Fuat Keymanコラム:クルド問題解決プロセスは前進するのか?
2013年07月17日付 Milliyet 紙

解決プロセスはどこへ進むのか。民主的改革を含む「第二段階」へ移行することはできるのか。もしくは我々はまだ第一段階にいるのか。PKK(クルド労働者党;非合法)のカンディルでの上層部の交代はどんな意味を持つのか。なぜこれを問うのか?なぜなら解決プロセスは強い社会の支持を得ているが、プロセスの進展と成功については、ますます疑惑が強まっているからだ。

■ なぜ疑惑が強まっているのか

解決プロセスが何であるかもう一度思い出してみよう。解決プロセスは「交渉によって衝突を解決すること」を意味し、相互に関連する二つの目的を含んでいる。

一つ目の基本的な目的は、PKKの武装解除であり、衝突する状況を終わらせること、PKKが国境外へ撤退することである。このために、「武力の時代」を終わらせ「政治の時代」を開始することである。武力時代の終結とは、死と苦痛の終わりを意味する。

この目的は今日までに達成された状態だ。六ヶ月間死者は出ておらず、嘆く親族も出ていない。死亡者がいないことは、解決プロセスの支持を増加させている。 賢人委員会の中で、全ての友人達、または私もが、[訪問した]エーゲ海地方で、死と関わりない毎日を過ごすことが、どんなに社会の解決プロセスへの支持を増加させたかを目にした。

アブドゥッラー・オジャラン、PKK、平和民主党(BDP)は「武力の時代」が完全に終了し、その時代にはもう戻らないことを公に、また真に述べている。高い可能性で、9月に北イラクで開催されるコンフェランスでPKKが「武力時代が終了したこと」を表明するだろう。

解決プロセスは同時に「国家プロジェクト」である。プロセスの二つ目の目的はトルコの新たな安全保障のパラダイムに関するものだ。

北アフリカと中東で開始された改革プロセス、シリア危機と内戦、イラクでは宗派紛争の可能性があること、イラン問題、イスラエル・パレスチナの衝突、今もエジプトで起きているクーデターといった、これらすべての安全保障におけるリスクや対立の構造は、「トルコ・クルドの協調」と言うことができるような、新しい安全保障上の合意を必要としている。

解決プロセスは、トルコ・クルドの協調を土台とした、地域的またはグローバルな変化に対する一つの答えである。トルコ・北イラクのエネルギー、経済に基づく協調と、この協調にシリアのクルド人も含むことができるであろうという考え方こそが、新しい安全保障パラダイムの物的な根幹をなしている。

解決プロセスは、武力と衝突の時代の終わりまで、「安全保障、民主主義、経済の軸」からなるトルコとクルドの協調から、双方が、利益を得ること、「より強固になること」、「経済的に豊かになること」、「安全保障を確かにすること」といった意味を持つ。アブドゥッラー・オジャランをはじめとするクルド側の登場人物は、解決プロセスを自身に利益と付加価値をもたらすものと見ており、プロセスを支持している。

武器と衝突ではなく、むしろ政治と協調が利益を生み出すことを彼らは知っているので、解決プロセスの二つの目的にも協力を継続しているのだ。しかし、同じことを今、与党政府に言うことができるだろうか。

解決プロセスは2012年末頃に始まったが、その頃は内外を問わず首相と与党政府関係者の意思と解決への実行性に対する信頼は完全なものだった。国内では新憲法へのプロセスと経済的ダイナミズムがあり、国外では動的な対外政治と「模範的であり霊感を与える存在であること」がこの信頼を成立させていた。

現在では、この種の全てにおいて問題が発生している。経済ではリスクを抱える時期である。対外政治では、シリア危機のあとはエジプトのクーデターと、トルコを非常に困難な状況にしていくように思われる。ヨーロッパ、EU、そして西側との関係はほころびつつある。

公正発展党は国際的システムとの問題を抱え、内に閉じているように見えている。いったい、公正発展党はその印象を解消することはできるのか?国内で新憲法と民主的改革、国外での活発なグローバル化とEU加盟プロセスへと、再び戻ることはできるのだろうか。世界の、そして地域の諸国の目は首相と公正発展党に注目している。

公正発展党は最近の10年で、トルコと世界をつなぐ主要な主体であった。今日では、はじめて、国際社会、グローバル化、地域と問題を抱える主体であるように見える。

このために国内外で「公正発展党は何をするのか」という問いが、あらゆる注目を集めているのだ。解決プロセスの進展の有無が、この問いへの答えを明らかにするであろう。

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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:30852 )