シリアPKK系PYDミュスリム共同党首、「クルド国家建国は考えていない」
2013年07月18日付 Cumhuriyet 紙

シリアのトルコ国境付近で発生した衝突が激化する中、シリアのクルディスタン労働者党(以下、PKK)系組織、民主統一党(以下、PYD)サリフ・ミュスリム共同党首は、クルド国家建国は考えていないと述べた。

シリアのトルコ国境付近で発生した衝突が激化する中、シリアのPKK系組織PYDのサリフ・ミュスリム共同党首は、クルド国家建国は考えておらず、トルコが安全保障上懸念すべき状況ではないと述べた。同共同党首は、「YPG(PYDの人民防衛部隊)支配下のトルコ国境付近では、統治は文民に委ねられたと説明した。

BBCトルコ語サービスの質問に答えたサリム・ミュスリム共同党首は、複数人で会合を持ち合意を行ったものの、ジハードと考えて行動するグループはこの合意には従わなかったと述べた。同氏は、武装勢力と衝突しているイスラム主義グループが、トルコ国境よりシリアに流入していると主張した。ミュスリム共同党首は、トルコ軍には自国民保護の義務があるが、シリアに追撃砲を向けることは「褒められたものではない」と述べ、「トルコが我々の問題に干渉することを望んでいない。北方では(トルコは)クルドと合意に向かっており、良いことである。しかしながら、シリアのクルドについては干渉しないで欲しい。自分達で合意を得るようにしたい。もしトルコが干渉したいのならば、人道援助のためにトルコ国境を開けて欲しい」と述べた。

同共同党首は、トルコの安全保障について懸念すべき状況ではない、支配下に置かれたラース・アル・アインで祝祭日のみ開かれる国境門が、クルド人だけでなくアラブ人、キリスト教徒も含む委員会に管轄が委ねられていると言い、こう述べた:

「トルコ軍が国境付近で軍事作戦を行うとは思わない。攻撃を行いたければ、北からでも南からでも好きに行えばいい。民衆は必ず自身を守る。しかし、こうした事態にならないことを願っている。トルコ軍と対峙したくはない。ここで民衆が武装するならば、それは、自分自身を防衛するためである。トルコに対する反感などない」。

トルコのアフメト・ダヴトオール外相は、シリアでの衝突による流れ弾にあたり、シャンルウルファ県ジェイランプナル郡で1名が死亡したことを受け、国連安全保障理事会に対し措置を求めたが、PYDのサリフ・ミュスリム共同党首はこれを批判した:「この意図、外部による干渉、こんなこと誰も望んではいない。武力による外部干渉がシリアを混乱に陥れる。仲介役を買って出ようとしているのならば、その方向で動きはあり、我々も努力している」と述べた。

ミュスリム共同党首は、シリアにクルド国家建国の考えはなくPYDとして民主的自治を主張し、民衆が多くの場所で自治を確立しており、支援については組織化をはじめ代表者選出のため3ヵ月以内に選挙を行いたいと述べた。同共同党首は、シリア政権が選挙に対抗して地域全体に軍事行動を行う可能性について、「そうした大規模攻撃の際には、民衆は自身を守るのだ。しかし、こうしたことは望んでいない」と答えた。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:30871 )