個人情報を守れない国は犯罪を犯している
2013年12月15日付 Zaman 紙


大統領アブドゥッラー・ギュルの指示で用意された国家監査委員会の報告書によって、個人情報保護について致命的な状態であることが明らかになった。法律家の報告書によって、政府のこの問題への[対応の]不十分さが露呈し、必要な法律の制定を行わなかったことによって生じた被害には政府に責任があると明らかにしている。

国家監査委員会の「個人情報の保護に関する国内外の分析」という報告書は、個人情報に簡単にアクセスでき、どれだけ保護システムが悪用の危険にさらされている かが明らかになった。報告書によると、GSMオペレーターには6,800万人の個人情報がある。銀行は法律があるにもかかわらずIDのコピーを続けている。5,000万の選挙情報登録が政党に送られており、[こうした]共有を妨げる仕組みはない。選挙登録はインターネット上に出て、売買されるようになった。重要な情報を取り扱う公共機関でも安全テストにおいて500台のパソコンが1時間でハッキングされた。監査の最後に公共機関において多く個人の重要なデータがCDや DVDといった可搬記録媒体によって外部と共有されていることが判明した。報告書では、個人情報保護の権利は、2010年の国民投票によって憲法の保障下に入ったが、必要な法律が制定されなかったことは注意を引いている。法律家たちは、個人情報が適切に保護されなかったことにより、国に必要な仕事をおこなっていないと述べた。

情報法律家シェラフェッティン・エキジは、「公共機関は、自身に権限のないデータを保存、使用、消去することはできない」と述べた。

弁護士ムスタファ・トゥルトゥルは、世界における重大な罰則を強調した。「我が国において法律的な空白のために個人情報が完全に保護されていない」と述べた。

情報法律家で弁護士のセルハト・コチはというと、法制化の前にある最大の障害が、いくつかの政府機関による例外扱い要求であると強調した。

情報法律家たちは、情報が丸裸の状態で政府が適切な職務を欠いていると強調した。必要な法律の制定をしていないため、法律的な空白によって生まれるであろう被害は政府に責任があると述べている。以下、法律家の意見である。

■イスタンブル弁護士会、弁護士ムスタファ・トゥルトゥル

個人情報は、世界で特にアメリカで重要な規則と罰則で守られている。個人情報の保護に注意を払わない、怠っている公務員については、トルコ刑法第257条の職務怠慢と悪用の罪に問われる。個人情報を不法に他人に提供した人物は、トルコ刑法第136条によって1年以上4年以下の禁固刑に処せられる。この人物が公務員である場合、トルコ刑法第137条によって罪が半分以上増える。トルコ刑法における情報システムに違法にアクセスし、個人情報を入手することに関する法律は、空白である。個人情報は、法律で完全に保護されていないのである。

■保護できない政府は損害を賠償しなければならない

情報法律家弁護士シェラフェッティン・エキジ
「人口データを保持するのは人口・国民データ業務総局の権限である。他の公共機関は、当該部署の権限にないデータを保存、使用、消去することはできない。これに反する行為は、法律違反である。データを収集する公共機関はというと、このデータを秘密裏に保持しなければならない。簡単なパスワードを使用してのデジタルデータ保護、あるいは、簡単に破ることのできるパスワードを使用しての物理的データ保護をおこなった場合、必要な措置を講じてないということである。必要な措置を講じずにデータの流失、第三者入手の原因となった場合は、公共機関の職務怠慢とみなされ、この損害を賠償しなければならない。

■公共機関は「例外」を望んでいる

情報法律家弁護士セルハト・コチ
「個人情報保護に向けた法案は約10年間法制化が待たれている。残念ながら政府として個人情報保護において弱点があることが、国家監査委員会の報告書によって確認された。個人情報保護に向けて用意された法案の法制化の前に立ちはだかる最大の障害は、国家機関が例外扱いを希望することで明らかになった。例えば、軍警察総司令部、内務省、国家諜報機構のような機関が個人情報へのアクセスの例外扱いを要求することで、計画的で高く信頼できる個人情報保護法を持つことができない。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:32302 )