Kolay Caliskanコラム:解散総選挙の可能性
2013年12月24日付 Radikal 紙

この(総)選挙はAKP(公正発展党)が定款を変えながら、第四次エルドアン政権を樹立することを目的にした選挙になることだろう。

ヒズメット運動(奉仕運動)と公正発展党(AKP)の間のトラブルはまず緊張をもたらし、そのあとで抗争へと変わった。先週明るみにでた進展は、私たちが戦いのただ中にいるということを示している。

ヒズメット運動が踏み出した一歩は、到底承服できない類のものだ。「私はあなたの、すなわち内務大臣の御子息でさえ、あなたに気づかせないようにして、捕まえます」 と言えるということは、非常に大胆不敵な挑戦である。収賄の処罰はさておき、ムアッメル・ギュレル内務相がこの弱点により職務を失うことは確かだ。AKPはこれらの進展を(政権への)挑戦であると捉え、官僚たちのなかで「Fタイプ(訳注:フェトフッラー・ギュレンシンパ)」としてレッテルを貼られた者たちを排除することに決めた。トルコ航空(THY)から国民教育省、内務省から外務省に至るまで、「一掃」作戦が始まった。今までのいかなる軍事政権でさえもできなかったほどの大規模な「魔女狩り」が・・・

■予想外の結果

この間にCHP(共和人民党)は野党としてのスタンスをはっきりと示した。CHPはエルドアンが全く経験したことのないような政治的方針をとった。アンカラではマンスル・ヤヴァシュ氏を、イスタンブルではムスタファ・サルギュル氏を候補者に指名した。現在のところAKPはアンカラ、イスタンブルそしてイズミルを失う可能性は高い。

選挙まであと100日、政権がこれほど大規模な収賄捜査に見舞われること、そしてAKP内部の亀裂が噴出したことは、「ギュレン教団の票はわずか1%、いろいろなところから火が出たとしても、罪さえも飲み込み焼き尽くす」というテーゼを意味のないものとした。

すでに全員が知っているように、ヒズメット運動の票は絶対にAKPには行かない。またヒズメット運動をよく知っている准教授イフサン・ユルマズ博士のようなオブサーバーも、ボイコットはありそうもないと述べている。

ヒズメット運動の票の行方はさておき、AKPに投票し、得票の20%を占める中道右派有権者の関心さえも失っている状況だ。収賄があったという主張も、AKPの保守的民主主義からイスラム主義に転換したイデオロギーも、これら有権者を不快にしている。

■2014年の選挙

今後の展開から我々は目を離せない。私が思うに、AKPはイスタンブルとアンカラで敗北を喫するだろう。この結果をうけ、エルドアン首相はAKPの定款を変えて、大変な総選挙へと向かうだろう。

カレンダー通りであれば2015年6月に総選挙がある。2014年3月の地方選挙の約15ヶ月後になるはずのこの選挙へ、CHPは3つの大都市で手にした勝利で、より強い政党として臨むことになる。大統領選挙は通常、地方選挙と国政選挙の間にくる。そして遅くとも2014年8月に結果がもたらさなければならない。しかしエルドアン首相が地方選挙で敗北を喫することになれば、行政と立法の舵を他の人に委ねるリスクを考え、大統領選に出馬することは望まないだろう。

エルドアン首相は、自身が力を発揮できず、また大臣たちを決めることのできないことになる議会(が出現することになる)にもかかわらず、そこで力のない大統領になることを望むだろうとは考え難い。

このような状況にあって、もしあなたがエルドアンであったとすれば何をするだろうか?CHPが大都市での勝利の結果として行うであろう選挙協力を無力化させるための唯一の道は、大統領選挙の前に総選挙をするという形で奇襲をかけることである。世俗派の投票動向を考慮するなら、来年6月末までが(総選挙の)一つの日程の可能性と言える。

この選挙はAKPが定款を変えながら、第四次エルドアン政権を樹立することを目的にした選挙になることだろう。同時にAKPの地方選挙における敗北が照合確認され、大統領選挙へ向けての対策が取られることになりうる。

もしエルドアン首相がこの時期を早めた総選挙で望みの成功を収めることが出来れば、「大統領官邸」に入ることになり、もし弱体化したAKPを目の当たりにするならば、大統領になる可能性は完全に消滅するであろう。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:32382 )