80の法を含む一括法案成立―国会、猛烈審議
2013年07月13日付 Hurriyet 紙


トルコ大国民議会は、この10日間、夜も審議をつづけ80の法改正を含む「一括提案」を承認した。10万人の契約公務員採用や、インターネットを通じた賭け事への厳罰化などが含まれる。都市開発の全権限は省庁に属すことになる一方、(携帯電話の)チュルクセル社の役員人事権は公正取引委員会がにぎることになった。

トルコ大国民議会では、10日間にわたり対立や論争の中、国会議員に朝まで続く長時間作業を強いた一括法案が成立した。1日平均13時間の審議が行われ、約100件の案件に関し、80の法律に含まれる200項目近くの法改正が行われた。10万人の契約者の公務員への採用から、運転免許証の更新、非公認サイトで国外から賭け事をするものへの重罰適応、殉職者の近親者や公務での負傷者の社会的権利に至る多くの分野で、非常に重要な変更が、一つの法案に盛り込まれた。50以上の節からなるある条項は、16ページ分もあり、その審議には3日を要した。この一括法案は、来週には大統領に提出される。このうち、「社会保障法案」以外の変更点は以下の通りである。

■期限つき運転免許証

EUの基準に従い、運転免許証には有効期限がつくことになる。2400万人分の運転免許証が更新される。ICチップ代として15リラが徴収されるほかには、お金はとられない。定められた期間内に免許証の更新をしなかった場合、343リラの罰金と手数料がかかる。はじめて免許を取った人は、1年間、見習い運転者となる。

■国外の(ネット)賭博に罰金

合法的なスポーツ・トト会社を除き、スポーツ対戦に対する賭けや、偶然性に基づくゲーム賭博を実施したり、そのための場所や機会を提供するものに対し、3年から5年の間の禁固刑と、1万日分までの罰金が科せられる。国外での行われる賭け事に、インターネットを通じてのアクセスを可能とし、トルコ国内で賭け事をできるようにしているものにも、4年から6年の禁固刑が科せられる。この形で、スポーツ賭博やゲーム賭博をしたものに対しては、県知事または郡知事により、5千リラと2万リラの間の罰金が科せられる。この手のインターネットサイトの運用は停止させられうる。

■大学入試センターの試験でのカンニングに禁固刑

高等教育資格試験(YGS)、学部決定試験(LYS)、公務員試験(KPSS)のような、大学入試センターが実施している試験でカンニングをしたものに禁固刑が適応される。カンニングの機会を提供したものだけでなく、個人や集団でカンニングをしたものにも、1年から4年の禁固刑が科せられる。大学入試センターが実施する試験の設問や正解について、情報公開法による請求は適応されない。

(第657号法の)4B項により採用されている職員や、地方自治体の一部組織・機関で働いている10万人の契約職員は、公務員化される。

■モスクでの商業活動

・協会や財団が自己資金または寄付金で作ったモスクやメスジド、コーラン教室の一部、または付属の建物、あるいはこれらの施設と一体になっている建物での商業活動が可能となる。これらの商業施設は、自らが運営するのでも、第三者に運営させるのでも、貸すのでもよい。収入の10%は、宗務庁に収められる。

・「2月28日過程」で処分をうけ、公務員資格をはく奪されたものは再び採用される。その際には予算規定で決められている職員数を超えることも許される。これらの人々への過去の昇給分(の俸給)は国が支払う。

・外務省に外務省外から採用された官僚が、事務次官、副事務次官、局長のような上級職に任命されることが可能にある。これらの職につけるのは大使の身分をもつものだけという制限は撤廃される。

■シャーヒン大臣「1000千万の人の暮らしを変えた」

ファトマ・シャーヒン家族・社会保障政策相は、次のように述べた。
「3万3664人の人々への月額支給が、200~400リラ増える。(中略)テロ被害者である2600人は、社会保障(の状況)を度外視して、月額支給を受ける。8656人には、利子なしでの住宅資金が貸し出される。1千万の身障者、老齢者、殉職者近親者、職務による障害者には、交通機関の無料化が実施される。追加支払いや教育支援を得られかった5697人に、その機会を与える。殉職者近親者、職務による障害者への、18000人分の職業提供を、53000人分に引き上げた。ラマザン月ですから、恩恵の月です。今日の議会での得票により、殉職者からの許しと、彼らの子供たちからの祈りを得たことなります。」

■トルコ建築家技術者会議所の権限は、省庁へ移行

今回の一括法案により、トルコ建築家技術者会議所がもっていた権限と収入が、環境都市計画省に移された。都市計画、計画図作成、企画、プロジェクト作成にあたり、職能別会議所を含むその他の機構・組織からの承認・認可を必要としなくなる。環境都市計画省は、全都市計画を単独で行う。議論のある建物の解体も、容易になる。建物の、第一納税義務者からの許可をとる必要はなくなる。イスタンブルの景観を破壊していることで批判を浴びているプロジェクトなど、議論のある計画に対しては、「美観委員会」が組織される。

■チュルクセル社の人事権

チュルクセル社の、6回にわたって成立しなかった役員会問題に対し、公正取引委員会が介入する。公正取引委員会は、一般に開かれるべき役員会において、役員会メンバーの全部または一部が任期満了、または退任したことにより、役員会召集に十分な役員数が確保されていないこと、また、任期満了または途中退任の役員にかわり、その後30日以内に新規役員の任命の必要があることから、必要人数を満たす役員を、正式に任命する。

■民族主義者行動党「この法案は、選挙のためのわいろだ」

トルコ大国民議会で記者会見をひらいた民族主義者行動党のメフメト・シャンドゥル会派副代表は、一括法案について、次のように批判した。
「これは、11年にわたってこの国を治めている政権が、社会の諸層に対し、何度も約束したにもかかわらず実現できなかった約束を、一つの法案のなかに押し込めた、選挙用の賄賂の法だ。これは、2014年の選挙の前の、最後の国会における、最後の一括法案だ。公正発展党は、政権を維持するため、国の財源を皆に賄賂として配っているに等しい。」

■殉職者近親者や負傷者に、新たな権利

何日にもわたって喧嘩と対立の場となった議会だが、殉職者近親者や負傷者、犠牲になった市民に関する25項では、「社会的合意」へ一歩を踏み出した。

平和民主党以外の3つの党の議員が共同提案した一括法案に、数時間のうちに、25の新条項が足された。テロ事件で亡くなった「市民」の家族に、役所などでの働く権利が与えらえれる一方、いくつかの社会的権利ももりこまれた。一括提案に対立姿勢をとらなかった平和民主党首脳部は、「軍人や警官への権利が、全ての犠牲者や、その他の市民にも渡されるべきだ」との要求をした。法案に追加された条項により、アフヨンカラヒサルの武器庫でおきた爆発で亡くなった兵士の家族も、補償の対象となった。この種の事件でなくなった人の家族や障害を負った人には、月々の支給が行われる。この法は、トルコ軍や警察で爆発物の調査、保管、運搬、処理などの職務にあって亡くなったり、障害を負った人にも適応される。

■市民被害者に、職

テロとの戦いのなかに含まれる事件で命を落とした人の近親者に2名分の、また障害を負った人には1人分の(役所などでの公的な)職の権利が与えられるが、この新規定により、戦争による障害者とテロ事件で亡くなった市民の家族に2人分、障害者に1人分の権利が与えられた。治安関係以外の公職にあって被害にあった人のうち、亡くなった人の家族と障害者となった人に1人分の職権が与えられた。補償法によると、月額支給を受けているテロの被害の市民にも、1人分の職の権利が与えられた。

■ウルデレ被害者問題は、秋まで持越し

レイハンルやガズィアンテプでの爆弾テロ事件に被害を受けた市民も、補償法の対象とされることが決まった。この種の事件で亡くなった人の近親者に補償がされる一方、扶養対象者や障害を負った人には月額支給のほか、教育、健康補助が行われる。この法案は、2012年1月1日以後に起きた事件を含む形で整えられた。2011年1月28日のウルデレ事件で亡くなった人の家族の権利については、この秋に、同等の対応がされる予定である。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:30793 )