Murat Yetkinコラム:「クルド法案」はなぜ遅れているのか?
2013年09月19日付 Radikal 紙

ヒュセイン・チェリキ公正発展党副党首:クルド労働者党(PKK)を喜ばせるために民主的改革法案を出すのではない。セラハッティン・デミルタシュ平和民主党(BDP)共同党首:過度の期待はしていない。

クルド法案の公開が何故遅れているのか?公正発展党(以下、AKP)のヒュセイン・チェリキ副党首は、即座に訂正を行う:「民主改革法案は、…自身を既成秩序から外れていると感じているいかなる見解の層をも安心させる目的で作成された包括的なものとなる。非ムスリム、敬虔なムスリム、アレヴィー派、クルド人等多くの層に対応するものとなる。」

昨日、タイイプ・エルドアン首相は、この法案が社会の広範な層の期待に応えるだろうという見方を示した。では、何故遅れているのか?法案は、7月休暇前に国会 審議にかけられると期待されていたが、ラマダン、そしてラマダン明けバイラムに入り8月にずれ込んだことで、PKKと平和民主党(以下、BDP)から9月 1日より前に進めるよう警告を受けた。幾度となく「来週には」と説明を繰り返し、昨日、遂に首相が「9月末までに自らが発表する」と宣言をしたのである。

その間エルドアン首相は、アブドゥッラー・オジャラン氏と会談するため、国家諜報機構の一団をイムラル島[の刑務所]へ派遣した。これを受けて、「政府は法案の中身をオジャラン氏に見せている」と批判が出ると、首相は否定した。法務省は、新たにBDP一行に(オジャラン氏訪問)許可を与えた。9月15日、セラハッティ ン・デミルタシュ、ぺルビン・ブルダン氏は、初回訪問の1月3日以来、今年度BDPとして10回目のイムラル訪問を行った。このことは、政府にとって法案準備のための時間稼ぎとなった。直近では先週、「来週発表を行う」との発表は月末を残すのみとなった。

チェリキAKP副党首は、この状況を「遅延」と捉えることに否定的だ。「(法案)改訂作業を行っている」と述べている;「おそらく、いくつかの折衝を行う…首相は本日(昨日)、県・郡の自治体幹部と、金曜日には県幹部と会合を行う。可能な限り、広範な層と話し合いを行う」。

BDPのデミルタシュ共同党首は、「我々は法案の条項を何一つ読んでいない」と言う。「我々は要求を述べたに過ぎない。更に言うと、法案は数ヵ月前に仕上 げられたのではないか。政府は発表のタイミングを伺っているが、トルコのアジェンダではなく、党のアジェンダに従いタイミングを伺っているのだ。我々は、画期的な法案を期待しているのではない。もちろん、この法案は人類の月面到達ほどに重要なものだとAKPは発表するであろう。しかし我々は、25-30条項 からなる普通の法案だと予想している。これは、私が法案の中身を知っているからではなく、AKPのやり方を理解していると思うので、そう言うのである。」

AKPのチェリキ副党首は、この趣旨の問いに対して反発を示す…「あなた方は」、「クルド問題について、現政権が進めてきたクルド問題に関するポジティブな取組みにBDP、PKKが満足したのを見たことがありますか?クルド語TV放送、クルド語の選択授業、このどれに満足しましたか?『クルド人がいない、クルド語がない』という状況から今の状況にまで至りました。政府はトルコの一体性・全体性を危機に晒すことなく注意深く取組まなければならないのです。この法案は、トルコ主義者、クルド主義者どちらを満足させるものではないかもしれないが、我々は特定の層を満足させるために作成を行っているのではない。PKKを満足させようとしてい るのでもない」。

このことから、特に最近のオジャラン氏訪問後、BDPは「民主化法案」への関心が薄れたのだろう。オジャラン氏が「新たな形式」と言う、対話から「政治交渉」へ移って行きたいのだ。このためにも、オジャラン氏が「交渉を」上手くリードする接触の可能性を同党は求めている。デミルタシュ共同党首は「短期間でこれらが出来 なければ」、「オジャランは、政府側が交渉の遅延を図っており、永続的な平和を手に入れることは出来ないと考えている。当人が行えることは何一つなくなると述べている」。混在した絵とはこのことだ…。アブドゥッラー・ギュル大統領が述べた、この国が抱える問題が、この絵の中で解決が図られるのである。

■我々はオジャラン氏を見て驚くのだろうか?

私は、デミルタシュ共同党首がオジャラン氏と撮った写真を手に入れたのかどうか、そしていつ公表されるのか質問をした。

法務省は刑務所で撮影された写真を渡したが、条件を課した。:公表はしない。

「我々は公表に踏み切りたいが、約束を守る」とデミルタシュ共同党首は述べた;「省から承認が出ない限り公表はしない、承認が出るとなれば…。」

では、オジャランの風貌は?説明いただきたい。

「彼ももちろん歳をとった」とデミルタシュ氏は述べ:「65歳ともなり誰であれ老いがはっきりしてくれば、もちろん彼にもそれは表れる。髪、髭が白くなり、もちろん変化が出てきている…。」

オジャランの写真が公表されれば、最早、黒い眉の黒髪のオジャランはいない。驚くことはない。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:31482 )