司法権長官、処刑された密売人についてコメント
2013年10月26日付 Jam-e Jam 紙

 1キロの覚醒剤所持を理由に極刑が言い渡され、刑執行後に生存の兆候が認められたボジヌールド市出身の人物をめぐる話題は、司法権最高責任者会議でも取り上げられた。司法権長官はこの問題を会議のなかで言及し、「当方としては、この人物への刑罰を一段階減刑し、死刑を免除してはどうかと提案したい」と述べた。

 司法権の広報が伝えたところによれば、アーヤトッラー・アーモリー=ラーリージャーニーは司法権最高責任者会議で、最近ボジヌールド市で処刑された人物に生存の兆候が認められた出来事について触れ、この件で出された議論には技術的な欠陥があったり、本筋から外れていたり、無知に起因したりするものも一部見受けられるとした上で、「もちろん感情的な観点から言えば、死をその目で目撃し、その苦しみを味わった死刑囚の人物に対しては、恩赦を与えるというのも一つの対処方法である。こうした特別な状況にある人物は、イスラーム体制の慈悲と赦しを受けることも可能である。私なら、感情的な観点から必ずそのようにするだろう」と語った。

 同師はその上で、「残念なことに、こうした感情的な観点からの議論と並行して、あまり正確とは言えないような議論が、一部の法律家の側からさえも出されている。死刑とは命を奪うことである以上、もし正確な法律解釈に沿って行動しようとするのなら、〔死刑判決を受けたにもかかわらず〕命を長らえている者からは、命を奪うことが肝要となろう」と続けた。

 司法権長官は、最近の話題をめぐってこうしたもの〔=技術的に欠陥のある、不正確な意見〕が国内外の一部メディアで取り上げられているが、それはここ数年〔欧米諸国から〕司法権に対して加えられている圧力や攻撃の延長線上にあるものだとの見方を示した上で、「ここ数年、特に《88年の反乱》〔=2009年大統領選挙後の騒擾〕以降、司法権は激しい非難に晒されており、最近では5万トマーン〔=約1700円〕の窃盗を理由に処刑された人物がイランにいるなどと、西洋の一部のメディアで取り上げられたことがあった。しかしこうしたことはまったくの嘘である」と述べた。

 アーモリー=ラーリージャーニー師は、西洋メディアは神への反逆行為と、それに対するイスラームでの刑罰のあり方について知識を深めて欲しいと呼びかけた上で、「神への反逆をめぐる議論では、〔それを犯した人物が〕モノを盗んだとか、お金を強奪したとかいったことが問題になっているのではない。もしある人物が人々に対して武器を向け、人々の中に恐怖心を引き起こしたのなら、たとえそのことでなんの損害も及ぼされず、また何も盗まれなかったとしても、その者は《神に反逆した者》に該当するのである。イマーム・ホメイニー閣下の意見も、ハーメネイー最高指導者の意見も、また多くのウラマーの意見も、こうした人物に対しては死刑をはじめとする4刑罰を科すことを支持している」と語った。

我が国の刑務所はホテルのようだなどと示唆すべきではない

 司法権長官は、刑務所の現状に関する誇張も司法権に対する攻撃の一例だとし、「メディアでは刑務所の問題が大げさに取り上げられているが、それらは正確ではない。〔しかし〕これに対抗する形で、我が国の刑務所があたかもホテルであるかのように喧伝し、示唆することも控えるべきだ。いずれも現実的な見方ではなく、不自然だ」と述べた。

 同師はまた、司法権に対する攻撃のもう一つのテーマとして、〔イランでは〕処刑が数多く行われているという主張があるとした上で、「司法権は法律に規定された処刑を、必要最低限しか実行していないし、多くのケースでは、この刑の執行を延期さえしている。我が国は死の商人〔=麻薬密売人〕らの攻撃の的となっており、もし取締りが行われなければ、イラン社会には極めて劣悪な影響が及び、それは他国にも波及するかもしれないにもかかわらず、である」と語った。

 司法機関のトップを務める同師はまた、「一部の報道によれば、東南アジア諸国ではたった5グラムのヘロインで死刑が言い渡されている。しかしイランでは、死の商人らがもたらすさまざまな悪影響との関連で、あらゆる問題が起きているにもかかわらず、この種の判決は最低限に抑えられている」と強調した。

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:31881 )