病院での感染によるエイズ被害の実態―トルコ
2013年12月01日付 Milliyet紙


シャンルウルファに暮らすY.Ç.君は、5年前に病院で火傷の治療を受けた際、HIVに感染し、病気のことを告げられないままアンカラの病院に通っている。父親は「運命の前に放り出された」と憤る。

5年前、体の上にヤカンがひっくりかえり、Y.Ç.君はシャンルウルファ医育研究病院内の火傷専門科で治療を受けた。しかしその結果、Y.Ç.君は2歳にしてHIVに感染しAIDSにり患。運命の前に放り出された。
Y.Ç.君の父メフメトさん(43歳)は、12月1日の世界AIDSデーだったが、Y.Ç.君の元を訪れてくれる人はないと語る。病気が発覚してからは差別を受けたため、村の外へ引っ越した。保健省に対する訴訟もまだ結果は出ていないという。

ウルジャンラル村に暮らす一家の息子だったY. Ç.君は、2008年3月、1歳半のときにHIVに感染した。そこから始まった悲劇は今も続いている。
7歳のY.Ç.君は自分の病気を知らされていないが、度々アンカラの病院へ治療に連れて行かれる。自宅で遊んでいた際、腕に熱湯がかかり、左の肩と腕に火傷を負った息子をシャンルウルファ医育研究病院に連れて行った時からこの悲劇が幕を開けたと父のメフメトさんは語る。メフメトさんは、「この5年間、ことの関係者や責任者がうちを訪れることはありませんでした。運命の前に放り出されたかのようです。息子を死の病に突き落とした者に罰を受けてほしいというのが唯一の願いです。」と述べた。

■若者10人のうち9人はHIVを知らない

国連人口基金、Y-PEER、社会ボランティア基金(TOG)が共同で実施する「10日間活動キャンペーン」の今年のテーマ「僕たちが望む世界」が発表された。
このキャンペーンは12月1日の世界AIDSデーから12月10日の世界人権デーまで続き、世界40カ国で同時に開催される。この期間、HIVに関しても多くの都市で啓蒙活動、展示会、コンテスト、パネル展示、講演などが催される。

■「偏見は感染する」

TOGが主体となり、国連人口基金と協力して実施したリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関するピア教育プロジェクトでは、コーディネーターであるブルト・オンチュさんがトルコはHIVが急速に拡大している国の一つであると指摘し、次のように語った。
「世界で500万人の若者がHIVと共に生活しています。若者のAIDS拡大スピードが最も速いとされている地域の一つがトルコです。国の青年性的健康調査によれば、若者の49%が学校でAIDSに関する教育を受けたいと希望していました。HIVではなく偏見が感染するのです。」

2007年に国連人口基金と人口統計局が行った調査によれば、トルコの若者10人中9人はHIVに関する知識を持っておらず、3人中2人はHIV感染者とわかった相手とは同じ場所にいたくない、と感じている。また、LGBTの人たちはHIV感染者であるという偏見による差別もある。統計ではHIV感染者の半数は異性愛者であることも示されている。

■数字でみるAIDS

* 1981年に初めてAIDSが報告された
* AIDS (HIV:ヒト免疫不全ウイルス) は1983年に発見された
* HIVには主に1型(HIV-1)と2型(HIV-2)の2種類がある
* WHO2012年末報告によれば3千500万人がAIDSにり患している
* トルコでは初のAIDS感染者が1985年に確認された

■静かに広がっている

「後天性免疫不全症候群」として知られるAIDSは静かな拡散をみせている。イェディテペ大学医学部微生物学のギュルデン・チェリキ教授は、トルコで2013年6月時点でのAIDS罹患者数は6802人となったと明らかにしたうえで、「絶対に予防してください。検査や検査前のカウンセリングを受けることを躊躇してはなりません。」と語った。

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:32135)