器のバッテリーの寿命だ。#direniphoneşarjıというハッシュタグが登場することにあまり驚かないことが必要だ。公園の外に設置された携帯充電ユニットと並んで、ホテルもバッテリーに苦しむゲズィ公園の住人に助け舟を出している。特に若者たちはホテルの厚意について賞賛を持って言及している。
若者たちの最も大きなニュースの源はツイッターだ。インターネットへの接続はとても大切だ。テレビを見る代わりにSNSでニュースをフォローしている。偽情報に対しても、信頼できる人をフォローすることで自衛している(偽情報さえも主流のメディアほどは彼らを不快にはしない)。例えばアンカラで警察の強力な干渉が行われた時、最初の情報はツイッターから得られ、公園における興奮を反発へと変えた。最も大きな不満は、SNSで度々流れる 「警察が来る」という情報に対して向けられている。デモ参加者は、目で見ても警察が来ていることを信じないというような精神の状態になっている。

<後略>

【Y世代:X世代の次の世代。トルコではだいたい1970年代後半から1990年代の間に生まれた世代を指す。トルコ人口の約25%がこの世代にあたる。】

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:30319 )