イスタンブル再開発プランで墓地が危険地域指定「とっくに死んでますが・・」
2014年01月30日付 Radikal 紙


再開発地区の一つであるサルギョル地区にある墓地が、「危険地域」に指定されたことで、その地区の住民が反発している:墓地が移転させられてしまうというのか?

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が2013年5月26日に落成式を行ったヴィアランド遊園地の向かいに位置するサルギョル地区で、再開発計画が適用されることになった「危険地区」指定がなされてから一年経った。がれきの山に囲まれている同地区ではゲジェコンドゥ(掘立小屋)の一部が取り壊されている一方で、この地区のすぐそばにそびえる18階建てのサルギョルマンションの建設が続行中である。閣議決定で危険地域に指定されたガーズィオマンパシャの400万平方メートルの内、5万5千平方メートルはサルギョルにあるタシュルタルラ(カルテペ)墓地が占めている。

5万5千平方メートルのタシュルタルラ墓地を含むガーズィオマンパシャの400万平方メートルの地区が、閣議で危険地域に指定されたと述べるガーズィオマンパシャ居住権協議会の広報担当のスレイマン・シャーヒン氏は、「金角湾の岸から、そしてエユップの境界から「ヨーロッパ住宅地」があるヨーロッパ横断自動車道(TEM高速)地区までが一つの地域である。この地域は地図では別々に示されているが、実際は一つの地域である。この一帯には10万以上の人が住んでおり、この人々を通りやこの一帯から排除したがっている。われわれの墓地も2013年1月16日に危険地区に指定された。閣議決定により危険地区に指定されるや、この場所は再開発のための口実となっているのだ。墓地にはもう亡くなった人、死んでしまった人しかいない。しかしこの地区が危険地区に指定された。どんな危険があるというのか、もう死んでしまっている。地震が発生したら彼らに危険が及ぶというのか、この問いに答えた者はいない」と話した。


■環境都市整備省は回答すべきだ

 シャーヒン氏は、墓地が移転されるかもしれないとのうわさで住民が不安に思っていることを明らかにし、「墓地は撤去させられてしまうのか?この住民の間にこうしたうわさがある。市はまだ何も正式に発表していない。様々な会合でも、「このようなことがありうるだろうか?」と皆言っている。しかし危険地区に指定されていなかったら、われわれも理解しただろうに。もし墓地を撤去するつもりがなく、開発予定がないなら、なぜ危険地区に指定したのか。これに対する答えがない。」と言った。


■死者に対する敬意もなくなる

 サルギョル・ロマ協会の元会長サディ・チャトゥ氏も、墓地がこの地域の墓地として利用されてきたことを述べ、「母、父、息子、義父、義母、叔母はここに眠っている。私は63歳です。この墓地にいつからかよっているのか思い出せませんが、長い間この場所を墓地として私たちは使っているのです。我々は家にも、墓地にも、生活にも満足していました。」と言った。家が無理やり撤去されてしまったと述べたチャトゥ氏は、「家を無理やりとられました。与えられていたはずの我々の権利が、1984年にゲジェコンドゥ開発権利法によって私たちが手にした権利書付きの家が強制的に奪われています。(我々に)与えられている権利は、回復可能だろうか。これも人権ではないのか?私の父はここに眠っている、母もここにいる。亡くなった人に敬意はなくなるのか?家賃を払うなど、わずかでもありえない。つまるところ我々も人間である」と話した。

■家を手放した人は沈黙

家の殆どは撤去されたと述べたシャディイェ・ゲズィジ氏は、「50年もここに住んでいます。家には満足していましたが、国にとられてしまったら、あなたならどうします、と話した。他の地域に住む人々が賃貸ししていると述べたゲズィジ氏は、「家を手放してしまった人々は大変後悔しています」と言った。セヴギ・ハイダル氏も、全ての人に家を与えなければならないと述べながら、「彼らは60平方メートルと言っているが、この家に7家族住んでいる。我々は取り壊し賛成派ではない。家賃など払えないし、家も明け渡さない」と話した。他の地域の住人であるハリト・イブラヒム・アスラン氏は、「ここに住む人々は皆貧しいです。皆父母から受け継いだ家に住んでいます。市によって家が取られています。この場所を無理やり私たちの手から奪っているのです。渡さなければならないと言われました。アスラン氏は家々(の買い取り)に300~400億リラ(1兆3800億円~1兆8400億円)相当のお金が使われたことを述べ、40平方メートルの家々に住んでいた人々には30、40リラ(1380円、1840円)ほどの本当にわずかな金額しか払われていない。5人兄弟が相続して分けた場合、一人当たり8リラ(訳注:原文では80億となっているが、間違いであると思われる)である。8リラでどこに行けるというのか、どこで家が買えるというのか?人々は惨めな生活を強いられている」と話した。住宅を明け渡さなければならないと語る別の地区の住民は、よくわからないので困惑していると語る一方、マイクの前で話すことを拒否した。

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( 翻訳者:岡本悠見 )
( 記事ID:32764 )