イラン議員団、シリア・レバノンを訪問:ヒズブッラー総書記とも会談
2013年09月04日付 Jam-e Jam 紙

 地域情勢を調査するために、今週シリアとレバノンを訪問したイラン議員団は、日曜日〔9月1日〕にシリア政府関係者とダマスカスで会談した。その後、月曜日と火曜日〔9月2日と3日〕には、地域におけるアメリカ政府による戦争煽動行為を抑え込むべく、レバノン当局の賓客となった。

 アラーオッディーン・ボルージェルディー国家安全保障外交政策委員長を団長とするこの議員団は、昨日〔ヒズブッラー指導者の〕セイエド・ハサン・ナスルッラー師と会談し、その中で最新の地域情勢について議論・検討した。

対シリア攻撃に対するアメリカの説明は世界的に受け入れられない

 メフル通信の報道によると、セイエド・ハサン・ナスルッラー師はこの会談で、地域におけるアメリカの冒険主義の背後には、〔イスラーム世界ないしシリア国内の〕内乱を煽動せんとするシオニスト・ロビーの企てがあると指摘した上で、

世界最大のメディア・ネットワークに対するシオニスト組織の支配、そしてシリアで起きている真実を転倒して示さんとする現下のメディア戦にもかかわらず、アメリカはシリアに対する軽率な脅迫行為の実行において孤立している。これは、〔対シリア攻撃に対する〕アメリカ=シオニストの非論理的説明が世界的に受け入れがたいものであったことを示している。

 と述べた。

 ガザンファル・ロクナーバーディー駐レバンノン・イラン大使も出席する中で行われたこの会談で、ボルージェルディー委員長はシリア大統領及びその他の当局者と行った会談について触れ、どのような侵略にも自国を防衛しようと、シリア軍、ならびに同国の人民・指導者らが士気を高く保ち、完璧な準備態勢を敷いていることを称賛した。

 国会の国家安全保障外交政策委員長はさらに、「アメリカは非理性的決断を下す前に、世界のメッセージを理解し、この危険な奈落から自身とその同盟者たちを救い出すべく、今あるチャンスを利用すべきだ」と強調した。

 同氏はまた、レバノンの安定と国民統合を支持するイラン・イスラーム共和国の立場を強調した上で、レバノンに新たな内閣が組織されることで、両国のより一層の協力に向けた素地が広がることに期待を表明した。

ボルージェルディー氏、ミシェル・スライマーン大統領と会談

 ボルージェルディー委員長はまた、レバノン訪問2日目にあたる昨日正午、レバノンのミシェル・スライマーン大統領とも会談した。

 イラン国営通信の報道によると、バイトゥッディーン地区にあるレバノン大統領の夏の宮殿で行われたこの会談で、両者は二国間関係について意見交換を行った。

〔‥‥〕

シオニスト体制こそ、対シリア攻撃の最初の被害者

 ボルージェルディー委員長はまた、レバノンのアダナーン・マンスール外相とも会談し、その中で対シリア攻撃は地域に危機をもたらす素地となりうると指摘した上で、「この危機の最初の被害者はシオニスト体制となるだろう」と明言した。

 ボルージェルディー氏はこの会談後、記者団に対し「われわれはこの会談で、地域、レバノン、そしてシリアの重要性、ならびにアメリカの脅威について共通認識を有していた」と述べた。

 同氏は、われわれ全員が大いなる悲劇を阻止すべく努力しなければならないと強調した上で、「アメリカ大統領が対シリア攻撃について早まった行動を控えたように、同国議会もこの件で理性をもって行動してもらいたいと考えている」と語った。

 同氏はさらに、「われわれはこの会談で、化学兵器がシリア危機に入り込み、化学兵器の技術がタクフィール集団の手に渡ることを危惧している。これはすべての人類社会、特に西洋にとって深刻な脅威である」と続けた。

 同氏はまた、「タクフィール集団がこの技術を入手する原因を作った国々は、このことがもたらすであろう結果に責任を取るべきだ」と強調した。

 同氏はさらに、「われわれは9ヵ月前に、アメリカに正式な形で、タクフィール集団が化学兵器を保有していることについて通知した。しかし彼らはこの件で、いかなるアクションも取らなかった」と言明した。

良識あるアメリカ人は対シリア攻撃を阻止すべき

 ボルージェルディー氏はまた、レバノンのナジーブ・ミーカーニー首相とも会談し、その中で先に開かれたアラブ連盟外相会談、ならびにシリア問題に対するサウジアラビアのスタンスについて言及し、「対シリア攻撃を外国人に呼びかけるサウジのスタンスが変わることを期待している」と述べた。

 イラン国営通信によると、ボルージェルディー氏はこの会談後、記者団を前に「われわれはこの会談で、地域ならびにシリアで危機が深刻化していることに対するイラン側の懸念を、レバノン首相に伝えた」と述べた。

 同氏は地域におけるアメリカの脅威について触れ、「アメリカによって作られた高き不信の壁こそ、われわれがアメリカとの間に有している問題に他ならない。アメリカはイランに対して信頼醸成に向けた措置を講じ、イラン国民に対する自らの敵意に満ちた政策を変えるべきである」と語った。

 同氏はさらに「われわれはアメリカによるありうべき対シリア攻撃を懸念しているが、同時に同国の良識ある人々が対シリア攻撃を阻止してくれることに期待もしている。なぜなら、対シリア攻撃は地域全体を混乱に陥れるだろうからだ」と続けた。

 ボルージェルディー氏はエジプトで先に開かれたアラブ連盟外相会議について触れ、「この会議でのエジプト及びチュニジアのスタンスは称賛に値するものである」と強調した。

 イラン議員団はシャフリーヴァル月10日〔9月1日〕、シリア当局と会談した。シリアのバッシャール・アサド大統領はボルージェルディー氏との会談で、「シリアはいかなるものであれ、外国の侵略に対抗する力を有している。脅迫されたからといって、自らの原則を変え、テロとの闘いを止めるようなことはしない」と述べた。

 イラン国会の使節団はシリア国会議長とも会談した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31359 )