トルコ国軍、大変革―政府提案
2014年01月21日付 Hurriyet 紙


政府が議会に提出した法案に、トルコ国軍の将官の任命を根底から変える内容が盛り込まれた。法案が可決されれば、軍の司令官、中将、少将、准将は定年である65歳までの間軍に在籍し続けることが可能になる。

現在のトルコ国軍隊員法では、司令官の任期が二年に制限されており、希望した場合に一年だけ延長することができた。今回政府がトルコ大国民議会(TBMM)に出した法案では、司令官の任期二年が65歳の定年にまで延長されるようになる可能性が示された。

■例えば、フルスィー・アカル陸軍司令官の任期が三年から四年に

法改正は現在の三軍の司令官にも適用される。もし政府が要望すれば、定年を迎えていない現在の陸軍、空軍、海軍の司令官の任期は参謀総長の推薦と首相の承認によって延長される。

現在の陸軍大将フルスィー・アカル氏は1952年生まれ。アカル陸軍大将は2013年に現職に就いた。現行システムによるアカル陸軍大将の任期は、延長期間一年を含め2016年に満了を迎える。だが今回の改正により、アカル陸軍大将は2017年まで司令官を続けることが可能となる。 仮に現在の参謀総長ネジデト・オゼル大将の四年の任期が後々延長されたとしても、アカル陸軍大将が参謀総長になる可能性を消し去るものではない。

それはこういうことである。

参謀総長の定年は67歳。現職のオゼル参謀総長は、2011年に61歳で参謀本部に入った。これまでの条件ではオゼル参謀総長は、四年の任期満了に伴い、定年の67歳を迎える前の2015年に退職するはずであった。しかし任期が二年延長されれば、退職は2017年ということになる。フルスィー・アカル大将もまたこの年に陸軍大将の定年を迎えるが、参謀総長職については(67歳まで)さらに二年の猶予が残されるかたちだ。

■空・海軍の任期も延長

ビュレント・ボスタンオール海軍大将とアクン・オズテュルク空軍大将は2013年に現職に就いた。ボスタンオール海軍大将は1953年、オズテチュルク空軍大将は1952年生まれ。つまり両大将は、要望があれば、軍司令部での任期を延長することができるということだ。

■軍警察総司令官の場合

しかし、2013年に軍警察(Jandarma)総司令官に任命された1950年生まれのセルヴェト・ヨリュク大将は、この改正の恩恵に与ることができないようだ。

ヨリュク軍警察総司令官は、オゼル参謀総長が予定通り2015年に退職し、同時に自身が参謀総長に任命されれば、二年間参謀総長の座に就くことができる。だが、トルコ国軍の慣習として、これまで陸軍の司令官が参謀総長に任命されている。

■中将・少将・准将に早期の昇進や退職の選択肢

政府がトルコ大国民議会に提出した法案により、トルコ国軍将官人事に影響を及ぼす要素として、中将、少将、准将が現行法と比べ早めに昇級または退職できるという道が開かれることになる。

現行システムでは中将、少将、准将の階級にそれぞれ4年ずつの準備期間が設けられており、将官が次の階級に進むかどうかは4年目に行われる高位軍人事会議で話し合われた。しかし、政府の新しい法案によって、これらの将官の人事準備期間は3年に短縮されることになる。

こうして、中将、少将、准将の階級に在籍する軍人は、3年毎に高位軍人事会議にかけられ、早い段階で昇級や退職が決められることになる。三階級の軍人が高位軍人事会議にかけられるのが一年早まるということは、ひとりの軍人が現行法と比較して3年早く大将に昇級するということが起こるということでもあるのだ。

■将官の若返りと司令官の在任期間の延長

法案が可決されれば、トルコ国軍の将官は若返ることだろう。一方で、若くして将軍になるかもしれない将官たちが、軍幹部として定年退職まで、より長い間同じに地位に留まることも可能となる。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:32656 )