Ismet Berkan コラム:公正発展党は、12年間でいかに「公正」を実現したか
2014年03月18日付 Hurriyet 紙

知っての通り、政党名は公正発展党である。つまり、「公正」と「発展」を実現することが政党の基本公約だ。そして、党はほぼ設立当初から政権の座にいる。

それでは問おう。公正発展党は、基本公約の一つである「公正」をどれだけ実現したのか?「公正」ということばは二つの形で解釈することができる。

一つ目は、司法における「公正」である。この分野で大きな失敗が生じたことを、12月17日捜査以来政権も認めている。12年間の最後に司法が「公正」 を実施するようになった一方で、政権自体は不公正を被ったと信じて、このことを選挙キャンペーンで毎日言っている。したがって、司法における公正という事項は公正発展党の失敗項目として、ことばの二つ目の意味に移るとしよう。つまり、社会における社会的かつ経済的な不公正の排除、一般的な意味での平等への更なる前進という問題に。

確かに公正発展党は、保健機関へのアクセスの簡易化と普及、交通網の拡大と低価格化、所得分配の是正を進めて絶対的貧困の削減といった、重要かつ短期間でそれを実現するという成功をおさめた。加えてスカーフ着用者が受けていた差別が終わりを迎え、クルド問題がクルド人の存在認知のレベルを超え、平等という問題として捉えられ始めた、といった成功もある。これらのことを決して過小評価してはならない。

しかし、社会経済的不公正の根本にある問題が存在していると社会の中で感じられているために、公正発展党が以下の分野において成功を収めたとは言い難い。その問題というのは教育である。

トルコにおける社会的不公正が教育に起因していること、また更に悪いことに教育を通じてこの不公正が世代から世代へと継承される組織的かつ継続的な状態に転じていることを、数字は我々にはっきりと示している。

■教育が貧困者を生む

トルコでは、毎年およそ100万人の子供たちが小学校に入学する。[現政権の]12年を経て我々は、その子供たちのうちおよそ10万人に世界と競争できるだけの条件の下で良い教育を与えることができている。12年間の後、その100万人の子供たちのうちおよそ30万人は、「トルコにとっては良い」と言える、だが先進国の同年代の子供たちと競争するには不十分な教育を受けている。

そして最後に、我々はその100万人の子供たちのうちおよそ60万人には、トルコ国内または世界の同年代の子供たちとも競争するには十分な教育を与えることができていない。そして我々は、彼らを無理やり高校を卒業させているのだ。さらに、その最後の60万人の子供たちの両親も、根本的に類似した教育の連環を通って、安価な労働力として外に放り出されたのだ。

つまり、(教育は)社会の最貧困層を生み出していたのだ。そして我々は、教育を通じて貧困を世代間の遺産としているのだ。なぜなら、その60万人の子供たちも、安価な労働力として外に出る以外に方法はないからだ。

■韓国が30~40年の間で作り出した違い

経済協力開発機構(OECD)の数字を見ると、ある衝撃的な事例が浮かび上がってくる。現在トルコの55~65歳の人口における、大学および通信高等専門学校の卒業者の割合は10%程度である。韓国を見てみると、同年代のグループにおける大学卒業者の割合も10%である。

つまり、今から40年前の韓国とトルコの教育創出数は互いに類似している。両国は同時期人口の10%を大学から卒業させている。しかし、同じ比較を両国の25~35歳の人口で行ってみると、我々は衝撃を受ける。トルコの25~35歳の人口における大学卒業者は17%である。これに対し韓国の同年代のグループの65%が大学卒業者である。

だから、我々は自宅に韓国製のテレビや電話、パソコン、タブレットを使っているのだ。一方韓国人は、いい具合に我々から一部の安い繊維製品を購入している。

教育が生み出した違いはまさにこれなのである。社会的繁栄の実現および社会経済的という意味での公正の実現の方法は、したがって教育から生まれるのだ。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:33263 )