憲法裁判所、「テロ等容疑者、10年収監条項」廃止を決定
2013年07月05日付 Milliyet 紙


憲法裁判所は、衝撃的な決定に署名した。国民の間で大きな議論を生んだ長期勾留期間が、テロや組織犯罪のような犯罪について、10年と規定していたテロ対策法第10項「...犯罪において、刑事訴訟法で決められた収監期間の2倍適応される」という条項を廃止したのだ。

刑事訴訟法第102条では、重罪裁判所の管轄に入るような犯罪を犯した容疑者は、2年以上勾留のまま裁判にかけられることはなく、この期間がさらに最大3年延長できると記載されている。テロ対策法の廃止された条項によると、重罪裁判のための長期収監は5年、テロや組織犯罪の場合には、2倍つまり10年と計算されてきた。しかし、今回の高等裁判所の法律廃棄の決定に伴い、一瞬にして、これらの犯罪についても最大5年収監されるものと認識された。

■「過剰」と見なされた

しかし、裁判所は、この先、廃棄の決定により法的な空白ができないように、この判決が公表から1年後に適用されると発表した。このことは、裁判所が「2倍」という規則を法の均衡性に反すると考えておらず、ただ「過剰」と位置づけていることが原因であることが分かる。

裁判所は、この解釈に沿って、議会へ「この種の裁判は、他の裁判のような5年の長期勾留期間では扱えないが、10年は余りにも長すぎる」との意見を伝えた。高 等裁判所は、この見解を理由付き判決でも公表する。議会は、1年以内に、テロや組織犯罪について、新たな長期勾留期間を定める。高等裁判所は、判決を下す際に、多くの議論を生むであろう解釈にも踏み込んだ。

廃止される条項を含む第3司法改革案では、特別権限裁判所の地位もすでに変更がおこなわれた。以前に刑事訴訟法の第250条、第251条、及び、第252条に沿って職務を行ってきた当該裁判所の権限に変更が下された。したがって、当該裁判所は、テロ対策法第10条にしたがい職務を遂行すると修正されたのだった。この変更を行う際に、エルゲネコン、バルヨズ、クルディスタン社会連合(KCK)のような裁判が否定的な影響を受けないように、「審議中の裁判は結審されるまでは、改定前の裁判所で審理を続け、こうした裁判所は、続行中の審理の結審段階までは閉鎖されない」との修正もおこなわれていた。

刑事訴訟法に基づいて職務を遂行し、エルゲネコン、バルヨズ、KCKのような裁判を扱っている複数の裁判所が、廃止される刑事訴訟法第252条に沿って職務を今後も継続することについて、裁判所は理由付き判決の中で注意を促すことになる。これにより、こうした裁判では[今回の決定により]廃止されることになる10年の長期勾留期間が依然として適応され続けることを意味している。廃止される刑事訴訟法第252条では、テロ犯罪で10年長期勾留期間を見込んでおり、この規定が刑事訴訟法に基づき職務を行う特別権限裁判所にも適応されるため、[今回の裁判所の]廃棄決定にこうした裁判所が影響を受けないと今後主張されることになろう。

■2月28日過程裁判及び新たに開かれた裁判

この判決理由によると、2月28日過程裁判、ディヤルバクルでの主要裁判の以外の、イスタンブル及びアンカラで開かれた一部KCK裁判など、第3司法改革案施行後に開かれた裁判は、新たな規定に沿って進められる。

高等裁判所が、この種の区別を行わなかったとしても、エルゲネコン、バルヨズ、KCKの主要裁判で釈放の決定がでることはなかったであろう。

高等裁判所は、個人申請を通じて扱った案件では原則的決定を行う一方で、勾留期間については地方裁判所が結審するまでにかかる期間により計算することとした 。これにより、地方裁判所が結審したバルヨズ裁判の容疑者は釈放の希望はなくなった。エルゲネコン裁判では、8月10日に結審する可能性が高い。 KCK裁判でも、似た状況である。しかし、新旧裁判所の区別がおこなわれて、この可能性も必要にならないまま[釈放の]道は閉ざされた。

■釈放のために「妥当な期間」

憲法裁判所は、国民の間で議論を生んだ、長期勾留期間に関する個人申請について採った原則的決定を初めて国民に公表した。それによれば、破棄決定は、勾留が法律に反しており、または、妥当な期間を超えたとの理由に基づき下された。[申請をおこなった]被告がまだ第一審で審議中であれば、この決定は当該裁判所に提出され、決定に基づいて必要な措置が行われることになる。被告について、憲法裁判所の判決前で第一審で判決が下されていたら、勾留期間の終了、当人の釈放は問題とはならないため、破棄が確定され、被告に有利に、法に照らして妥当な保証を行う。

■以下の犯罪に適応される

トルコ大国民議会が決める新たな長期勾留期間は、第3司法改革案が施行された後に、以下の犯罪により行われている裁判で適応される。

*国家の一体性と国の全体性の侵害

*敵との協力

*国家に対し戦争を仕掛ける

*外国の国家に対し軍隊を招集させること

*軍事施設を破壊、敵の軍事行動を利用することに合意すること

*敵の国家を支援すること

*憲法違反

*大統領暗殺及び襲撃

*司法機関に対する犯罪

*政府に対する犯罪

*トルコ共和国政府に対する武装蜂起

*武装組織

*武器の確保

*犯罪のための協力

*軍事司令官の身柄拘束

*外国機関への任意・非任意の軍事登録

*戦時に命令不服従

*戦時中の義務

*国家機密に関する書類

*国家機密に関する情報取得

*政治及び軍事諜報

*国家の安全及び政治利益に関する情報の公表

*秘密情報の公表

*国際的な諜報活動

*国家機密の利用、国の職務に忠実でないこと

*禁止されている情報の入手

*禁止されている情報を諜報活動により入手

*禁止されている情報の公表

*禁止されている情報を、政治及び軍事的な諜報活動により公表

*不注意による、諜報活動の実施

*国家の安全に関する情報を入手

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:30698 )