Sukru Kucuksahinコラム:歴史の「正しい」側にたつために
2013年06月20日付 Hurriyet 紙

首相と首相周辺がゲズィ公園デモ主催者らのメッセージを受け取らなかった、もしくは受け取らないかのような振る舞いを見せていることに関し、議論が起こっている。


この意図的な振る舞いは、与党の得票を増加させるためのものだ、という人もいる・・・
逆を唱える者も多い、しかし問題はこれではない。
問題は、政権が自画自賛する新しいトルコの現実を読みとらず、トルコが必要とし期待することがらに応えるような新しい政策が見えてこないということである。22日間でさまざまな陰謀説へ逃げ込んだことが、まさにその証である。
しかし、陰謀説も、弾圧の強化も、警察国家に向け歩み始めることも、現在の、そして将来の新しいトルコで通用する有効な路銀とはならない。野党であれ与党であれ、このことを理解する者が政治を勝ち取り、そうでないもう一方は脱落する。



■ 取り巻きの精神状態


公正発展党(AKP)政権のおかげで一人当たりの国民所得が1万ドルを超えたトルコにおいて、もはやかつてのような挑発的な発言が市民を駆り立てなくなったことは明らかである。

例えば?9月12日(1980年クーデター)以前の最も辛い惨殺は、いつもモスクについて流れる嘘の情報の後に起きた。今日においては、「モスクが侮辱された」話が誰から来ようとも、(かつてと)同じ結果にはならない。なぜならばもはやトルコは騙されないからだ。
保守派をはじめとする、「騙されない」全ての人々に大いに感謝する。(たとえ身の程知らずの者たちが神聖な場所で誤ったことをしたとしても、この行動をもって一般化することや、これを議論することはおおいに間違っている). 
さて、状況がこのようである中、なぜゆがめられた、挑発的で、益のないことが話されるのか、これも考えねばならない。
アンカラの舞台裏で、一部政権与党関係者の精神状態が話題となっている。このため首相にもたらされたいくつかの情報をだれが伝えたかが重要だといわれている。
なぜならば首相に近しい何人かが「国のために昼夜を問わず働いている首相に対しこんなことをする者たちは、明日には我々に何をしでかすか」という精神状態に陥っているらしい。
この精神状態の人たちは、いくつかの情報を首相に、より厳しい態度に導くような形で提供していることがわかっている。
「側近は誰一人として、首相に誤った情報を与えることはありえない」と言われるかもしれない。しかし正確性を確認できないいくつかの情報と情報源は検証すべきである。



■メッセージは与党にも野党にも


今日行わなければならないことは、社会のあらゆる層を安心させる発言や行動を行うこと、通りにいる人々(デモを行っている人々)を家へ送ることだ。家にいる者もいすに座らせることだ。(彼らも時が来たことを理解すべきだ)
もし『7600万人(のトルコ国民)はひとつだ』と言われるならば、適切な発言によりこの結果は非常に安定したものとなる。
事件ののちトルコは二つに分裂し、衝突したのではない。皆がお互いに敬意を持ち、姿、服装、宗教、宗派についてあれこれいうのではなく、むしろ逆にこれらのすべての差異を取り去って自由を拡大させる国となることに非常に近づいている。全政党もこれにあらゆる貢献を行う義務がある。
なぜなら、デモ隊のメッセージは与党へだけではなく、野党にも向けられたものだから。全政党は少なくともイランに目を向け、この時代にどれほど強い圧力をかけたとしても、「一様なる社会」の努力が無駄に終わることが理解できるだろう。

またはブラジルではルセフ大統領が通りに満ち溢れた国民に対し「抵抗運動に誇りを感じる。歴史の中で誤った側にたたないようにしよう。この声に耳を傾けることが必要なのだ」と述べたことをご存じだろう。
まさにその時、魔女狩りを行っても成果は出ないということが理解されるのだ。


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)





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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:30506 )