日本人旅行者殺傷事件、真犯人逮捕―決め手は道路監視カメラ映像
2013年09月12日付 Hurriyet 紙

日本人観光客の栗原舞さんとTさんが先週火曜日の昼頃、ギョレメ町のゼミ渓谷でナイフで襲われた事件に関し、捜査で大きな進展があった。栗原舞さんが殺害され、Tさんが重傷を負ったことについて、事件の容疑者として逮捕されたムスタファ・ヴォルカン・Dは、犯行を認めなかった。ムスタファ・ヴォルカン・Dは、昨夜ネヴシェヒル当直簡易刑事裁判所へ連行され、尋問された後、犯行の疑いが濃厚であること、また、証拠は現在収集中であるとして逮捕された。

息子が無罪だと主張し、裁判所前で映像を捉えようとする報道陣たちにつかみかかった容疑者の母親は、「撮らないで、息子は無罪よ!なぜ撮るの?」と叫んだ。

■検察の発表

検察は書面での発表で、「容疑者ムスタファ・ヴォルカン・Dが簡易刑事裁判所で行われた尋問の後、犯行の疑いが濃厚であること、証拠が現在収集されていること、容疑者が逃亡して証拠が隠蔽されてしまう危険性、逮捕に値する犯罪である事等を考慮して、逮捕に至った」とした。

■「真犯人」が拘束

日本人観光客らを襲った事件が解明されたと思われたが、衝撃的な展開で、「真犯人」であるとしてもう1人が拘束された。

ウルギュプ市場の中心で、夜に自動車で彷徨いていたファティフ・Uを、不審な行動をとったとして警官が追跡した。家に入る際に拘束されたファティフ・Uは、自分が日本人観光客らを襲ったと証言したと言われている。警察は、(ファティフ・Uの自宅を)家宅捜索し、燃えたパスポートと証拠を押収した。

ネヴシェヒル警察署治安担当局へ連行され事情聴取されたファティフ・Uの証言で、「車であの辺りを彷徨いていた。彼女たちが自転車で私の車にぶつかってきた。口論になった。そこで私はナイフを出し、襲った。1人が地面に倒れ込んだが、死んでいることには気がつかなかった。血を見て、我を忘れた。金銭や貴重品を奪った後、その他の所持品をオルタヒサルの空き地で燃やした。使用したナイフはクズルウルマック川に捨てた」と話したことが分かった。
ファティフ・U容疑者は事情聴取の後、裁判所に連行され逮捕された。

■日本人記者の足を轢いた

日本人観光客殺害の容疑者を撮影しようとしていた日本人記者の足を、この混乱の中で、警察車両が轢いた。ネヴシェヒルのギョレメ町のゼミ渓谷で起こった事件で、栗原舞さんが殺害され、Tさんが重症を負ったことに関し、拘束されたファティフ・Uは、裁判所での証言の後、実況見分のために事件が起こった渓谷へ連行された。ギョレメ町のゼミ渓谷で起こった事件に関し、拘束されたファティフ・U容疑者は、昼頃に連れて行かれたネヴシェヒル裁判所で、 約2時間半にわたり、2人の検察官にそれぞれ証言した。容疑者は、容疑を認め、凶器のナイフをクズルウルマック川へ投げ捨てたと証言したことがわかった。2時間半の尋問を受けた後、容疑者は、屋内駐車場に用意された一般車両で事件現場であるギョレメ町のゼミ渓谷へ連行された。容疑者が裁判所を出る際に、厳重な警備が行われる一方で、容疑者の姿を捉えようとする日本人記者の足を、この混乱の中で、警察車両が轢いた。

<中略>

■最初の容疑者は釈放

ネヴシェヒルのギョレメ町にあるゼミ渓谷で22歳の日本人観光客である栗原舞さんがナイフで殺害され、栗原さんの友人で、栗原さんと同い年のTさんが負傷した事件の容疑者として昨日拘束された後、逮捕されたムスタファ・ヴォルカン・Dは、無罪が判明し、今晩20時頃にネヴシェヒルEタイプ刑務所から釈放された。ムスタファ・ヴォルカン・Dを、刑務所前で弁護士のナズミエ・エルドアン氏と母親エミネ・Dさんや親戚たちが出迎えた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:31422 )