エジプト:座り込みをする人々の子供たちは、母親の作った死装束を手にする
2013年07月18日付 al-Hayat紙


■座り込みをする人々の子供たちは、母親の作った死装束を手にする

2013年7月18日『ハヤート』

【カイロ:アミーナ・ハイリー】

自然に囲まれて時を過ごそうと昼間、子供を散歩に連れていくというなら、それは望ましいことだ。川の景色を眺めながら、焼きトウモロコシやサボテンの実を食べようと、夜のそぞろ歩きに連れていくのも良いことだ。現体制を支持するため、あるいはそれに抗議するために平和なデモにいっしょに行くのも、幼いころから子供の心に国民意識や参加意識を植え付けるとすれば、それは受け入れられるだろう。デモ隊が暴力に遭遇し、混雑、圧迫、窒息などが起きるかもしれないという危険はあるが。

しかし子供のために死装束を作り、もっともよい服を着せ、新しい死装束を小さな腕に抱えさせ、得意げで誇りに満ちた様子で歩かせるとしたら、そして通行人が仰天しているのをよそ眼にその子の後ろをうれしそうな表情で歩くとしたら、それはちょっと考えてみなければならない、おそらくは精神的治療が必要な事態だ。

エジプトの政治は今や沸騰の状態にあり、ムハンマド・ムルスィー元大統領が先に指摘した「搭乗ランプ」に入るための混乱状態を超えてしまっている。家族が望むか望まないかを問わず、子供たち自身の意志によるものか否かを問わず、そうした政治の世界に子供が参加することが現実になっているとすれば、イデオロギー的な立場をサポートするためであれ、宗教的な傾斜を強化するためであれ、あるいはテレビカメラや写真撮影の注目をひくためであれ、子供たちを引きずりこみ、危険にさらしたままでいることは深刻な問題だ。

子供を二人連れた女性の恐ろしい様子をレンズが捉えた。それは(カイロ東部の)ラービア・アル=アダウィーヤ広場でのムハンマド・ムルスィー支持派の座り込みに行く様子を捉えた写真である。その写真は広く出回っているのだが、それはまさに子供を利用し、危険にさらし、その精神、神経構造をゆがめ、殺しあいの場に引きずり込むようなまねの証拠となるものである。その母親は死なせようとしているのではないにしても、子供たちを精神的、感覚的に破壊している。

宗教的統治と政治的イスラムの諸潮流を支持するメディアが流布させているこの写真は「素晴らしい母親」を崇め、称賛し、祭り上げるためのものだ。その「素晴らしい母親」とは、(ムルスィー大統領の)合法性とシャリーアを支持するために(死の覚悟があることを示すべく)二人の子供たちそれぞれに死装束を渡し、手に持たせた後、子供たちに先に行かせ、自分は折りたたみ椅子を抱えてその後ろを歩いている母親なのだ。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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(翻訳者:八木久美子)
(記事ID:30854)