クルディスタン議員発言で国会緊張
2013年12月16日付 Milliyet 紙


トルコ大国民議会本会議の予算審議において、カルス選出のミュルキイェ・ビルターネ平和民主党(BDP)所属議員とヴァン選出のオズダル・ウチェルBDP所属議員が、拘留中の国会議員のことを「クルディスタンの国会議員たち」と呼んだため、国会に緊迫した空気が流れた。

トルコ大国民議会本会議で行なわれた国防省と科学産業技術省の予算審議において、平和民主党会派を代表してスピーチを行なったビルターネ議員は、拘留されている国会議員たちが審議に出席できなかったことに触れ、民主的な政治参加が阻まれていると述べた。ビルターネ議員は、イズミル選出のムスタファ・バルバイ共和人民党(CHP)所属議員の長期拘留に関する憲法裁判所の決定は、(現在拘留中の)全ての国会議員にも適用されるものであるとし、「クルディスタンの国会議員たちを釈放すべきた」と発言した。

アイシェ・ヌル・バフチェカプル副議長は、スピーチを終えたビルターネ議員に対し「国会の演壇での免責特権を考慮しあなたのスピーチを尊重するが、国会の構成員は選出された地域ではなく国民を代表するべきだ」と注意した。ビルターネ議員のスピーチに反発した民族主義者行動党(MHP)所属でウスパルタ選出のスュレイマン・ネヴザト・コルクマズ議員は、政府の列に座っていた閣僚や公正発展党所属の議員たちに説明を求めた。ビルターネ議員の次に話したヴァン選出のウチェルBDP所属議員も「北クルディスタンと共に闘う人々が拘留されている」と発言した。

ウチェル議員の発言に反発したCHPとMHP党員らは、これは憲法に反する罪だと主張し、バフチェカプル副議長にも「黙っているつもりか?」と不満を示した。

バフチェカプル副議長は、ウチェル議員が同様の表現を繰り返しいくつかの都市をクルド語の名称で呼んだことに対し、警告を発した後、ウチェル議員のマイクの電源を切った。バフチェカプル副議長は、「ここはトルコだ」と注意した後、「トルコは国家(ülke)や国民(millet)によって分割されることのない統一体である」と定めた憲法の第三条を読みあげた。

ムシュ選出のスッル・サククBDP所属議員も、差別的政策には異議を唱えるべきだとし、国家の役人たちがこの地域(訳注:トルコ南東部)で長年の間罪を犯してきたと主張した。サクク議員は、「首相はダボス会議で『ちょっと待った(one minute)』と言ったが、我々も同じようにあなた方に待ったと言いたい」と発言した。

サクク議員は、拘留された議員たちの釈放請求が退けられたことに触れ、「バルバイ議員は白い(beyaz)トルコ人だ。だから裁判所は釈放した。イスタンブルの裁判所とディヤルバクルの裁判所が異なる判決を下したら、説明がつかない」と述べた。

MHPのオクタイ・ヴラル会派副代表は、トルコ国軍のテロとの戦いが正当で合法的なものであると主張し、「真の敵は、ゆりかごの赤ん坊たちを殺し、麻薬と人間を売買しているテロ組織PKKである」と述べた。公正発展党のアフメト・アイドゥン会派副代表は、拘留されている議員たちに関する判決は正しいとは言っていない、議論の余地がある、と述べた。ヴラル議員は、BDP所属のサクク議員が再び発言したことに反発を示し、サクク議員にこれ以上話させるべきではないと主張した。議論が延長したことや、BDP所属議員とCHP、MHP所属議員たちの口論が長引いたことを受けて、バフチェカプル副議長は審議を中断した。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:32324 )