ラフサンジャーニー「イマームは『アメリカに死を』のスローガン廃止に同意していた」
2013年10月12日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーは〔イランの抱えるさまざまな政治問題について対話形式で綴った著書〕『セラーハト・ナーメ』〔※「率直の書」という位の意味〕の中で、自身の回顧録の出版のあり方、ならびに「アメリカに死を」のスローガンをめぐる問題について、疑問に答えている。

 ハーシェミー=ラフサンジャーニー広報サイトによると、『セラーハト・ナーメ』の中で〔‥‥〕アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーはイマーム・ホメイニーが「アメリカに死を」のスローガン廃止に同意していたが、これをめぐって激しい反発や《雰囲気作り》が行われたと指摘した上で、次のように強調している。

すべては、私がかつて〔回顧録の中で〕書いた通りだ。今となっては、私が何を書いたのか、正確には記憶にない。いずれにせよ、私たちは公衆で誰かの死をスローガンとして叫ぶことを良しとは思っていない。

例えば、集会で〔イラン・イスラーム共和国の初代大統領で、1981年に政治的対立によってフランスへの亡命を余儀なくされたバニーサドルに対して叫ばれた〕「バニーサドルに死を」のスローガンが熱狂的に人々の口から叫ばれたことがあったが、私は金曜礼拝で、人々にこのスローガンを叫ばないよう要請したものである。また、〔革命暫定政権の首相を務め、1979年11月のアメリカ大使館占拠事件を受けて辞職した「リベラル派」のバーザルガーンに対して叫ばれた〕「バーザルガーンに死を」のスローガンについても、私は口にしないよう求めた。

「ソ連に死を」についても、今やソ連とはそれほど問題を抱えていないと言っ〔て、「ソ連に死を」のスローガンをやめるよう求め〕た。アメリカについても〔同じように〕言った。私は基本的に、過激な言葉や人を罵るような言葉には反対であり、そうしたものに意味があるとは思わない。

 公益判別評議会の議長を務める同師は、「なぜ、あれやこれやに対して死を叫ぶようなスローガンを好まないのか」との質問に対して、

あるコーランの原則が、私をこうした気持ちにさせている。コーランは神の言葉として、偶像を罵っていたイスラーム初期のムスリムに(もちろん、偶像は重要なものではない)、「彼ら〔=偶像崇拝者〕の偶像を罵る権利はあなた方にはない」と述べている。コーランは「偶像を罵倒する事勿れ。なぜなら彼らは対抗して神を罵り、彼らの多くを道に迷わせることになるからだ」と命じている。

 と答えている。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31731 )