ザリーフ外相「核協議が失敗に終わった場合は20%超のウラン濃縮活動に着手する」
2014年02月04日付 Jam-e Jam 紙

 イラン外相は、核問題に関する包括合意に達することを目的に、バフマン月29日〔2月18日〕からウィーンで開かれる予定のイランと5+1(国連安保理5ヵ国とドイツ)との協議について触れ、「双方が合意に達することができなければ、イランは〔ウラン〕濃縮レベルを20%超にまで引き上げることになろう。しかし、こうしたことにはならないよう、努力しなければならない」と述べた。

 イラン国営通信の報道によると、ミュンヘン安全保障会議に参加するためにドイツを訪れていたモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は、この会議の傍らで〔香港の〕フェニックス・テレビと会見し、制裁の影響について「イランは強国であり、制裁が社会に与える影響をある程度抑え、回避することができる」と述べた。

 イラン外相はさらに、「イランの利益は、信頼をベースにして国際社会と建設的な協力を行うことにある。現在、この協力の好機が、地域問題をはじめとする多くの領域で存在する」と強調した。

 「国際社会はイランが核兵器の獲得を狙っているとの強い疑念を抱いており、この疑いをイランは否定しているが、ではイランが濃縮度20%のウランを200キロ保有しているのは、いかなる必要性のためか」とのフェニックス・テレビ記者の質問に、ザリーフ外相は「これは、イランに対する大規模な制裁に対し、制裁解除に向けた協議でよりよい状況を手に入れるための反応である」と回答、さらに「制裁が科せられる前、イランは遠心分離器を200器しか保有していなかった。しかしその数は度重なる制裁を経て、今や1万9千器に及んでいる」と付け加えた。

 ザリーフ氏はさらに、「イランは科学的・医学的必要のために、〔ウランの〕濃縮を必要としている。現在、互いの信頼醸成のための環境が整っており、その解決方法を見つけることも可能だ」と強調した。

 同外相はまた、「核問題では稀有なチャンスが生まれている。これを互いの信頼醸成のために活用しなければならない」と述べた。

〔‥‥〕

 ザリーフ氏はホロコーストに関する番組司会者の質問に答える中で、この事件は重大な犯罪だとしつつ、これをパレスチナ人の権利侵害を正当化する根拠とすることはできないと強調した。

 同氏は「シオニスト体制はパレスチナ人の権利を60年間ずっと無視し、公然と侵害してきた。彼らはこれに関する国連決議も無視している」と述べた。イランとイスラエルは共に、互いの脅威に晒されていると言っているが、との質問に対し、同氏は「シオニスト体制は状況の混乱を狙っている」と言明した。

 イラン外相はシリア問題について、争っている双方が前提条件なしに協議を行うべきだと強調した上で、「他の人々が主張しているのとは反対に、イランはシリアに軍を置いてはいない」と付け加えた。

 同氏はその上で、「シリアにおける流血の状況を終結させねばならない。なぜなら、そこではスンナ派すら互いに争っているからだ。この悲劇〔を終わらせる〕ための解決策を見つけ、勢力の均衡を図って、人々のさらなる殺戮と難民化を阻止しなければならない」と言明した。

 ザリーフ氏はまた、「イランは〔ジュネーブでの〕シリア会議に招待されなかったが、イスラーム共和国はこの国に平和を確立するために努力する用意がある」と述べた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:32815 )