Fikret Bilaコラム:CHPにとってのチャンスとは
2014年01月16日付 Milliyet 紙

CHP(共和人民党)のケマル・クルチダルオール党首は、ひとしきり前にタイイプ・エルドアン首相がドルマバフチェ宮殿の事務所にて行ったように、新聞の編集長、記者、ニュースサイトの記者らと昼食のために一堂に会した。新聞記者の質問に答えたクルチダルオール党首が最も憂慮している問題は、汚職捜査とHSYK(裁判官・検察官高等委員会)の問題であった。
クルチダルオール党首が言わんとすることは、汚職と賄賂に関する捜査とアブドゥッラー・ギュル大統領が間に入ることでEU基準のHSYKが設立されること、およびそれにより(軍関係者の)再審の道が開かれることだった。

■ギュル大統領の政府に対するメッセージ

クルチダルオール党首は、ギュル大統領が首相や野党の党首と会談しながら解決策を示してくれることを、とても肯定的に捉えている。非常に意味のある試みだと見なしている。ギュル大統領のこの試みによって作り出される状況が、一つチャンスとして評価されるべきであると考えている。また与党(AKP)のHSYK法案が議会を通過し、大統領のもとに(承認のため)届けられても、ギュル大統領が拒否権を行使すると信じている。そうしなければ、大統領は矛盾していることになる、と述べている。
CHP党首にこのような考えをさせているのは、ギュル大統領が政府側に対し「法案を現状のままで、私のもとによこさないように」という声明を出したということである。大統領が、法案自体に問題があり、憲法に違反している点が見つかったということを何人かに伝えたということが分かっている。大統領が反対する最大の理由は、法案がHSYKに関する権限をかなりの割合で法務省に集約させているということである。ギュル大統領が申し入れているのは、HSYK問題が、憲法改正と共に、そしてEU基準に適した形で解決されるようにということである。
クルチダルオール党首が「危機はチャンスに変えられうる」と考えるに至った理由は、ギュル大統領のこのアプローチ(態度)なのである…。

■二つの高等委員会

CHPのクルチダルオール党首は、HSYK問題でCHPの提示する解決策も明らかにした。
CHPは、HSYKが「裁判官高等委員会」と「検察官高等委員会」の二つの高等委員会からなるよう、憲法で改正が行われることを求めている。
それぞれ二つの委員会のメンバーの大部分が、それぞれ裁判官と検察官らによって選ばれることを提案したクルチダルオール党首は、委員会には国会議員、学識者(大学関係者)そして弁護士会の中からメンバーが選出されることも提示した。
国会にて、委員会に対し367以上の賛成票でもってメンバーが選ばれるよう望んでいる。このように(議員総数の)60%が支持することでメンバーが選出されるということは、与野党が必然的に折り合いをつけなければならなくなるということを強調している。
クルチダルオール党首のもくろみは憲法改正がなされる際に、EU基準とヴェニス委員会の原則が土台とされることである。与党とこうした点で合意に達したなら、民主主義と司法の独立性を勝ち取ることになると信じている。

■チャンスに変えられるだろうか?

クルチダルオール党首の声明は、HSYK改革のため与野党が一堂に会することで、他のいくつかの問題が解決されるためのチャンスが生まれるかもしれないというものでもある…。
CHP党首は、この試みで行われる憲法または法改正でもって、再審の道が開かれる可能性があると考えている。このため一つ目の道としては最高裁判所共和国首席検事が最高裁判所本会議へ申し出ることであり、もしこれがなされなければ、法律がつくられ再審の道が開かれることが必要であると主張している。さらに拘留されている国会議員の問題も解決されなければならないとも考えている。
間違いなく、クルチダルオール党首に再審のための改革の問題で希望を抱かせたものは、エルドアン首相と政府が12月17日の強制捜査の後、この問題(軍関係者の再審)を注視しているという発言をしたことである。
CHPが期待している最初の一歩は、政府がHSYK関連の法案を取りさげ、HSYKのために野党との話し合いに応じることである。

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( 翻訳者:足利阿紀 )
( 記事ID:32596 )