Asli Aydintasbasコラム:外交における修復のとき
2013年11月21日付 Milliyet 紙

皆さんはお気づきだろうか。私たちが男女共同シェアハウスやら、シヴァン・ペルヴェルとイボ(イブラヒム・タトゥルセスの愛称)のデュエットやら、デルスハーネ(予備校・私塾)などの内政問題を議論している間に、首都アンカラがそろりそろりと外交における「修復」の時期に入っていることを。
「価値ある孤立」の代わりに、ジェンギズ・チャンダル氏が(元外交官テメル・イスキト氏の言葉を借りて)言うところの、外交の「リセット」時代が始まったのだ。

毎日、エジプトで「クーデターをクーデターと呼ぶこともできない」と四本指を立てて(訳注:エジプト暫定政権への批判を示すジェスチャー)欧米を批判し、シリア問題で国連へ最後通告をし、マリキ首相を非難し、イランへ釘を刺し、EUへ詰め寄り…枚挙に暇もない。ダヴトオール外相はひっそりと世界各地を訪問し、関係が悪化していた国々との関係を修復しようとしている。こうした動きはエジプトのクーデターを支援する湾岸諸国から始まり、サウジアラビアを訪問、その後一時は関係が極度に緊張したイラクへ行き、ヨーロッパ、そして今週はワシントンだ。

聞くところによると、政府は最近エジプトの新政権とも対話を模索し始め、シリアでは過激派グループを追い詰め行動に出ている。ただし実際には、シリアでの内戦における弾圧も、エジプトでのクーデターの暴力行為も減少したわけではない。
しかし明らかなのは、次々と出される意味深な発表、外国メディアで日々流れるトルコがシリアでアルカイダを支援しているという報道、ハーカン・フィダン氏の文書、マスコミによるトルコの民主主義に対する批判、湾岸諸国からの経済的警告、ヨーロッパとの冷え込んだ関係、シリア問題の長期的な影響などが、アンカラの外交政策における「バランス調整」を後押ししたということだ。

凍結状態になっていたアルメニアとの議定書さえ再び議題に上がっている。キプロスとはEU加盟の鍵となる公文書取り交わしを模索中だ。動きは近隣地域に留まらず、噂が本当なら中国製ミサイルの購入さえも、政府は再び協議しているという…

これまで自信に満ち溢れていた外交施策が、最近は控えめな「危機管理」の風情だ。
これは悪いことではない、むしろ必要なことだ。倫理的に正しいとしても、外交は内政の無秩序な状態を解決はできない。世界に反抗し、隣国と喧嘩をし、国内の苛立ちを外にぶつけるのは継続的な政策ではない。もし政府が外交に危機管理の必要性を感じているのなら、これを躊躇したり、過小評価することに意味はない。

気になることは、外交で「リセット」が行われるなら、一体どの政策に戻るのだろうか?私の友人の言葉を借りるなら、「ダヴトオール外相の全隣国との友好外交なのか、アブドゥッラー・ギュル前外相の時代の外交なのか?」というわけだ。
興味深い問いだが、一方で世界はここ1年ほどで大きく変わった。2013年、中東地域は当面立ち直れないほどに混乱した。全てのバランスが崩れ、慌しい宗派対立が起こっている。この状況で、「イラクのクルディスタン地域」を除いて私たちが抱き合って協力できる地理的条件はない。

こうした状況下で合理的なのは、第二の選択肢を考えることだ。AKP(公正発展党)の最初の時期、つまりギュル外相の政策に戻らなければならない。この場合、トルコを再びヨーロッパへ向かわせ、国内で「西洋の」民主主義と人権制度をもう一度整備し、外交政策を国内政策における民主化と並行して進めることになる。個人的には悪くないと思うが、いかがだろうか。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:32051 )