Mehveş Evinコラム:ハラール・セックス・ショップと異教徒(許されざる)「ヴィクトリア」
2013年10月27日付 Milliyet 紙

最初の「ハラール(訳者註:イスラム法上合法の)・セックス・ショップ」がオープンした。このようなリベラルな市場環境にもかかわらず、ブランド物の下着を売るショッピングセンターのショーウィンドウが検閲の犠牲になるかもしれない。

ムスリムのための「アダルトグッズサイト」の開設を思いつくのは、トルコの起業家くらいであろう。保守派を除いたすべてのメディアが、この面白い「ビジネス」を報じた。(保守派の)沈黙の理由は深刻に受け取ったからなのか、そうでなければ恥ずかしさなのか、まだわからない。わかっていることは、すでにサイトに一日5万人がアクセスしたということだ。需要とはこのことだ!
さて、私たちは食べ物の「ハラール」は知っている、ホテルのハラールも知った。しかしセックス・ショップの「ハラール」とは何なのか?ビルギュン紙のルポを読んでみてわかった。
・「バイブリング」以外のアダルトグッズがない。(イスラムの教えに適っていないらしい)
・オイルやクリームのような製品はアルコールを含まないもののみ。
・豚(由来のもの)やプラセンタ(胎盤)を含む製品はない。
・サイトは女性版(bayan.helalsexshop.com)と男性版がある。
・イスラムの教えに従ってセックスのどの種類が受け入れられるのかを、ハディースから引用して示すなら、さあ「ハラール」セックス・ショップのできあがり!

■店のコンセプトはハラール

サイトのオーナーであるハルク・ムラト・デミレル氏は、「サイトは、コンセプトとしては、ハラールだ」と話したそうだ。この「コンセプト」は、広い意味で、信仰深いムスリムが不快にならずに(例えば裸を見ることなく)性に関する製品を使うことができるために持ち出されたらしい。
例えば性力を増進させるハラール製品は、「媚薬クリーム」としては売られていない。女性用の「Spanish Fly」と言われる性力を増進させる製品は、「女性用催淫効果」との説明書きで提供されている。しかし製品がどこでどのように生産されているかは明らかではない。重要なのはお互いの信頼関係だ。さて、セックス・ショップではないのに、無理矢理「ハラール」に巻き込まれた国際的な下着ブランドには何というべきか。

■覆い隠せないとシャッターが下りる

アンカラにあるショッピングセンターのオープン初日に、首相が来るからといって「Victoria’s Secret」の店舗はシャッターが下ろされた。このブランドは、トルコではまだ香水とプレゼント用小物を売っている段階だ。つまりショーウィンドウにはショーツやブラジャーさえもない。あっても、なぜそれが問題なのか。ショッピングセンターがオープンするのだから、ショーツもブラジャーもお店には置かれる!そうなら何を隠そうとしているのか?なぜ首相に代わって、このようなおせっかいをして滑稽な様を見せているのか?思うに問題は、「ヴィクトリアのシークレット(訳者註:製品のことか)」ではない、その「天使たち(訳者註:マネキン)」だ、ほら、あそこのカフェに座る人が記憶にとどめようとする・・・。新年にダンサーの代わりに「目の保養に」といってテレビに映し出されるファッションショーや写真が「不快感をもたらした」はずにちがいない。まだ我々は釘付けになっているのか、女性のからだに・・・。

■ハラール・メディアまでもうすぐ

・ヴィクトリアが何をしようと、頭に「ハラール」と書かれていれば多分どうにかなる。その製品にアルコールが含まれていなければ、過度なまでに裸が見せられていなければ、信仰深いムスリムも困ることなく買い物できる。(よろしい、このことについては何か問題があるとは思わない)
・勇敢なムスリム起業家に提案:異教徒「ヴィクトリア」を急いで「ハラール・ヴィクトリア」に名前を変えて、セクシーな下着を売ったらどうか!
・「Victoria’s Secret」に起こった騒動は、私にメディアの状況を思い出させた:ご存じでしょうが、検閲は必要ないのです。いまや自主検閲の時代なのですから。アナトリア通信(AA)は、首相の代わりに自身の言葉をも検閲している!(例:必要ならモスクも壊す)
・セックス・ショップから食べ物まで、売るための手段としてすべてのものの「ハラール」が設定されているのに。なぜ「ハラール・メディア」はないのか。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:31812 )