鉱山事故のソマ・グループ「黄金時代」も終了
2014年05月19日付 Radikal 紙


■7年で700億リラ

鉱山事故が発生したソマ・グループ採掘会社の社長アルプ・ギュルカンが、2005年以降手にした入札物件と関わる金額は、合計で600億から700億リラに達すると言われている。タラフ紙の情報によると、最初の入札は2005年9月8日にソマ・ゲヴェンテペで落札した。年間100万トンの石炭を採掘すると見込まれ、 2016年までに会社に石炭の採掘権は保証されている。2012年にも、この鉱山から採掘される石炭の対価として9,000万リラが支払われた。トルコ石炭事業協会は、入札なしでゲヴェンテペのメルケズ炭鉱も同社に委ねた。ウシュクラル炭鉱を同時期に入札なしで委ねられた。事故の起こった炭鉱は、2009年にソマ・グ ループに委ねられた。2011年にゾングルダックのバールク・イナズ地域の炭鉱の採掘権を36年契約で落札した。2013年にはイェニ・チェルテキ株式会社所有のアマスィヤ・メルズィフォン炭鉱を引き継いだ。

■プロジェクトは中止となった

ソマ・グループの建設部門が以前にカルタルで新設と発表していた事務所用地とショッピングセンターのプロジェクトは中止となった。ハベルテュルク紙によると、カルタルでのオフィス・ショッピングセンタープロジェクトの土地所有者であるユルサン投資ホールディングスの最高責任者タラト・ユルドゥルムは、プロジェクトを自分たちで実現するという決定を下したと述べた。

■詐欺罪で訴えられている

ギュルカン社長は、犯罪目的で構成したグループのメンバーであること、偽装破産と詐欺の罪で起訴された裁判の17人の被告の中に名を連ねている。最初の公判が6月17日に行われる法廷で被告人たちは、懲役21年を求刑され審理が行われる予定だ。イスタンブル第12重犯法廷で審理される公判に関わる資料では、預金保険基金も先週関与することになった裁判の根本原因を、コルクマズ・イートが基金から借りていた借金を原因とする詐欺、所有している土地の他人名義偽装、イートについて下された破産決定が偽装であった、といった罪状が占めている。

■外資系銀行は融資しなかった

ソマ・グループは、イスタンブルに建設したスピン・タワーのために、銀行に融資を求めたが、外資系の銀行は、「もし炭鉱で事故があったなら。これを世論に公表できない」と述べて、融資を拒んだ。アクシャム紙の情報によると、イスタンブルのマスラクの191mのスピン・タワーに対し、土地代以外に1億5000 万ドル投資を行った。世界的に有名な外資系の銀行は、5,000万から6,000万ドルという融資の要求に、「私たちはプロジェクトを評判のリスクという点から評価している。鉱業分野で活動をしていらっしゃる。採掘現場の一つでもし仮に事故が起これば、私たちはあなたたちに融資をしていた銀行として世間に知られることを望んでいない。私たちの答えはノーだ」と述べて却下した。

■イスタンブル工科大学から

ソマ・グループの炭鉱事故に抗議するために、イスタンブル工科大学鉱物学部を占拠した学生たちの行動が続く中、学部長ファトマ・アスラン教授は、学部でソマ・グループの社長アルプ・ギュルカンとイスメット・カサポール両名がもつイスタンブル工科大学鉱物学部学術顧問の職を免じた。

■地質学者たちは調査を開始した

地質学技師会の行った書面での発表によると、同技師会は、ソマ・ホールディングス社長ギョルカンが直接責任ある立場にあるという理由で緊急会議を開き、調査を開始し、規律委員会に諮る手続きを始めたと述べた。

■炭鉱での大きな怠慢

①生存・避難の部屋
シフトで800人が働いていた。そのシフトで働いている人に必要な避難部屋数は20部屋である。これを用意するのには、約500万ドルが必要である。

②ロボットテクノロジー
ギュルカン社長は、2013年末に炭坑の80%の工程にロボットシステムを導入すると述べた。しかし、事故後この数字が10%ほどであったことが判明した。工程の全てにシステムを導入するには、約5,000万リラの投資が必要である。

③装備
炭鉱労働者にとって最大の問題が、十分な装備の保証されていないことである。一酸化炭素マスク、不燃作業服、ファイバーグラス・ヘルメットといった不可欠な装備が、鉱夫に支給されていなかった。

④センサー
炭鉱で注意を引く怠慢のうちの一つが、一酸化炭素センサーである。起こるだろう事故を防ぐために、最も効果的であるのがこのセンサーである。事故がおこった炭鉱では残念なことに設置されていなかった。

⑤情報伝達
事故現場でのパニックを静めるために、重要であるのが情報伝達である。ファイバー・オプティック接続のネットは、IP電話を通して情報伝達を保証する。今回の事故の炭鉱にはなかった。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:33923 )