シリア:ヤルムーク…キャンプ内の「最後の審判の日」
2014年02月26日付 al-Hayat 紙


■写真の中のヤルムーク…キャンプ内の「最後の審判の日」

【ベイルート:本紙】

AFP通信が配信した写真は、多くのSNSの利用者たちの間での論議を引き起こした。それは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が封鎖されたヤルムーク・キャンプ内で支援提供を行った際の写真だった。その写真は、3年近く封鎖が続いているキャンプ内の光景を伝えるものである。

この写真には、静寂なデモにも似た隊列に並ぶ数千人の人々や壊された建物の入り口を覆うかかの如く群衆が映しだされている。彼らは激しい爆撃に見舞われた街路で支援物資や食料が自らの手元に届くのを待っているのである。

ガーディアン紙はこの写真をホームページ上で配信し、ツイッターやフェイスブック上で多くの議論を生んだ。

この写真はガーディアン紙のアカウントからのみでも、ツイッターで1000回以上ツイートされており、フェイスブックでは2000回以上シェアされている。

週刊の「オブザーバー」紙は、「ヤルムークの地獄の穴内部、世界を恥入らせるに至る難民キャンプ」と題した記事を公開した。

この記事は非常に強い表現を持って始まっているが、さらに、「辞書に非人道性に当たる新たな単語が生まれた。それは「ヤルムーク」という単語である」と続けている。

同記事は、生後14ヵ月のハーリドくんの身に起こったストーリーから始まっている。彼は戦争と封鎖の只中にヤルムーク・キャンプ内で生まれた。同キャンプは封鎖に苦しめられている。

ハーリドくんは、家族と4人の親戚と一緒にキャンプ封鎖の中で生きている。この記事の筆者は、「私たちが全人生の中で見る 以上の惨事を、彼は既に見てきた。」

この写真についてのコメントはSNS上で大きくで広まった。

同僚であるアブドゥルラフマーン・アイヤース記者はフェイスブック上の同氏のアカウントに、写真の光景は「ヤルムーク・キャンプでの最後の審判の日だ」と書いた。

イマード・サファー記者はこの写真について、「私は信じるまいと試みたが、これは真実だ。ヤルムーク・キャンプ内部の援助の受け取りを待つ列だ」と書いた。

ムハンマド・ヌッサール氏はこの写真を信用しなかった。そして、「アッラーは偉大なり。私は、これはフォトショップ(画像編集ソフト)だと思っていた」と述べた。

あるイギリス人の若い女性はツイッターで、「こんな写真を見た後に、イギリスはシリアに援助を送る必要がないとどうしたら言えるだろうか?」と質問を投げかけた。

また、あるSNS利用者は、「人類に対する侮辱の感情を訴えるためSNSに投稿されてきたものの中で最も厳しい光景を映しだす写真のうちの1つ」と考える。

多くの人々は、この写真により、封鎖されたキャンプ内で食べ物を求めるパレスチナ人の状態についての悲しみと悲嘆を表現した。そして、そのうちの1人は、この写真を見て「この民衆の飢えをずっと忘れることがないだろう」述べた。

シリアの危機の発生以来、心を痛ませる写真が次々と公表されている。その中にはアレッポの瓦礫の中から救出された3歳のシリア人の子ども写真のようなものもある。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:33111 )