MHPバフチェリ党首、エルドアン首相を非難、追及へ
2013年06月18日付 Milliyet 紙


民族主義者行動党(MHP)のバフチェリ党首は、公正発展党(AKP)集会でMHPのシンボルである「3つの三日月」と「灰色の狼」のエンブレムが掲げられていたことに対して、「本日私たちはこの件に関して必要な法的措置を取り、どのように決着するとしても、我が党に対する無礼な振る舞いへの代償を、司法の場できちんと問いただす」と述べた。

MHPのバフチェリ党首は党集会で、エルドアン首相へ向けて、「MHPはまだ最後の言葉を発していない、とは我々はふざけてなどいないという意味だ。まだ何も終わっていない、とは我々はいい加減に発言してはいないということだ。賢明になられよ、さもなければトルコ国民とトルコナショナリストらはあなたを呆然とさせることになるのを思い知ることだろう」と述べた。

バフチェリ党首は「AKP政権は非常に重大な結果をまねく罠をしかけ、問題を引き起こし、危機を作り出した。この政治的方針によって、社会的平安は断たれようとしている。社会の治安はリンチによって抹殺されようとしている。さまざまな考えは2つの陣営に分かれ、さまざまな良心は2つの異なる座標へと運ばれ、さまざまな目標は2つの異なる群れへと追いやられた。統合や共に歩むという理想の接着剤であった帰属意識は弛緩し、たわみ始めている」と語った。

■「政治の目的は分断することではない、統合することだ」

バフチェリ党首は「政治の目的は分断ではなく統合することにある」と述べ、以下のように続けた:「政治の目的は分断、粉砕、ばらばらにすることではなく、集め、まとめ、統合することにある。さらにその目的は(国や国民への)奉仕であり、発展させることであり、より良きものを、より美しきものを、さらにより以上のものを提供できるよう探求することである。私たちにとってこうした政治こそが意味があり、敬意を示すにふさわしいものとなるのだ。 政治を個人の利益や繁栄の手段とみなしているもの、地位やステータスへの貪欲さを満たすための道具と考えている者らが、民主主義や国の政治に対し、謙虚であったとしても、参加することは無駄なあがきである。何よりも重要なことは、政治の世界に存在するライバル関係、競争、ポジティブな闘争は、理想を見いだし、理想に到達するために形作られた一つの政治プロセスの一部分なのである。

■「首相は『ゲズィ公園危機』を扇動しようと、あらゆる手を使った」

さらにバフチェリ党首は、「タクスィムのゲズィ公園で3週間続いているこの騒動の発生とその後の展開をみてわかるように、この私の言葉を抜きにしても、この騒動が決着するのはむずかしい。まず次の点を特に強調しなければならない;首相と政権はゲズィ公園危機を扇動するためにあらゆる手を使った。互いにアンバランスな発言、前へ後ろへと投じられた不揃いな歩み、ある時は和解に傾くかのようなメッセージ、しかしほとんどが賭けを行うような、挑戦的な、そして侮辱的な、見下したような態度が、トルコの進む道をカオスへ変えた。エルドアン首相は、最も自然な権利と期待を求める声が挙がることを、自分そして政権に対しての仕組まれた陰謀でありたくらみであると認識した」と語った。

■「明白な政治的陰謀である」

アンカラのスィンジャンで開かれたAKPの「国民の意志へ敬意」集会で掲げられた「3つの三日月」と「灰色の狼」のプラカードについて、「(MHPのプラカードが掲げられている)状況に首相はすぐに細心の注意を払い、直後『兄弟であるMHP諸君に感謝をのべる』と言う言葉を使ったのだ。次のことを皆は知らなければならない、首相の謝辞を受けいれるような当事者はわが党にはいない。AKP集会で「3つの三日月」と「灰色の狼」のシンボルを盗み、利用した者はMHP党員ではないことから、首相は詐欺師たちに、浮浪者らに感謝したと言えるだろう。AKP集会に「3つの三日月」と「灰色の狼」のシンボルを利用したことは明白な政治的陰謀である。実際のところ今日、私たちは、この件に関して必要な法的措置を取り、どのように決着するとしても、我が党に対する無礼な振る舞いへの代償を、司法の場できちんと問いただす。この件についてエルドアン首相は全く知らないというなら、その時は深刻な脅威に直面しているということを、間違いなく知ることになるはずだ」と述べた。

■「AKP政権はこのような裏切り行為のなか、何をしているのか?」

バフチェリ党首は「トルコがゲズィ公園に釘付けになっているとき、分離主義者達は隙を見て、脅しに満ちた言葉と発言を繰り返している。先週末ディヤルバクルでいわゆる「北クルディスタンの統合と解決のための会議」を開き、非難されるべき行為を重ねて見せつけた。PKKと政治的分離主義者たちは頭の中では昔からトルコを分割し、東、西、北、南のクルディスタンを悪魔のごとく形作ることを考えている。しかし政府はまだ動いていない。エルドアン首相は無実な国民にテロリストというラベルを貼る代わりに、もし反論や反論のための証拠がないなら、PKK、イムラル島の殺人者(オジャヤラン)とディヤルバクルに集まっている者たちに目を向けるべきだ。愛するわが国民がタクスィムで奮闘している一方で、足元にある祖国の大地が滑り落ちていっているのを知るべきだ。トルコ共和国の一部が北クルディスタンと宣言し、主張している。AKP政権はこのような裏切り行為のなか、何をしているのか?」と語った。

■「賢明になられよ」

党首は、「トルコに危害を加えることを望むような堕落したものがどれほどいようと、奮い立ち、立ち直り、立ち上がった」と述べ、以下のように続けた。「エルドアン首相がもしPKKに、イムラル等の殺人者に(オジャラン)にいわゆる北クルディスタンについて何らかの権限を与えるようなことをするなら、もしトルコ国民を(タクスィム騒動に)忙殺させ、PKKや分離主義者に土地をわけ与えるようなことをするなら、もしトルコとトルコ国民の消滅の原因となる約束を次々にしたならば、現世ではなく、最後の審判のときであっても、私が彼の首根っこを押さえないなら、私は卑怯者となってしまう。首相よ、MHPはまだ最後の言葉を発していない、とは我々はふざけてなどいないという意味だ。まだ何も終わっていない、とは我々はいい加減に発言してはいないということだ。賢明になられよ、さもなければトルコ国民とトルコナショナリストらはあなたを呆然とさせることになるのを思い知ることだろう」と述べた。


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:30490 )