フランスによるジュネーブ核協議での妨害行為について(上)
2013年11月11日付 Mardomsalari 紙

 ジュネーブでイランと5+1グループとの間で、3日間にわたってハードかつ中身の濃い協議が行われたが、この協議は最終的な結論が得られぬまま終了した。にもかかわらず、ジュネーブ協議は過去10年間の流れに重要な変化をもたらす、転換点と見なすことができよう。というのも、米英独仏露の外相ならびに中国の外相代行が参加した協議は最終日、もしフランス外相の妨害工作がなければ、確実に今後の協議の進行を決定づけるロードマップとなり得るほどの地点まで進んだからだ。

 実のところ、イスラエルは2002年にイランの核の平和的活動をめぐる西洋のゲームが始まったまさに当初より、今日までイランにおける核エネルギー生産に対して不条理な反対活動を主導してきた。そして今、ネタニヤフ〔・イスラエル首相〕はもはや自らの好戦的かつ不条理な立場にアメリカを同調させることができないのを見るや、自身の古き友人であるロラン・ファビウス〔仏外相〕の助けを借りたのである。今回の彼の役回りは、協議二日目の夜に行われた5時間にわたるアシュトン=ケリー=ザリーフ協議で形成された合意をぶち壊す、悪徳警官のそれだった。

 老練な外交官であるフランス外相は、自らが学んだこれまでの教えをよく理解していた。彼は直ちにジュネーブに向かい、アシュトン〔EU外交上級代表〕及びザリーフ〔・イラン外相〕との会談後、次のように表明した。「イランがアラーク重水炉での活動を止めようとせず、また濃縮度20%のウランの蓄積に手を付けないことは、合意を阻害するものである」。

 ファビウス氏は事実の一部にしか言及しない、こうした矛盾した発言をすることで、二つの目的を達成した。

 第一に彼は、イランと5+1の間には意見対立が続いていることを示し、前向きな報道を一蹴しただけでなく、イラン側の理に適った提案に対して、5+1グループ内でも深刻な意見対立が生じているという事実を示した。実際そうした対立は、スウェーデン外相があるインタビューの中で、「イランに対してではなく、むしろ5+1諸国の間で厳しい話し合いが続けられているように思える。これはよいことではない」と述べざるを得ないほどなのである。

 ファビウス氏の二番目の目的は、協議の一部を暴露することで、合意に向けたプロセスを停止させることであった。事実彼は、イスラエルならびに一部の域内諸国、つまりサウジアラビアや湾岸諸国の利害を代弁したことで、石油収入を使って兵器や原子炉をフランスから購入するというサウジの約束が「利いている」ことをよく示した。特にシリア内戦をめぐっては、フランスとイスラエル、そしてサウジの間で共通の協力関係が形成されており、この点からフランス外相のこうした姿勢がよりよく理解できるのである。

〔‥‥〕

 しかしフランス外相はなぜ、アラーク重水炉のことを持ち出したのだろうか。そして彼が言及しなかった事実とは何だったのだろうか。この疑問に答えるのにあたり、まず指摘しておかねばならないのは、アラークで建設中の40メガワットの原子炉は、1967年から今日まで稼働し、廃炉の必要性のある、5メガワットのテヘラン研究炉に替わる施設だということだ。イランと国際原子力機関(IAEA)の間で1973年に結ばれた原子力保証措置協定により、アラーク重水炉は2015年の稼働開始の6ヵ月前に、IAEAの査察を受けることになっている。2年前、ナカーツIAEA保証措置担当事務次長(当時)はすでに、ここを視察している。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:31986 )