Kadri Gurselコラム:教団を自由にさせていたのは、AKP
2014年01月09日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の首席顧問でAKPの国会議員でもあるヤルチュン・アクドアン氏は、ここのところ直面している問題と彼らへの脅迫を、1月3日付けのスター紙に載せた「グローバルな舞台における、哀れな歩兵たち」と題するコラム(で書いた)ように、受け止めている。

「トルコの、イラク・イラン・イスラエル・エジプト・シリア政策を変えさせようと望む勢力は、これらを一度に変えられないとみてとると、この政策の建設者である人物(=エルドアン首相)を標的にした。彼から逃れることを、これらの問題を一辺にかえるためにの唯一の解決法だと考えたのだ。」

アクドアン氏は、エルドアン排除のためお最初の一歩が、オスロー・プロセスで現れたとする。この言葉は、オスローでの会議のうちの一つのものだとされる録音テープが流出し、2月7日の「司法・国家情報機構危機」を指している。「トルコ国内にいる彼らの傀儡が投入された」と書いている。

政府の4人の閣僚が解任される結果となった12月17日の収賄・不正捜査は、アクドアン氏の描く構図によると、国際的な陰謀の最後の輪である。同コラムにおける、彼の説明のすばらしい要約といえる文章は、次のとおりだ。「(アメリカを使った)権威主義、シリアの過激組織との協力、オスローでの暴露、さらにはゲズィ運動の試みがうまくいかないとなると、AKPのイメージを揺るがすことができると彼らが考えた「不正」シナリオが投入された。」

アクドアン氏によれば、この戦いは、彼自身の表現を借りれば「グローバルな勢力の『この件を終わらせよう』という命令を実現しようとしたトルコ国内の協力者ら」と、エルドアンのもとにあるAKP政権の間におきている。

その一方で、次のことも、たしかな現実だ:AKP政権は、その政策とイデオロギーの結果、この地域や世界において、これまでこれほどまでに孤立したことはなかった。軍事後見体制への戦いでは欧米世論を味方につけることができ、そのおかげで成功もしたAKP政権は、今、かつての連立相手(=ギュレン教団)との戦いでは、このアドヴァンテージをもっていない。この状況が政権内部に、一種の不安とパラノイアを生み出していることは、先にみたとおりだ。

深刻な不正と収賄の疑惑が投げ込まれているこの戦闘の場において、この進行をとめるてめに、司法の独立性を完全になくし司法を機能停止にしてしまうことさえ考えている現政権は、過去において軍に対し彼らを支持してくれた人々に対し、いま、この行動の正当性を説明し、説得することができないでいる。しかしながら、AKPとギュレン教団の間の闘争に、アメリカ発の国際的関係性があることも、事実だ。

これは、少なくとも次にように言うことができる。

ギュレン教団は、アメリカをセンターにするグローバルな動きである。その世界理解も、グローバルである。この動きは、それが広がっている世界を、トルコからではなく、アメリカにあるセンターからみている。アメリカにあるセンターの存続、活動、位置づけは、教団にとって、戦略的に重要であり、そのオールタナタィブはありえない。

トルコは、教団の発祥地で、その人材を最も多い提供している。しかし、この運動にとっての利益は、トルコとの関係を超え、グローバルな特徴を獲得している。それゆえ、教団と、その真の「家主」であるアメリカとの関係を、すべての政治的な思惑に優先し、そのことへの躊躇を捨てざるをえない。

その結果、次の結論にたどりつける。AKP政府がアメリカにとって非常に重要な友好国、同盟国であり続けていたならば、ギュレン教団は政府の存続を危うくする危険な闘争をさけただろう。それを厭わなかったところをみると、AKP政権とアメリカの関係の関係は、ギュレン教団が、AKPと対立したらからといってアメリカの「ホスト」からお叱りをうけるというような心配なく行動できるほど、後退していたのだろう。

もちろん、現政権のゲズィ運動対応での失敗ゆえの、国際的な(信頼の)失墜、シリア政策、エジプト問題における同胞団支持、イスラエルへの態度、EUからの距離、上海協力機構寄りの発言、イラク政治、中国製のミサイル購入などの政策は、ギュレン教団の行動にフリーハンドを与えることになった。

ヤルチュン・アクドアン氏のコラムを、これを踏まえて読んでもらいたい。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:32641 )