国会、《出生率向上法案》を第1種緊急法案に(上)
2014年04月14日付 Jam-e Jam 紙
ホセインアリー・シャフリーヤーリー議員(スィースターン・バルーチスターン州ザーボル選出。眼科の専門医でもあり、ザーヘダーン医科大学学術審議会メンバー。写真はhttp://www.sibpressより)
ホセインアリー・シャフリーヤーリー議員(スィースターン・バルーチスターン州ザーボル選出。眼科の専門医でもあり、ザーヘダーン医科大学学術審議会メンバー。写真はhttp://www.sibpressより)

■「避妊・中絶を法規制するための法案」

 イランにおける出生数は減少を見せ、昨年[2013年3月~2014年3月]専門家らは度々高齢化の進行に関して警告を発してきた。今年[2014年3月下旬以降]も人口に関する議論が再燃し、昨日[4月13日]凡そ50名の国会議員らが準備を進めてきた《出生率向上法案》の第1 種緊急法案指定が可決された。

同法案の立案者らは第2種緊急法案指定の可決を期待していたものの、反対派らはこの法案が充分ではないことや、医療の側面ばかりを問題にしていると強調し、第1種緊急法案指定にのみ同意した。[※1]

※訳注1:国会内規第120条、および第159条によれば、「第1種緊急法案」指定は出席議員の半分、「第2種緊急法案」指定は出席議員の3分の2、「第3種緊急法案」の指定は全議員の3分の2の賛成によって可決される。緊急法案に指定された法案は、通常の国会審議の順番を飛び越え、それぞれの緊急性の段階に応じた規定時間・期間内に開会・審議・評決が行われる。

 今日のイラン人口の状況はどの時代にもまして望ましい。なぜなら〈国の〉人口の約71%を若年層及び高齢者が構成しているからである。人口学の専門家らはこのような状況を「人口の窓[=機会の窓]」[※2]と呼び、現在のように理想的な状況はおそらく300年先まで現れることはないだろうと警告している。

※訳注2:「機会の窓」(Windows of Opportunity)とは、人口全体に占める子供(0歳から14歳)の割合が30%以下、かつ高齢者(65歳以上)の割合が15%であるような人口構成期間を指す。こうした期間には効率的な経済発展が可能となるという。

故に、もし1410年[西暦2031年]までつづく現在の人口構成を適切に活用するなら、[生産年齢人口の多さに起因する]力を駆使して、国にとっての多大な成功を手に入れることが可能である。実際、国内で高比率を占める若年層・壮年層が国の経済の歯車を回すことができる。しかし、もしこの年齢集団を維持・承継する条件が整わなければ、将来イランは数々の人口に起因する危機に直面することになるだろう。

 このような主張に基づき、昨日、国会議員らは公開審議において《出生率向上及び人口抑制の防止法案》を第1種緊急法案に指定することに賛成した。一方で、反対派の発言によれば、同法案には若者の居住や就労に対する配慮が盛り込まれていないという。

 国会保健委員会委員長のホセインアリー・シャフリヤーリー氏はこの法案の立案者の一人である。同氏はこの法案の狙いについて、ジャーメ・ジャム紙に対し次のように語った。

不法な人工中絶や女性及び男性に対する違法な不妊手術が行われている。実際、この法案の目的は保健省の目の届かない一連の危険な医療行為をやめさせることだ。なぜなら、これらの処置の全ては同省が信頼を置く医師の監視および了承の下に行われるべきだからだ。

 シャフリヤーリー氏は更に以下のように続ける。

家族計画のむやみな実行は我々にとってむしろ問題を引き起こすものだ。これに加えて、一部の保健センターが依然として古い規定に基づいて活動している。我々はこのようなセンターに規制を設け、法規定に沿った医療行為を行わせるよう努めたい。




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:赤城颪雷来 )
( 記事ID:33630 )