ヴェラーヤティー氏「アメリカはジュネーヴ合意に従う他になす術はない」
2013年12月29日付 Jam-e Jam 紙

 イスラーム革命最高指導者顧問は、「アメリカは核問題をめぐるジュネーヴ合意での自身の約束を守る他に、なす術は無い」と強調した。
 
 アリー・アクバル・ヴェラーヤティー氏は、本日日曜日午後、テヘランを訪問中のエジプトのメディア関係者らと会見し、「西洋諸国、特にアメリカがジュネーヴ合意での自身の約束を守ることに、期待しているか」との質問への回答の中で、このように述べ、さらに「我々は〔核交渉での〕イスラーム共和国の勝利を確信しているが、しかしこの問題は時間のかかる種類の問題であり、最終的な解決に至るには、もっと多くの時間を要する可能性がある」と付け加えた。

〔‥‥〕

 「ジュネーヴ合意には秘匿事項も存在するのか」との別の質問への回答で、ヴェラーヤティー氏はこの合意の内容を2つの部分に分け、「一点目は対イラン制裁の解除であり、二点目はイランには国際原子力機関(IAEA)による完全かつ厳格な監視の下で、核エネルギーを平和的に利用する権利があるということである」と語った。

 公益判別評議会戦略研究センターの所長を務める同氏は、ジュネーヴで合意された内容と、過去10年の間に〔西洋諸国から〕イランに提案されてきた内容とを比較して、「以前であれば、彼ら〔=西洋諸国〕はイランが数台の遠心分離器を所有することすら許そうとしなかったものだが、しかし今やイランでは1万9千台もの遠心分離器が稼働しているのだ」と付け加えた。〔‥‥〕

 イスラーム革命最高指導者顧問(国際問題担当)はまた、「イランが核エネルギーの利用停止を結果するような〔意志の〕強要を受け入れることは、断じてない」と強調した。

 ヴェラーヤティー氏はこの点について自らの見方・分析を詳細に述べた上で、「アメリカを筆頭とする西洋諸国はイラン周辺地域、特にイラクやアフガニスタン、シリアでの活動で敗北を喫した。彼らはこの地域から撤退して、これ以上の費用負担を避ける腹づもりである」と指摘、さらにイランの力に対抗することなど不可能だという結論に彼らも達したのだと述べ、次のように付け加えた。

彼らは核問題を何らかの形で解決することにこだわっている。問題は、アメリカ大統領がいみじくも述べたように、何らかの結果を得るには、核の平和利用に関するイランの権利を正式に認めるしかないというところにある。そして実際、彼らは〔ジュネーブ〕合意で、これを受け入れたのである。

 同氏は続きの中で、数々の脅迫・制裁に対するイラン国民の10年間にわたる抵抗を回想しつつ、次のように述べた。「断言するが、イランが自らの核の権利から退くようなことは、一歩たりともないだろう。われわれが抵抗を続けて約10年になるが、その結果として、われわれは今あるような高い能力を獲得したのである」。

 ヴェラーヤティー氏は、イランは自前の能力によって核の平和的技術を獲得した、初めてのイスラーム国家であり、非同盟国、そして第三世界の国であると指摘した上で、「世界のエネルギーの将来は、各国が平和的核エネルギーを利用する能力を持てるかどうかに、完全にかかっているのだ」と明言した。

 公益判別評議会戦略研究センター所長は、ジュネーブ合意が地域の諸問題や、イランと域内諸国との関係に及ぼす影響について、質問に答える中で、次のように述べた。

イランが核の分野での能力を高めることに、何故ムスリム・アラブ諸国は懸念を抱かねばならないのか。これらの国々は、〔イランによる核エネルギー開発の成功を〕喜ぶべきである。なぜなら、もしイランが科学や技術の分野で進歩を遂げる可能性を手に入れれば、イランは他のイスラーム諸国をそこに惜しみなく参加させることになるだろうからだ。

 同氏は、西洋諸国はイスラーム諸国が能力を高めないよう企てていると指摘した上で、「もし我々がこの未開の道を開拓し、この分野での先駆者になるならば、他の国々にとっても、核の分野での道が開かれるだろう。エジプトもこの道を進むよう、我々はアドバイスする」と言明した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8412304 )
( 記事ID:32551 )