ハータミー師「穏健が何を意味しているのか、次期大統領はその解釈を示せ」
2013年07月06日付 Jam-e Jam 紙


 テヘラン臨時金曜礼拝導師は次期大統領に対し、スローガンである「穏健」についてしっかりとした解釈を示すよう求め、「政治的な領域における穏健とは、革命最高指導者と同一歩調を取ることである」と述べた。

 ファールス通信の報道によると、アーヤトッラー・セイエド・アフマド・ハータミーは、テヘラン金曜日礼拝での第2講話で、「ロウハーニー師が提起した《穏健》や《チームワーク》といった問題は、実に正しいスローガンであり、信仰上の根拠を有するものである。なぜなら、イスラームの倫理全体が、穏健の上に築かれているからだ」と述べた。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師はさらに、「われわれが期待しているのは、尊敬すべき大統領がこのスローガンの意味を、一部の者に悪用されぬよう明確にしてもらいたい、ということである」と続けた。

 ハータミー師は続けて、《穏健》は最高指導者の政治的スタンスの中にも見出すことができるとした上で、次のように述べた。

1388年〔西暦2009年〕の選挙での最高指導者のスタンスは、反乱〔=2009年大統領選後の抗議運動〕に〔毅然と〕対抗するというものだった。あなたがた人民は穏健派で、〔最高指導者のスタンスに〕従って、貴重なる「デイ月9日の偉業」を成し遂げた。そこでは、反乱を企てた者たちこそ急進主義者、過激主義者であった。その場で沈黙を通した者たちは、「遅進主義者」であった。

※訳注:保守強硬派のアフマド・ハータミー師(元大統領のモハンマド・ハータミー師とはまったくの別人なので注意)は、ロウハーニー師が「穏健」を掲げる中で、2009年大統領選後の抗議運動にかかわった「反乱分子」や「急進改革派」が政権内に進出するのを警戒している。こうした事態を防ぐために、ハータミー師は真の意味での「穏健主義」とは「改革主義」のことではなく、むしろ「反乱分子」に毅然とした態度を示したハーメネイー最高指導者のスタンスのことだと述べて、ロウハーニー師を牽制しているのが、上記発言の趣旨である。

なお、このここで「遅進主義」と訳したペルシア語は「急進主義」の対語として、ハータミー師が作った造語。2009年大統領選挙後の抗議運動に参加した「反乱者」たちは「急進主義者」、それに対抗したハーメネイー最高指導者とそれに従った「人民」は「穏健主義者」であるのに対し、いずれにも与しなかったのは「遅進主義者」である、ロウハーニー次期大統領が唱える「穏健」はこれらのいずれに当てはまるのか、その意味を明確にせよ、とロウハーニー師に迫っているのである。


〔‥‥〕

 ハータミー師はまた、「もちろん、〔我が国には〕さまざまな問題があり、そのうちの一部は外国の脅威に関係し、また一部は内政上の失敗に関係している。しかしわれわれは敗北を喫したわけではない」とも付け加えた。

エジプト人は自らの国がシオニスト体制の裏庭となるのを許してはならない

 ハータミー師は昨日の説教の別の箇所で、エジプトで起きている出来事について言及し、「再度クーデターが起こり、クーデターを起こした者たちが支配権を握るほど、イスラームの目覚めをきっかけとして台頭してきた人々〔=ムスリム同胞団〕の政策に問題があったことは、実に残念である」と述べ、さらに次のように付け加えた。

彼らはイスラーム世界を団結へと呼びかける代わりに、人殺しのタクフィール主義者たちを支援した。彼らは政治的領域においても、シオニスト体制に対して、以前の彼らのスローガンとは矛盾するような行動を取った。彼らはキャンプ・デービット条約〔※1978年にアメリカの仲介でエジプト・イスラエル間で成立した平和条約〕を認め、嫌イラン、嫌シーアを喧伝した。

 テヘラン金曜礼拝導師はさらに、「数千万ものも人々が街頭に出て、再びクーデターが起きてしまったのは、こうした政策の結果なのである」と続けた。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハータミーはさらに、「イスラームの目覚めに傾倒するエジプト人民に対して我々が期待したいのは、エジプトが二度とシオニスト体制の裏庭へと変容するのを許してほしくない、ということだ」と述べた。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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