スィノプ原発への参加で、フランス大統領訪土へ
2013年11月08日付 Zaman 紙


フランソワ・オランド仏大統領がいつ実現させるか迷宮入りしていたトルコ訪問が、ついに具体化された。
ザマン紙がトルコ政府の高官たちから得た情報によると、オランド大統領は1月27日に2日間の予定でアンカラを来訪する。スィノプで計画されている原子力発電所が日本の三菱重工とフランスのアレバ社の企業連合により建設されることが決まり、その発表を受けて今回の訪問が決定した。

トルコのEU加盟反対で知られたニコラ・サルコジ前仏大統領が政権から離れて以来、トルコ政府とフランス政府の関係はゆっくりとではあるが快方に向かっている。オランド大統領はまずフランスがブロックしていたトルコEU加盟に向けた第22条項(地域政治と組織仲介調達)の交渉留保を無条件に撤回し、その他の条項も段階的に承認する予定である旨を伝えてきた。
二国関係の根本的改善はスィノプの第2原子力発電所建設が、日本とフランスの合弁事業に決まったことによって生じている。サルコジ前大統領のトルコEU加盟反対が原因で、トルコ政府はスィノプにおけるフランスの役割を冷遇していた。

トルコ側は2012年5月に大統領に就任したオランド大統領をすぐアンカラへ招待した。フランスの政治家が2013年の上半期に来訪することは確実だと見られていたが、オランド大統領がスィノプに関する決定を待っていることが報じられた。社会党のリーダー(オランド大統領)は、22億ドル規模のプロジェクトへのフランスの参画が決まればアンカラに「来ることができる」とのメッセージを送った。双方は1月27日から28日までの日程で決定に至った。会合では、2国間関係とEU加盟プロセス、そしてシリア問題が主に取り上げられた。外務省高官は、オランド大統領の訪問後に2国間関係とトルコのEU加盟プロセスが加速することを期待している。

■最後の訪問は1992年

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、2012年6月、メキシコで開かれたG20サミットの際、就任間もないオランド大統領と面会。「この20年の間、トルコを公式訪問されたフランス大統領はいません」と言い、トルコへ招待した。オランド大統領は「このことは私にとって名誉であり、特別なことです」と答えて招待を受け入れた。サルコジ前大統領は2011年に1日限りでアンカラを訪れたが、トルコ政府の熱心な申し出にも関わらずこれは公式訪問とされず、フランスのG20議長国という名目において実現されたものであった。フランス大統領の最後の公式訪問は、1992年のフランソワ・ミッテランによるものである。
 また一方で、ヨーロッパのもう一つの大国ドイツのヨアヒム・ガウク大統領はオランド大統領より先にトルコに来訪する。ドイツでは大統領の役割は限定されてはいるが、トルコ側は12月12日から13日に実現するこの訪問を象徴的に重要だと考えている。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:齋藤洋輔 )
( 記事ID:31913 )