最高指導者「交渉団が弱い立場に置かれるようなことがあってはならない」(上)
2013年11月04日付 Jam-e Jam 紙


 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「抑圧と闘う国民記念日」を目前に控えた昨日朝、数千にも及ぶ熱気あふれる学生らと面会し、イラン国民に対する抑圧諸国の敵意の根源について重要な分析を行った。同師はその上で、現在行われている交渉の勤勉なる担当者らを強く支持しつつ、

アメリカのこれまでの行動が示しているのは、核問題はイランとの敵対関係を継続させるための言い掛かりに過ぎないということである。敵の詐欺的な笑みによって、道を誤るようなことがあってはならない。もし交渉によって結果が得られるのなら、それはそれでよい。もし得られないなら、それは〔国内の経済〕問題を解決するためには〔アメリカとの関係改善ではなく〕内側に視線を向けるべきだという、これまで繰り返してきた勧告の正しさを証明するものとなろう。

 と強調した。

 最高指導者事務所の広報サイトが伝えたところによると、ハーメネイー最高指導者はアーバーン月13日〔11月4日〕に起きた三件の歴史的出来事について触れ、次のように述べた。

イランに駐留するアメリカ軍人らに治外法権を与えるカピチュレーションに抗議する演説をしたことで、イマーム・ホメイニーが国外追放された1343年〔1964年〕の事件、アメリカが支援する独裁政権の警察官らによって〔中学・高校の〕生徒らがテヘランで残忍な形で殺害された1357年〔1978年〕の事件、そして1358年〔1979年〕にアメリカ大使館を占拠した大学生らの勇気ある抗議運動、これら三つはいずれも、何らかの形でアメリカ政府に関係した出来事であり、それゆえアーバーン月13日は『抑圧(エステクバール)と闘う国民記念日』と名付けられたのである。

 同師はコーランに見える「エステクバール(高慢)」という語について説明することで、自らの演説を続けた。が、その前に一点だけ「1358年にアメリカ大使館を占拠した信仰心篤き勇敢なる大学生の若者たちは、この大使館が実際にはスパイの巣窟であるという真実、正体を暴露し、世界中の人々の目の前に突きつけた」と指摘し、さらに次のように続けた。

当時、我が国の若者たちはアメリカ大使館にスパイの巣窟という名を付けた。そして今日、それから30年以上が経って、アメリカのパートナーであるヨーロッパ各国のアメリカ大使館は、〔ヨーロッパの人々から〕スパイの巣窟と名付けられている。これは、我が国の若者たちが30年以上も、世界の歴史に先んじていたことを示している。

 ハーメネイー最高指導者はこう述べた上で、「エステクバール」という語の意味について、「エステクバール(高慢、抑圧、抑圧諸国)の語は、他の諸国民の事柄に干渉し、他人に〔自らの意志を〕押しつけることを自らの権利であると考え、そのことについて誰にも説明責任を負おうとしない人々および政府に適用されるものである」と述べ、さらに「エステクバール(抑圧諸国)に相対しているのは、抑圧的な権力による圧迫や干渉、そして〔意志の〕強要の下に置かれるのを潔しとせず、それと闘う諸国民や人々である。イラン国民とは、そうした国民の一つなのである」と付け加えた。

  アメリカ政府は抑圧的な政府

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、アメリカ政府は〔世界の〕諸国民の事情に干渉する権利が自分たちにはあると考える、抑圧的な(エステクバーリー)政府であると強調した上で、「イラン国民は自身の革命によって、実際にはアメリカの圧迫と支配に対抗した。そして、イスラーム革命の勝利後も、国内における抑圧者たちの根を断ち切り、一部の国々とは異なり、それを中途半端なままにしておくようなことはしなかった。それは、将来に禍根を残さないためだった」と述べた。

 同師は、抑圧者との妥協は国や国民にいかなる益ももたらさないと強調した上で、「アメリカの高圧的/抑圧的な(エステクバーリー)態度は、〔世界の〕諸国民が同国に対して、不信感と嫌悪感を抱く原因となっている。また経験が示すところによれば、アメリカを信用した国民・政府は、どれも害を被ることになる。アメリカの友邦であっても、例外ではない」と語った。

 イスラーム革命最高指導者はいくつかの歴史的事例、中でもモサッデグ博士がアメリカを信用し、その結果モルダード月28日のクーデター〔※1953年8月19日に起きた、米英によるモサッデグ政権転覆クーデターのこと〕という報いを受けたことや、モハンマド・レザー・パフラヴィーがイランから逃げるように出国した後、彼に対してアメリカが冷淡な態度を示したことなどに言及し、「今日、世界の諸国民の間で最も忌み嫌われている国はアメリカだ」と強調した。

 同師はさらに、「もし今日、公正かつ健全な世論調査が世界で実施されるなら、アメリカほど世界の人々から否定的な見方をされる国はないだろう」と指摘した。

 同師はこの箇所における自らの演説内容を総括して、「それゆえ、抑圧諸国と対峙し、『世界の抑圧と闘う国民の日』〔を祝うこと〕は、〔イラン・イスラーム共和国の存在にとって〕根本的なことであり、かつ〔世界の状況に対する〕正確な評価から生まれたものなのである」と強調した。

 同師はその上で、抑圧諸国との闘争について正確な評価を行うようすべての若者に呼びかけた上で、

革命第一世代の若者たちには、アメリカとの闘争について評価・分析する必要はなかった。なぜなら、彼らはアメリカの不正義と圧制、そして残虐なる偶像崇拝体制〔=革命前のシャー体制〕に対する同国の支援をその目で見ていたからだ。しかし今日の若者たちは、正確な研究・評価によって、なぜイラン国民がアメリカの抑圧的態度に異を唱えなければならないのか、イラン国民がアメリカを嫌悪している理由はなぜなのかについて、しっかりと理解する必要がある。

 と述べた。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:31942 )