Oral Calislarコラム:ギュレン教団~ギュル~大統領府危機
2013年11月27日付 Radikal 紙

デルスハーネ(予備校・私塾)危機や地方選挙は、近づく「大統領」選挙とその後を示す前兆だと言えるだろう。

大統領選が「政治的危機」の要因になることは、トルコにおいて「我々になじみのない」状況ではない。例えば、2007年の大統領選挙を思い出してほしい。トルコは軍の介入によって混乱に陥った。今また、「崩壊点」に我々は近づいている。もちろん今回の危機は、「軍の介入」に関するものではない。
大統領選は、法令改正が行われなければ2014年8月に行われるだろう。それまで9か月ある。

5年間という期間のために行われるこの選挙の立候補者は、いまだに明らかになっていない。最も高い可能性は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が大統領に立候補することだ。党則により、エルドアン首相は次の総選挙で立候補することはできない、つまり国会には入れないのだ。

現在の条件の枠組みにおいては、首相の眼前にある唯一の選択肢は、「大統領」として政治活動を続けることである。アブドゥッラー・ギュル大統領は、エルドアン首相の対立候補としては出馬しないだろう。そのような可能性はない。首相の目論見は、第一回投票で50%以上の票を得てチャンカヤ(大統領公邸)に進出することだ。一回目の投票で得票率が50%を割れる可能性もある。首相はこのような結果をリスクとみており、このため、何とかして第一回投票を無事に乗り切ろうとしているという見方が注目を集めている。

仮に、これらすべてがエルドアン首相が望んだ通りに現実となったとしよう。何の問題もなく大統領職に就いた。緊張状態や不安、「権力分析」が集まった本当の軸はここに生まれる。公正発展党のトップに来る、「首相」を引き継ぐ人物は誰になるのか?

現状をみれば、エルドアン首相が手にしている権威でもって大統領になる可能性が高い。エルドアン首相が大統領になった場合、彼が「国を治める」ことを望んでいるのは明らかだ。「大統領」に関する別の考えを主張し、「大統領制」に関して突き進んでいる。
しかし、この目標を達成できる具体的な策は講じ(られ)ていない。より広範な権限を手にしてチャンカヤに進出することは、あまり可能性のあるシナリオのようには見えない。(政治において9か月は長い時間だ。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が猛進し、「大統領制」に関していくつかのアドバンテージを手にできるということは、可能性は低いにしても不可能ではない。)

■エルドアン首相の後任には誰が?

アブドゥッラー・ギュル大統領は、当初から「エルドアンの後に首相の座に就く可能性が最も高い人物」とされてきた。しかし、公正発展党の内部で、ギュル大統領が首相に就くのを望まない者たちがいることも確かだ。首相に近い人物の情報によれば、エルドアン首相の考える首相第一候補はギュル大統領ではない。首相は、自身の「リーダーシップ性」をより簡単に容認するだろう首相を推すといわれている。

時間が少なくなるにつれ、ギュル大統領が首相になる可能性が増えていることを我々は感じることができる。経験豊富な政治家として、一歩一歩、エルドアン首相が手放す椅子の最大の候補者であることを、静かに、そして確実に認めさせている。私が理解できたのはこのことだ。

「ギュル大統領が公正発展党トップに就く可能性」に平行して、実際に非常に幅広い面での「革新」、さらにはおそらく「世代交代」が目前に迫っている。多くの大臣が任期3期目を満了するため、政府はほとんど完全に刷新される。国会議員らの大部分も変わるだろう。問題のこの部分はおそらく、少なくとも首相が誰になるかというのと同じくらい重要である。

どういうわけか、世論はいまだに問題のこの部分にあまり関心を持っていない。この「新体制」のブレインは、もし事が予想された通りに進むなら、ある時点を境目に、高い可能性でアブドゥッラー・ギュルになるだろう。

ギュレン教団や公正発展党内部のほかの派閥や議員ら、「エルドアン首相のカリスマ性を取り巻く側近たち」も、「新たな政治均衡」において影響力を持つために画策している。どのグループも、持っているカードの力で、どこかから干渉する。「首相―ギュレン教団間の争い」は、これらの一つに過ぎない。

政治は白熱している、皆持っている駒を盤上で動かしている。デルスハーネ(予備校・私塾)危機や地方選挙はどれも、近づく「大統領」選挙とその後を示す前兆だと言えるだろう。

追記:エルドアン首相が講じる可能性のある奇策は次の通りだ。
1.公正発展党(AKP)の党則を変え、首相を続投する決断をする、
2.平和民主党(BDP)または民族主義者行動党(MHP)と折り合いをつけ、憲法改正という方法で大統領制を実現させる。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:32104 )