批判の渦中にある軍事予算
2013年07月07日付 Jam-e Jam 紙

 どの国でも軍事力は安全保障の点で、特別な位置を占めている。しかし明らかなのは、イラン・イスラーム共和国が8年間にわたる「不平等な戦争」〔=イラン・イラク戦争〕と広範囲にわたる制裁を経てなおも、自らの力を信じ、また陸海空の分野での装備を国産化することで、〔軍事力において〕受け入れ可能なレベルに到達することができている、ということである。

 ・国防力の強化、・国家規模の研究プロジェクトの実施、そして・軍備における新技術の国内開発、というイスラーム共和国の基本政策のお陰で、さまざまな脅威や制裁にもかかわらず、今日軍は最高の形で貴重な成果を手に入れ、国民にそれを報告することが可能となっている。

 さて、国防の分野で大きな名誉を手に入れているにもかかわらず、一部の軍当局者は、国防予算が削減されていることを明かしている。彼らは〔他国の軍事予算に関する〕数字を比較しながら、イランが域内16ヵ国中、軍事予算の面で15位に位置しており、敵の脅威に対して釣り合いが取れておらず、政府ならびに国会はこの問題で見直しをすべきだと訴えている。

 国軍合同司令部の本部長を務めるモハンマド・ホセイン・ダードレス司令官は、「国防予算が十分ではなく、また現在イラン・イスラーム共和国体制に対して〔武器等に対する〕禁輸措置が科されているにもかかわらず、軍需産業においても、国防力においても、我が国には極めて大きな実力がある。もしこの力が〔政府の〕思慮ある政策と国の産業力とに有効に結びつくようなことがあれば、われわれは制裁を乗り越えるにあたって偉大なる跳躍を果たすことができるだろう」と述べている。

 1392年度〔西暦2013/14年〕予算では、国会は予算法案の細部を審議する過程で、石油輸出によって得られた外貨黒字の一部を国防力の強化、国家研究プロジェクトの実施、ならびに技術支援に計上した。

 それによると、〔‥‥〕50億ドル相当のリヤールが国防力の強化に、4億ドル相当のリヤールが大規模国家研究プロジェクトの実施に、そして1億ドル相当のリヤールが産学連携やイラン学術研究所ネットワークの強化・拡張、ならびに技術支援に充てられることが決まった。にもかかわらず、この程度の予算では国防力をカバーするのに十分でないというのである。

 これについて、一部の国会議員(国の予算を承認する権限をもつのは彼らだ)は経済的な圧迫がある中で、国防分野には〔比較的〕手厚い予算が割り当てられいると考えており、中には〔国防分野だけでなく〕国のあらゆる分野が予算上の制約に直面していると強調する議員もいる。

 他方、国会の国家安全保障・外交政策委員会の国防部会の部会長を務めるエスマーイール・コウサリー議員〔※同議員は革命防衛隊出身〕は、〔‥‥〕「(90年度〔西暦2011/12年〕を除いて)その他の年度は、国防分野における軍の予算は、しかるべき程度には増えなかった」と指摘する。

 同議員は軍部隊は献身の精神によって、つねに臨戦態勢にあり、自らの任務をいつでも遂行できる状態にあると指摘した上で、「〔イランの〕軍事力を高めてきたものとは、軍のこうした献身の精神と創造力なのである。もしそれがなければ、〔この程度の〕予算では〔敵の〕脅威に対抗するのに到底適当とは言えないだろう」と付け加えている。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8412102 )
( 記事ID:30874 )