政府から「宣戦布告」のような発言―収賄捜査
2013年12月19日付 Milliyet 紙

ベシル・アタライ副首相は、生放送で爆弾発言を行った。「これは、政治的捜査だ」と述べ、報いを受けることとなる、と付け加えた。

アタライ副首相は、政府が「大規模な選挙捜査」と性格付けた閣僚子息の拘束問題について、TGRTニュースで評価を行った。バトゥハン・ヤシャル氏及びヌーリ・エリボル氏の番組に出演した同副首相は、爆弾発言を行った。

「我々は、ジェマート(宗教団体)ではないのだ。甚大な被害を被ることとなる」と、同副首相はあたかも宣戦布告を行った。衝撃的発言内容は下記の通り。

■AKPの潔白性を汚してはならない

「我々は、不正、不正義、不法と常に戦ってきた。公正発展党(以下、AKP)の潔白性を汚してはならない!党の名を汚してはならないのだ。しかし、外部の捏造・陰謀で党の行く手を阻み、障害を設置し、汚点を付けようとする企みを許すことは出来ない。」

■報いを受けよ

「我々はトルコの不正を根絶してきた。我々の行動の基本は正しくあること、やるべきこと・やってはならいことを区別すること、あらゆる不正義にNOを突きつけることである。これにより、国民から我々は政権を託され、支持を得ているのだ。党の内外で不正、不正義を行うものがどこにいようとも、報いを受けよ。我々の中にはそのような者は微塵もいない。」

■「影響が甚大になるようにと、調査は纏められた」

「3つの捜査、3つの調査が明らかになった。少しばかり過剰に、それぞれが関連付けられない異なる事件が纏められた。恐らく、少しばかり声を大にすれば影響も甚大になる、と…。イスタンブルのファーティフ地区は、例えば、調査すべき事件ですらない。結果、司法が判断を下すだろう。過ちを犯すものは、報いを受ける。我々は、AKPは強固かつ盤石な政権政党である。不正義な告発を受けいれることはできない。」

■「これは政治的捜査だ」

「政治・社会的展開というものは、一面的なものでない。我々は、非常に明確かつきちんとした振舞いをしている。多くの仲間もいる。この中にもし過ちを犯していたら、今日までにとっくに自分たちで捜査を進めていた…。今後もそうだ。過ちを犯すものはその償いを受ける。しかし、今回の展開が示しているのは、単なる不正との戦いではなく、大規模かつ広範に及ぶ政治的捜査の様相を呈していることだ。」

■大臣がテレビで知るようなことではない!

アタライ副首相は、ムアンメル・ギュレル内務相が自分の配下の者たちにより自身の息子が拘束されたことをテレビで知ったことについて、下記の通り述べた。

「どのような国家、体制でもありえないことである、これは…。この種の活動は機密事項である。しかし、同じ行政組織内でこうしたことが起こるのは受け入れ難い。警察庁で経費削減を行なったが…。同庁でも過ちが起こったために、変革を余儀なくされた。進行中の捜査では、職権乱用が見られる。このことの調査も行われるであろう。

■「狙いは我々ではなく国民だ」

今回の件は、AKP及び政府に対して相当前から準備され、タイミングを計り、捏造も甚だしいものだ…。もちろん単に我々や党のみに関わることではない。トルコの成長・発展を望まない者達が、視野を狭めようとしている。その構想の中には、2つの国及び複数の組織が入っている。」

■「国民の意思を表していない」

「国民の意思を基本とし、それを強固なものにすべく奮闘してきた…。民主主義とはそういうものだ!国の中で、国に反する、国民に反することなどとやってはならない…。国民の意思は選挙ではかり、彼らが明らかにし、彼らが国を運営するように。これ以外のいかなるものも国に対抗する行為であり、国民の意思をまったく配慮していない。振り返ると、(トルコでは)時に軍、司法、官僚組織が後見指導を行ってきた。現在もこの意味での一体化が注目される。」

■「皆に正しく振る舞うよう呼びかけている」

「皆が落ち着いて考えねばならない…。我々は、非常に大きなリスクを背負い今日までたどり着いた。トルコは現在正常化した。トルコは、生活水準も民主主義の成熟度も飛躍的に向上した。豊かになった。あらゆる宗教・市民社会団体は、その活動を自由に行っている。だが、こうしたことが進展するなか、皆その価値を知るべきである…。

■「我々はジェマートではない」

評価を行う際に、不公正、不正義、不正があってはならない。何人にもそんなことを行う権利はない。皆、自身を少し整理するように。また、その後のこともある。 公正、正義、適法へと皆を誘う。誰も狙い撃ちにしないよう。我々は一団体やジェマートではなく、単に一政党である。我々は政権与党である。」

■「我々への支持は落ちない」

「この政治的捜査で我々への支持を落とせない。過去にも、様々な憶測がなされてきた。しかし、失敗に終わったのである。国民の洞察は非常に鋭い…。こうした論争は支持率とは別ものである…。我々を本当に色々な層の方が応援してくれている。次第に我々の支持者は増えている。人種、宗教を問わず我々を支持しているのだ…。社会はこのことをより冷静に評価している。

■「甚大な被害を被ることとなる」

選挙期間になると、いくつかの団体、ジェマートは独自に態度表明を行う。しかし、きちんとした結果にたどり着かない。我々は、正しい方法で、きちんと行動す る。正しきこと・法を守り続け、公正と不可分の関係にあり、皆のことを正しく考えるならば、勝利は常に我々にある。このため、過ちをおこなう者達は、甚大な被害を被ることとなる。」

■「300年間で我々の時代が最高」

アタライ副首相は、トルコが2000年頃に戻れば、甚大な被害を被ることとなると述べ、「過去300年で最高の時代を我々は過ごしている。1700年から今日まで、我々が最高なのだ…。個人的感情で言っているのではない。このことに取り組み、11年政権にあり、[1980年]9月12日のクーデター、[1997年]2月28日過程を目にした、現場の目撃者の一人として発言している。皆さん、この価値をよくわかって頂きたい」と述べた。

■拘束中の国会議員に朗報

アタライ副首相は、拘束中の国会議員の状況についても言及し、地方裁判所が拒絶した議員の釈放要求が、今後、憲法裁判所で認められ、共和人民党ムスタファ・バルバイ議員に加え、平和民主党の議員も対象となるとの朗報を伝えた。ただ、この期間が延びている、と述べた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:32345 )