エジプト:同胞団の指導者は変装し、座り込み現場から逃亡
2013年08月16日付 al-Hayat 紙
同胞団側の死者とその親族の女性
同胞団側の死者とその親族の女性

■同胞団の指導者は変装し、(治安部隊が提供した)安全な通路を通って逃亡

【カイロ:アフマド・ムスタファー】

同胞団が率いる「正統性支持連合」のある指導者が明かしたところによると、複数のイスラーム主義勢力を包摂するこの連合の指導者たちは、カイロ東部のラービア・アダウィーヤ広場とギーザのナフダ広場の座り込みに、「排除の直前」までとどまっていたこと、そして座り込み参加者が安全に退出することができるよう治安部隊によって提供された通路を通り、変装して外に出たということである。

ハヤートは、治安部隊は昨日の明け方、連合に参加している「イスラム集団」の軍事部門の指導者であるムスタファー・ハムザを潜伏していた家のなかで、またサラフィー主義活動家のフサーム・アブーブハーリーを治安部隊との衝突で負傷し搬送されていた病院で拘束したという情報を得た。

「イスラーム集団」のスポークスマンであるムハンマド・ハッサーンは、次のようにハヤートに明かした。「ムルスィー解任のあとすぐに、連合は指導者たちのために自宅とは離れた別々の場所に安全な家を用意していた。自宅は治安部隊に包囲されていることを知っていたからである。座り込みの最中も、指導者たちはこれらの住居にひそかに通っていた」また次のように指摘した。「ナフダ広場とラービア・アダウィーヤ広場への包囲が狭められたあと、連合の指導者たちは逃げる準備をし、変装して脱出した」

警察は座り込みの本部を襲撃したあと、座り込み参加者のために安全な通路を提供していた。何千人ものムルスィー支持者が(この通路を通って)荷物を抱え、あわてて出ていくのが目撃されている。中には数百人の女性がおり、子供を抱えている者もいた。

これに加え、治安部隊の情報筋がハヤートに明かしたところによると、昨日の明け方、警察は「イスラム集団」の軍事部門の前の指導者が立てこもっていた家を襲い、その人物を逮捕したという。この話は、ハヤートに話をしてくれた「イスラム集団」の指導者も確認しており、それによると、ムバーラク元大統領暗殺未遂事件の容疑者の一人であるハムザは、他の参加者に交じってラービア・アダウィーヤの座り込み現場から脱出し、用意されていた住居に行ったが「しかしながら、明け方、治安部隊の襲撃という不意打ちを食らった。彼との連絡は取れていない。今も行方は分かっていない」ということである。

ハムザは「政権を狙う非合法集団に属し、国内の混乱を広めた」容疑で、本人不在のまま死刑判決が出されている。さらに彼は1996年(エチオピアの)アディスアベバでのムバーラク暗殺を計画した容疑がかけられていた。その後イランが彼をエジプトに引き渡し、(2011年の)「一月革命」のあと、再審要求が出され、法の判断の下、自由の身となったのである。

この情報筋によれば、連合の指導層はみな安全な場所におり、排除のあとの数時間で拘束された者は、誰もいないという。しかしながら「総合イスラム潮流」のスポークスマンであり、サラフィー主義活動家のフサーム・アブーブハーリーは、ラービア・アダウィーヤの座り込みの現場で起きたムルスィー支持者と治安部隊の衝突で負傷し治療を受けていた病院内で拘束されたということである。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:31197 )