Radikalコラムニスト、ディヤルバクル集会を読む
2013年11月16日付 Radikal 紙


エルドアン首相の「ディヤルバクル・プロセスが支持されたならば、山にいる者は山を下り、刑務所は空っぽとなる」という発言が波紋を呼んだディヤルバクル集会について、Radikal紙のコラムニストが同紙のサイト上で評価を行った。

北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニ大統領がタイイプ・エルドアン首相の招待を受けディヤルバクルを訪問し、市内での集会に参加したことが大きな反響を呼んでいる。エルドアン首相の「ディヤルバクル・プロセスが支持されたならば、山にいる者は山を下り、刑務所は空っぽとなる」という発言が波紋を呼んだディヤルバクル集会について、Radikal紙のコラムニストが同紙のサイト上で評価を行った。

■エユプ・ジャン

今日は、ディヤルバクルで300人以上の人々の集団結婚式が行われただけではない。全トルコ、そして中東を含んだ一つのプロセスが始まった。トルコ人とクルド人の「結婚」が新たに始まった。シヴァン・ペルウェルとタトゥルセスのデュエットは二人の偉大なアーティストを一つの場所に集めただけでなく、トルコ語とクルド語のこの地ならではのデュエットとなった。感情的にとても意味のある、政治的にも始まった和平プロセスをさらに進展させる一歩が歩まれた。30年余りの深刻で大きな蹂躙への道をひらいた未解決事件、村の焼き討ち、ディヤルバクル刑務所が地域の人々の心に与えた心の傷、そしてそれらすべてが社会にもたらした感情の崩壊があった。和平プロセスが行き詰った時に開かれたこの集会は、感情的な意味でこの崩壊を補う、クルド人、トルコ人、アラブ人、これらの地域に生きる全ての民族的、宗教的アイデンティティが一堂に会するものとなった。今日という日を昨年のネヴルーズで始まった歴史的解決プロセスの感情的完成だと思っている。感情的、歴史的、政治的な完成である。この「結婚」が新たに行われたことにより、和平プロセスはさらに急速に進展し、そして首相の行ったスピーチを山や刑務所に人のいない一つのトルコへの思いが実現することへの歴史的一歩だと考えている。くだらない目論見や戦術的な非難でこの歴史的歩みを妨害すべきではない。結婚式では皆が過去に経験した苦しみを捨て去り、その喜びを共有するのであるならば、今日数百もの結婚式と共に、歴史的なクルド人とトルコ人の「結婚式」が行われる時も、皆過去の問題を捨て去り、この喜びを共有すべきである。これはメソポタミアの結婚式なのだ。ディヤルバクルでだけでなく、イズミルでも、アンカラでも、一元論的にとらえるべきではない。これがトルコ人とクルド人の「結婚式」ならば、これが様々なアイデンティティを持った人々が結婚できることを示しているのであれば、どこであっても一元的理解をすべきではない。共存文化を確立することが必要だ。ただ沿岸地域に押しこめられているCHP(共和人民党)、南東地域にとどまるBDP(民族主義者行動党)のように、小さな島が存在するのではなく、それらの島々の間にある扉が開かれた社会に変えていかなければならない。トルコの民主主義における最大の課題はいまだに共存文化を定着させていないことである。首相はまるで新しいバルコニー演説の中で、メッセージを発した。これらのメッセージはAKP(公正発展党)だけでなく他の党派にも届かなければならない。これに反して政府が他の主張を行えば、これらのメッセージの誠実性が問われる。この理由によりこの歴史的結婚式の必要性と共に、政府と野党が我々切り開いた時代を推し進めていくことを望む。

■オラル・チャルシュラル

和平プロセスが首尾よく進んでいることを我々も認めている中で、ディヤルバクルで(クルド問題の)解決を支持する空気が生み出されることが望まれていた。実際期待していた通りになった。首相の演説はその内容からとても意義深く、価値のあるものだ。この雰囲気の中トルコがより勇敢な民主主義の道を歩み、母国語に関する障壁が一刻もはやく取り除かれることを望みます。トルコの平和をもたらし力を高める時期が再び来ました。

■オルハン・ケマル・ジェンギズ

首相がバイデミル氏を訪問したことを重要視しています。和平プロセスはある期間隅へと追いやられていました。これを重要視した重要なメッセージが発せられた。PKK(クルディスタン労働党、非合法組織)に明確なメッセージを送った。ここで唯一の政党とはなりえないと言い、民主的自治に言及し、その夢は実現されえないと言った。一般的恩赦を約束したことが重要だ。これは重要な政治的転換だった。私は初めて政府が、エルドアンが前向きな態度を取ったと考えています。まずオジャランの姿勢の転換にこたえる形でこうした態度を取った。ここで(オジャランの)先手を取った。つまりオジャランから役割を奪った。特にバルザーニ大統領を招くことで。重要な政治的成果となるだろう、社会心理の観点からも重要な一歩である。かつてあるアーティストは母国語で歌を歌うといってリンチに遭った。その日々から今日まで、シヴァン・ペルウェルの話してきた地点に我々は到達した。ローマは一日にしてならず。これらは重要な歩みである。再び首相は、特にバルザーニ大統領がたどってきた足跡に言及し、政治を強調した。これから後、より政治が話されるプロセスとならなければならない。政治分野の拡大に関するメッセージを得た。

■メテ・チュブクチュ

ディヤルバクル集会は多くの問題における正常化の観点から重要だ。特にシンボルにおけるタブーを打ち砕くうえでターニングポイントとなる。首相のメッセージからプロセスが続くであろうこと、これよりは後退しないであろうことそして、この政策を継続させていくであろうことがみてとれる。しかしこれを行えば、BDPに関する疑問も続いていくと考えられている。首相は今後のプロセスにおいてこの地域に今まで以上に関わっていくであろうと言うことができる。特にバルザーニ大統領の発したメッセージに注目すれば、これから後のプロセスにおいてトルコと共に行動し、地域のクルド人も無視しないだろうと言える。BDPは先週の全ての議論にもかかわらずディヤルバクル集会に、より穏やかな対応をし、バルザーニ大統領との関係と和平プロセスを支持すると表明した。

■コライ・チャルシュカン

シヴァン・ペルウェルとマスード・バルザーニ大統領のディヤルバクル訪問は、今後政府が解決プロセスを継続的に進めていくつもりであることを表している。首相は演説で刑務所が空っぽとなり、若者が山から下りると言った。この発言はプロセスに関する新しい歩みが踏み出されることを示している。しかし私はこれらの歩みに対し疑問を抱いている。重要であるこの歩みがどの視点から歩まれるかと言うことについてである。これも今後皆で一緒に見ていきたい。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:酒井 瞬 )
( 記事ID:32002 )