Huseyin Gulerceコラム:「エルドアン抜きAKP」計画・・・・・
2013年07月19日付 Zaman 紙

ゲズィ公園運動で共通していたスローガンは、「エルドアンは辞任せよ」だった。しかしその後、こんなことがささやかれ始めた。

「公正発展党は安定のために非常に重要だ。公正発展党に代わるものはない。問題はエルドアン首相だ。エルドアン首相は権威化しており、民間監視体制を築いている。誰の言葉も聞かない。エルドアンが去れば全て解決だ・・・」

公正発展党のヌマン・クルトゥルムシュ副党首は6月23日に出演したテレビ番組でこのことを口にし、「人は公正発展党は残り、エルドアンが去ることを望んでいる」と述べた。

首相の過ちを非難することと、彼を標的とした新しいソーシャル・エンジニアリングを目論むことは全く異なる。自らの立場を守りながらエルドアン首相を貶める計画には、実は公正発展党に最初の打撃を与えるという目的が隠されている。エルドアンが去れば公正発展党は揺らぎ、公正発展党が揺らぐと政治的・経済的混乱が始まるだろう。トルコの安定と強化を望まない者たちは、自らが日の目を見る日と公正発展党の没落を、嬉々として待ち構えているだろう。

私たちははっきりと次のように言わなければならない。公正発展党はトルコに重大な奉仕をしている。(私は公正発展党が全く野党を取り合わず、ただ国に、国民に仕え、そしてその奉仕について説明するのが一番正しいと思うのだが・・・。)トルコは急速に変わってきている。一つだけ例を挙げよう。2003年に2つの拠点から26地点に飛んでいた国内の航空路線はこの10年で7拠点から49路線に達した。これにより、870万人だった国内路線の乗客数は昨年6450万人を超えた。

私たちが罠や挑発に打ち勝てば、(クルド問題の)解決プロセスを経て生まれる安寧、新たな民間の憲法と国民の平等の概念の下での民主化の確立、選挙・政党法により政治が落ち着き、寛容と和解の文化が発展することで、トルコは全く別の国になるだろう。そのためには感情的になってはならない。「エルドアン抜きのAKP」計画は、政治に対する干渉の計画である。内外への強要である。第一の問題は、このような計画はエルドアン個人に関係するものではないということだ。公正発展党の問題でもない。トルコの問題である。

第二の問題は、政党における党首の交代は、会議で議員の賛成によって行われる。公正発展党の党員の中で、エルドアン首相の交代について話が出ていると聞いた人がいるだろうか。反対に、ゲズィ公園事件以後、政党の支持基盤や幹部はエルドアン首相のもとでさらに団結した。トルコが民主的で強大な、豊かに発展した世界の大国となることを望まない者が、公正発展党を解党や解散に追い込もうともくろみ続けている。
現在エルドアンが標的にされ、別の方法が試されている。党の3人の設立者であるギュル大統領、エルドアン首相、ビュレント・アルンチ副首相の仲を割くことを含め、あらゆる方法が試されるだろう。ゲズィ運動の際、彼らはこれを試みた。(このために話を煽り、噂や嘘でインターネットやメディアを荒らす人たちがいる。信仰を共にするムスリムの兄弟がただ「気を付けて」と賢明にした警告を、広大な共同体を非難する機会と見る人たちは、本当は誰に利益をもたらしているのか気づけるだろうか。聖なるラマダンの季節にゴシップがどのような罪であるかを彼らが改めて考えることを祈ろう。)

首相に「民主的になれ」と叫ぶ者たちは有権者の意思を反映しない計画やプロジェクトに敬意を払うと民主主義者になるというのか。「エルドアンは退陣しろ、ひどい目に遭えばいい」との声にまともに賛成できる部分はない。正しいのは、正当な批判を続けること、犯した過ちを認める/認められる人間にチャンスを与えること、そして祈ることだ。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:30888 )