至福党、エジプト・クーデターに反対デモ
2013年07月03日付 Milliyet 紙


エジプトで発生した軍事クーデターをうけ、至福党メンバーのあるグループがエジプト領事館の前でデモを行った。セルマン・エスメレル至福党イスタンブル県代表は「グローバルパワーがエジプトや、エジプト国民に奴隷の役割を負わせた」と述べた。

ベシクタシュにあるエジプト領事館前で22時ごろ集合した約500人の至福党員は、クーデターに対しデモを行った。グループはムハンマド・ムルスィー・エジプト大統領への支持を叫び、「エジプトよ抵抗せよ、ウンマはあなたたちと共にある」、「シオニズムなんかくそくらえ!」、「クーデターに対し団結せよ」、「ムスリムは兄弟を支持しろ」、「アッラーの怒りは圧政者を絞め殺すだろう」といったスローガンを掲げた。
セルマン・エスメレル至福党イスタンブル県代表は、グループを代表して記者会見を行い、エジプトで起きたクーデターに反対するために集まったことを述べ、「第二次世界大戦の勝者によって作られた勢力均衡にもとづく秩序は、血と涙とともに続いている。死や戦争よりもたちの悪い反乱が、地球上で社会を混乱に引き込み、あくまでそれを維持しようと努めている。圧政による繁栄はありえない。エジプトで2010年に 始まった、『近年における最大の、不満によるデモ』は人々の目を覚ました。エジプト国民は2011年1月25日、道路や広場において大きなデモを行った。異なる社会経済基盤、信仰を持つエジプト人たちが、初めてこのデモで社会的団結を手に入れた。つまり、初めてエジプトが本当のエジプトとなったのだ。 2011年2月11日に、ホスニー・ムバラク・エジプト大統領は、デモが原因で辞任せざるを得なくなった。エジプト国民を疲弊させたこのプロセスの結果、民主主義的選挙により新政府が誕生した」と話した。

■グローバルパワーがエジプトや、エジプト国民に奴隷の役割を負わせた

エスメレル代表は、あらゆる妨害にもかかわらず、現政府は十分に健闘したと述べ、以下のように言葉をつづけた:

「しかしグローバルパワーがエジプトや、エジプト国民に奴隷の役割を負わせた。この事件すべての背後にある勢力は、ホスニー・ムバラク大統領時代に生じた権力と利益の中心にいるものたちと、それらの国際的な支持者である。事件を誇張し、大げさに報道する国際的報道機関は、エジプト国民の意志を全く無視している。この国際的な利益と権力の中心にいるものたち、あなた方に呼びかけます。この、あなた方が行ったことは、決して忘れ去られることはないでしょう。そして国民の良心に値する代償を払うことになるでしょう。行われたことの責任は、いつの日か必ず問われることになるでしょう。」

■コンヤで一部の市民社会団体メンバーがムルスィーを支持

コンヤで一部の市民社会団体メンバーが、エジプトで軍が政府に干渉したことに反対し、ムハンマド・ムルスィー大統領への支持を表明した。SNSを通じて組織され、アラアッディン大通りに集まった団体メンバーらは、ひとしきり「ムルスィーよ倒れるな、トルコはあなたと共に」、「ムルスィーよ倒れるな、ムスリムはあなたと共に」といったスローガンを叫んだ。
グループの名の下に会見を行ったメヴラーナ国際学生組合のムジャーヒト・ウルダー組合長は、短期間のうちにSNS上で組織化し、エジプトのムスリムを支持するために集まったと述べた。ウルダー氏はここ数日エジプトで起きている事件に対して遺憾の意を示し、以下のように述べた:

「エジプトを混乱させることを目的とした外の力があらわになるということは、テレビやその他マスメディアで報じられているほど大きな事件ではない。この事件がメディア上で様々なかたちで取り上げられたこと、ムルスィー大統領が50%の票を得て大統領に就任したこと、無理やりムルスィー大統領と彼を支持する国民が抑圧下におかれたことは、私たちに大きな影響を与えた。現在エジプトで起こっている事件と、そしてムルスィー大統領を支持するために私たちは共にいる。私たちは抑圧された人々の味方となることを表明したい。」

■エジプト人学生は涙をこらえきれなかった

この間、グループの中にいた、セルジューク大学の学生でエジプト人のゼフラ・ベフザトさんはアナドル通信(AA)の記者に対し、軍はエジプトにイスラム的政権ができることを望まなかったのだと述べた。ベフザトさんは、ムルスィーがカイロだけでも600万人もの支持者を獲得したと述べ、「それに対し、反対者は200万人だ。軍は通りで戦車を走らせ、集まった人々を解散させようとしている。事件で22人が亡くなった」と話した。
家族と電話で常に連絡を取っていることを述べ、涙をこらえきれなくなったベフザトさんは、「家族は広場にいる。叔母の孫が今夜亡くなった」と話した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:渡辺夏奈 )
( 記事ID:30682 )