エルゲネコン逮捕の元イノニュ大学長、5年ぶり保釈
2014年02月20日付 Radikal 紙


憲法裁判所の保釈決定により、エルゲネコン事件で逮捕された元イノニュ大学長ファティフ・ヒルミオール氏がシリビリ刑務所より出所した。

同氏は、出所後の記者会見で5年間拘束されていたこと、本日(2月20日)憲法裁判所の保釈決定が下りたことに触れた。

ヒルミオール氏は、「保釈決定を下した憲法裁判所長官及び裁判官に感謝の意を伝える。もし、私の保釈決定が長期間の拘束を理由として下されたものであれば、約5年に渡り拘束されており、私以上に長期間拘束されているものがいる、と言いたい。いや、もしこの保釈決定が病気を理由として下されたものであれば、医師としては、私より重病のものが刑務所にいる、と言いたい。願わくば、彼らのためにも早期に解決策を見つけ、保釈決定が下され るように」と話した。

ヒルミオール氏は、エルゲネコン事件が約7年に渡り続いていると述べ、次の通り続けた。

「この事件を最初に担当した裁判官は説明の中で、『今日であれば、事件の訴状を受け取ることはなかった』と述べた。エルゲネコンはテロ組織ではないと言ったのである。同様に、本件で審理を受けた人々や被疑者の弁護人は、6~7年の間ずっとこの事件自体が陰謀であり、事件の中心に組織やクーデターの陰謀など存在しない、と何度も主張したにもかかわらず、信じる者はいなかった。最終的に、首相と他の閣僚メンバーは、この事件が陰謀であり、国家の中に巣食うもう一つの国家、あるいは、国家内部のギャングによってでっち上げられたものであり、何百の人間が刑務所にいると発言した。基本的に首脳のこの発言後、この問題は立ち消えとなった。エルゲネコンというテロ組織もないし、クーデターの試みもない」。

ヒルミオール氏は、トルコ国民に一つ問いたいと言い、「もし、エルゲネコンというテロ組織が存在するならば、その組織のトップは誰なのか?リーダーはいない。裁判所も述べることは出来ない。というのも、そのような組織は存在しないのだ。小さなカナリア愛好会でさえ長が存在するのに、トップのいない組織をどうやって証明できようか?組織は存在しないのだ」と話した。

審理を受けた被疑者に注目し、本件が軍によるクーデター陰謀事件であることを考えると、エルゲネコン事件の最高位の軍高官がイルケル・バシュブー氏であると述べるヒルミオール氏は、「つまり、こういうことか?イルケル・バシュブー統合参謀本部長は、70万人の軍隊をなおざりにして、280人超の民間人から成る組織を築いたのですか、クーデター実行のために?これに関するちゃんとした、筋の通った説明はない」と述べた。

■外部治療を続ける

ヒルミオール氏は健康状態に質問が及ぶと、肝臓に不快感があり、これはストレスのため進んだものであるとし、外部で治療を継続すると述べた。

ある質問に対し、アンカラで居住しているためアンカラに向かうと答えたヒルミオール氏は、保釈のことを聞いたときの感想を問われ、「よかったとは全く思わなかった。喜びはなかった、何故ならば刑務者内に残る者皆が無実だからだ。こう言っておこう、行政裁判所事件の犯行者、ジュムフリイェット紙に爆弾を投げつけ た者だけは除いてね。審理を受けてきた者は皆無実なのだ。このことを心の底から言いたい」と述べた。

ヒルミオール氏は、6ヵ月後に新たに検討がおこなわれるとの噂について質問を向けられ、「法律家はそう言っている。私は、全く何もしらない」と述べた。同氏は、シリビリ刑務所から車で出所の際、[エルゲネコン裁判の関係者]ヴェリ・キュチュクの娘、弁護士ゼイネップ・キュチュク、ドウ・ペリンチェキの息子メフメト・ペリンチェキも別の車で同行した。

ヒルミオール氏は、記者会見の後、シルビリ刑務所の官舎の向かいに設置されたテントに向かい、ストーブで暖を取り、チャイを飲んだ。そして、妻、息子と電話をした。

新聞記者は、暫くのち、テントから退出させられた。ヒルミオール氏は、その後、同伴者とテントから出て行った。

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( 翻訳者:岡本悠見 )
( 記事ID:33030 )