クルディスタンプロパガンダSMSに、無罪判決
2013年11月28日付 Radikal 紙


「国ができるならそれはクルディスタンだ。旗は、黄色、赤、緑がいい。大統領はアブドゥッラー・オジャランだ。」というメッセージについて、裁判所が判決を下した。

イスタンブル・アナトリア第35簡易裁判所は、友人の携帯電話に「国ができるならそれはクルディスタンだ。旗は、黄色、赤、緑がいい。大統領はアブドゥッラー・オジャランだ。クルディスタン建国のためなら我々は命も惜しまない。このメッセージをクルド人全員に送信しない者は卑怯者だ。指導者なしの人生などありえない。愛国青年より」とクルド語交じりで書いたSMSを送信した容疑者に、無罪判決が下された。

ヴァタン新聞のケマル・ギョクタシュ記者の記事によると、イスタンブル県カルタル市のある建設現場で働くM.K.が、自分の携帯電話に同僚のH.A.から送信されたSMSについて告訴した。イスタンブル共和国検察局に証言したH.A.は、「建設現場で25-30人が寝起きを共にしながら働いている。そのメッセージを自分は送信しておらず、同僚が送信した可能性がある」と述べた。検察はH.A.に対し、「組織活動の一環として犯罪や犯罪者を賞賛した」として裁判を起こした。この間、H.A.は他の活動により「PKKの一員である」として拘束され、テキルダーFタイプ刑務所に収監された。

■自由のためのダイナミックな解釈

裁判を開廷したアナトリア第35簡易裁判所は、H.A.容疑者に無罪判決を下した。判決では、容疑者がメッセージを送信した証拠がないこと、「推定無罪」の原則により、罰せられないと述べられた。容疑者がメッセージを送信していたとしても罰せられることはないとした判決では、最高裁判所と欧州人権裁判所の過去の判決例を挙げながら、以下のように述べられた。

「本件の行為が、憲法と欧州人権条約に見られ、最高裁判所と欧州人権裁判所の判決例においても支持される言論の自由の行使に過ぎず、また罪状が法的根拠に基づいていないことは明らかだ。欧州人権裁判所の判例でも明らかなように、言論の自由は民主主義社会の基本的価値の一つであり、個人の成長ならびに社会の発展のために不可欠である。言論の自由は、心地良い、害のない思考のためだけでなく、特に人々を動揺させ、社会の大多数の人が持つ価値観に反し、ショックを与えるような表現にとっても重要である。言論の自由に対する介入が合法となるには、法整備がなされ、民主主義社会にかけられる制限が相応の基準に達する必要がある。欧州人権裁判所の判例をみると、今回の件は社会的必要性と呼ばれるものである。同裁判所の判例においては、自由のためにダイナミックな解釈が行われ、個人の言論の自由は特別に慎重に扱われている。」

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:32119 )