このままでは開催までに労働者4000人が死ぬ!―ドーハ・ワールドカップ工事
2013年09月26日付 Radikal 紙


2022年FIFAワールドカップ開催に向け、国全体で大規模な建設工事を進めるカタールでは、移民労働者が「現代の奴隷制」と言うべき労働条件で働かされている。

カタールで進められている建設工事では、週に12人のペースで労働者が死亡している。労働条件が改善されなければ、ワールドカップ開催までに4,000人が命を落とすこととなる。

英ガーディアン紙は、2020年サッカーワールドカップ主催に向けスタジアム、ホテル、ショッピングセンター、地下鉄の新設に620億$を投入しているカタールにおける、移民労働者の労働条件を調査した。インターネットサイト「ntvmsnbc.com」によると、カタールの移民労働者120万人が「現代の奴隷制度」と言うべき労働条件で働かされている。建設セクターでは、週に12人のペースで労働者が死亡しており、6/4~8/8の期間だけでも、悪質な労働条件によりネパール人労働者44名が亡くなったことが明らかになった。

国際労働組合総連合(本部ベルギー)は、国際サッカー連盟(FIFA)及びカタール政府に対してカタールの建設セクターで働く移民労働者の労働条件改善を要求し、移民労働者120万人の労働条件が変わらない限り、ワールドカップ開催までに4,000人が亡くなることになる、と警告した。

■水さえ与えられない

移民労働者の多くはネパール、インド出身で、50℃の過酷な暑さの中働かされ、給与未払いが生じている。また、カタール入国後パスポートを没収され、水の支給もない状況に置かれていることが明らかになった。

英ガーディアン紙は移民労働者の労働条件の調査を行い、24時間を超えて勤務し、狭い宿舎に押し込められ、飢えに直面している労働者もいると報じた。

同紙は、6/4-8/8の期間だけでネパール人移民労働者44人が、心臓発作、労働災害によって命を失ったと述べた。7月には32人のネパール人が亡くなっているが、その多くは20代である。ドーハでは、ネパール人労働者30人が耐え難い労働条件から逃れ、ネパール大使館に駆け込んだと報じた。

■5ヵ月間の死亡者数は82名

在カタールインド大使館は、2013年1月から5月の間に82人の自国民労働者が死亡したと発表した。また、悪質な労働条件やその他問題を理由に1,460人から訴えがあったと発表した。

■「当局は対策行わず」

現在、カタールには、インド、ネパール、スリランカ人を中心に120万人の移民労働者が存在する。国際労働組合総連合は、2022年ワールドカップが近づくにつれカタールの移民労働者需要は増加する、と分析し、「これほど死亡者が発生しているのに、カタール当局は何も対策を講じていない」と主張する。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:31538 )