ハーメネイー最高指導者、「抵抗経済総合政策」を発表
2014年02月20日付 Jam-e Jam 紙

 革命最高指導者は「抵抗経済」総合政策を公布し、「抵抗経済はイスラーム経済システムに関するインスピレーションに満ちたモデルであり、経済的偉業の達成に相応しい機会を提供するだろう」と強調した。

 本紙の報道によると、イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は憲法第110条第1項にもとづき、公益判別評議会の諮問を経て決定された「抵抗経済」総合政策を公布した。その中で同師は、

革命的・イスラーム的文化から生まれた科学的国産モデルに従うことで、イラン国民に対して強要された経済戦争〔※〕で敵を打ち負かし、後退させることが可能となるだろう。また、抵抗経済は日増しに高まる世界的危機において、イスラーム経済システムに関するインスピレーションに満ちたモデルを客観化し、人民ならびに経済関係者らが経済的偉業の達成で重要な役割を果たすにあたって、相応しい環境や機会を提供するだろう。

 と強調している。

※訳注:イランの現体制は1980年から88年のイラン・イラク戦争を、「強要された戦争」と呼んでいる。これはイラン・イラク戦争がイラクの侵攻と、欧米諸国ならびにアラブ諸国(除くシリア)の対イラク支援によって、イランに「強要された」ものだという認識が込められている。ここで用いられている「強要された経済戦争」という語は、現在イランに科されている経済制裁が、イラン・イラク戦争に匹敵する、イラン・イスラーム体制への国際的な圧迫であるというニュアンスを帯びている。

 革命最高指導者が三権の長、ならびに公益判別評議会議長に宛てた通達の内容は、以下の通り。

慈悲深く慈愛あまねき神の御名において

イスラーム的イランはあふれんばかりの精神的・物質的能力、豊かで多様な資源、大規模なインフラを有し、そして何よりも重要なことに、責任感が強く、有能で、確乎たる意志をもった人的資源を享受している。このようなイランが進歩を遂げるために、もし革命的・イスラーム的文化から発生した科学的国産経済モデル、すなわち抵抗経済に従うならば、すべての経済問題は克服され、偉大なるイラン国民に対して掛け値なしの経済戦争を強要すべく共同戦線をはっている敵を、打ち負かし、後退させることができるだろう。そればかりか、抵抗経済に従うことによって、自分たちのコントロール下から離れてしまったことに起因するさまざまな危険や不安、例えば金融危機や経済危機、政治的危機などが日増しに高まっている今日の世界において、〔‥‥〕科学技術や基礎的正義に支えられた、内発的で外向的、力動的、かつ前進的な経済を実現させ、イスラーム経済システムに関するインスピレーションに満ちたモデルを客観化させることができるだろう。

〔以下略〕



註:「抵抗経済総合政策」の骨子は、

・金融・人的資本の活性化
・経済活動における国民一人一人の参加の最大化
・知的財産・サービスの開発と輸出振興
・生産の強化と競争の奨励
・イラン各地の地域特性を活かした経済の活性化
・補助金改革による生産部門の強化と雇用創出
・原材料・基本物資を輸入に頼らず、国内で生産する態勢の強化
・食料や医薬品の安全保障の確保と備蓄
・消費モデルの管理・改革と、国内産品の消費奨励
・金融システムの全面的な改革と強化
・最新の技術の移転と商品輸出の簡素化を目的とした自由貿易地区の拡大
・隣国をはじめとする世界との関係強化による国内経済の抵抗力の強化
・石油・ガスの顧客の戦略的選択による歳入の安定化
・税収を高めることによる歳入改革
・経済活動の健全化・透明化
・ジハード的文化の強化
・国内産品の規格化の促進

などとなっている。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33083 )